かなり古い話で恐縮だが、トクタサツオの高校時代の話。
この学校は私立の男子校で、マンモス校だった。
以前お話したように、学校は大嫌いだったが、ちょっと変わった話があった。
体育の後だったか、トクタサツオが教室に帰ろうとしていると、全然知らない生徒がこちらも見ながら
「おい、おまえ何とかかんとか」と話し始めた。
こちらはわけがわからないが、その生徒は途中で間違いだと気がついたらしく、しまった、という顔をするとどこかへ駆け去った。
また別の日には下校時、全然知らない奴(ツッパリでした)が話しかけて来て、ひとしきりしゃべり終わるとそのまま歩いて行った。
この生徒などは最後まで、間違いに気がつかなかったようだ。
そしてまた、今度は登校時、やはり知らない一人の生徒がいきなり前に
ワッと回り込んだと思うと、
「ごめん、間違えちゃった・・・」と言われた。
マンモス校ならではの話であろうか。
トクタサツオに似た生徒がいたようである。