沖縄本島辺野古沖の埋め立てがからむ普天間基地移設工事のアセスが始まろうとしている。環境アセスは、工事立地の環境を客観的に捉え、その工事事業があたえる環境負荷を推し量ろうとするもの。だが、事業ありきの考え方であるのは間違いなく、アセスの結果、事業が中止される可能性は低い。
でも、あの海には、やさしいジュゴンがいる。生息海域であることは間違いない。世界的にも珍しい繁殖海域である可能性もある。両国政府がそのことを大事に思ってくれるやさしい先進国政府であることを切に願う。
普天間移設、アセス2月開始へ 知事、方法書修正で容認
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市への移設問題で、仲井真弘多知事は21日、防衛省の環境影響評価(アセスメント)方法書の埋め立てにかかわる部分について「書き直しをする必要がある」との意見を同省に提出する一方で、方法書が書き直されればアセスの実施を容認する意向を表明した。政府は追加資料の提出などによって事実上の書き直しに応じる方針で、同省の計画通り2月にアセスが始まる方向となった。
ただし、沖縄県と名護市が求めている建設予定地の沖合移動については、政府と合意する見通しは立っていない。最大の懸案は棚上げしたままアセスを先行させることになりそうだ。
知事意見は、調査の手法などが「適切か否かを判断できる内容が十分記載されているとは言い難い」と指摘。埋め立て地の形状や工事計画などを具体的に明らかにするよう求めた。
しかし、公告・縦覧といったアセスの手続きを最初からやり直すことまでは求めていない。仲井真知事は報道陣に「書き直しが早ければ(着手は)2月にも間に合うんじゃないか」と述べ、防衛省が追加資料などを提出し、県が求める内容が満たされれば、アセス実施を容認する考えを明らかにした。
一方、政府側も「知事意見は尊重しなければならない。県側が必要な情報があるなら、迅速、的確に対応していく」(政府高官)として、事実上の書き直しに応じる意向だ。2月上旬には、政府と県、名護市による普天間移設協議会が予定されており、この場でアセス実施を地元と確認したいとしている。
これまで「書き換えの必要はない」と強硬だった防衛省も「追加資料を出すなど、丁寧に対応したい」と態度を軟化させている。(朝日新聞サイト)