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 30数年前に刊行された新田次郎の名著「アラスカ物語」の主人公、フランク安田に脚光を当てようという動きがある。来年は没後50年になるらしい。オラがアラスカ物語と出会ったのは小学5年生のとき、ラジオドラマでのこと。その後、正月のお年玉で本を手に入れ、多分、十数回は読み返した。11歳の少年のオラを覚醒させてくれた物語だったことを鮮明に記憶している。
そのフランク安田が没したのがオラが生まれる5年ほど前だったと改めて知ったのは、実はつい最近、5年ほど前のことである。遠い昔の人ではなかったことをいまさらながら感じたものだ。
 とにかく、すごい日本人がいたものだ。その功績は、世に知らしめるに十分値する。「アラスカ物語」は、今なら、新潮文庫などで手軽に手にいれることができるはずだ。未体験の方には是非、体験していただきたい「新田次郎ワールド」である。中学校くらいの国語の教科書あたりで取り上げるべき題材だとも思うのだが。

石巻出身「アラスカ物語」主人公 来年8月、開拓地で追悼
 「アラスカ物語」(新田次郎著)の主人公で、石巻から米国アラスカ州に渡り、イヌイットの生活向上に生涯をささげたフランク安田(本名安田恭輔)が亡くなって、来年で50年になる。節目の年に安田をしのぼうと、安田が開拓した現地の村で来年8月、日本の法事に当たるインディアンの伝統追悼行事ポトラッチが計画されている。来春、村の子どもたちが修学旅行で石巻市を訪問する予定もあり、準備に奔走する里見亮さん(33)=東京都=が市民に協力を呼び掛けている。

 ポトラッチは来年8月23、24の両日、フランク安田が1910年に開いたビーバー村で行われる。計画では23日に追悼儀式を行い、翌日は参加者全員で日本食を食べながら交流を深める。石巻から参加する日本舞踊の藤間京緑さんと石巻日高見太鼓のメンバーの演技披露もある。

 里見さんは中学生の時にアラスカ物語を読み、安田に興味を持った。大学在学中にビーバー村を訪れて以来、村の人と交流を深めてきたという。

 「イヌイットとインディアンは通常同じコミュニティーには住まないが、安田は人種に関係なく誰でも村に受け入れ、共存させた」。里見さんは安田の功績をこう説明する。イヌイットを率いた安田をインディアンの伝統行事でしのぶことで安田の功績を分かりやすく表現できると、ポトラッチを思い立ったという。

 修学旅行は、安田が村に建てた学校クルイックシャンクスクールの生徒たちが、来年4月15、16の両日、石巻市を訪れる。学校は過疎化で廃校の危機にあり、最後の修学旅行先として安田の生まれ故郷が選ばれた。

 里見さんの呼び掛けに、石巻の文化・教育関係者らは年内にも実行委員会を発足させ、修学旅行の受け入れ態勢を整える方針。

 里見さんは「これを機にもう1度安田に光を当て、多くの人に安田の功績を知ってもらいたい」と話している。

[フランク安田]1868年宮城県石巻市に生まれ、16歳で見習船員として渡米した。アラスカ州の村バローでイヌイットの女性と結婚。飢餓や疫病などに苦しむイヌイットを救うため、彼らを率いて険しい山脈を越え、ビーバー村を切り開いた。金鉱を発掘し、毛皮の商いの道も開いた。アラスカのモーゼと呼ばれている。
(河北新報サイト)

2007 11/26 01:37:33 | よもやま | Comment(0)
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