ウルトラQ第十九話「2020年の挑戦」です。
30分のテレビドラマ枠ではもったいないほどの作品です。 映画が一本作れたテーマの物語だったでしょう。
空飛ぶ円盤が日本上空に現れ、確認に向かった航空自衛隊の戦闘機が消えてしまうという事件が起きます。 ここでタイトルとオープニングテーマ。 また白黒裏焼きでなかなかの惹きこまれようです。
その後、各地で謎の人間蒸発事件が多発する。 この辺りの迫真性もさすがです。
そして江戸川由利子の前でも人が消えます。 彼女はこの事件を追っていき、逆に襲われそうになるが、何とか助かります。 またある謎の液体が原因のようでありました。
それから由利子には護衛に宇田川刑事がついたのです。
一方戦闘機消滅の責任を感じた天野二等空佐は、親友の万城目淳を訪ね、消滅したあたりの捜索を始めますが、その帰り、淳まで謎の液体によって消されてしまいます。
別の方向から事件を追ったのが戸川一平でした。 一平はすべての事件は、神田博士の書いた「2020年の挑戦」という本のとおりに起こっているというのです。 その本は、神田博士がケムール人と交信した記録でした。
ケムール人は頭と知能は進んでいるのですが、肉体が衰えていて、若い肉体を求めて地球にやってきたのでした。
そこで一平と天野は、神田博士を訪ますが、博士もすでに消された後でした。 ただ博士の家には、ケムール人を倒すKミニオードの試作品が届いていたのです。
執拗に由利子を狙う謎の液体。 電話ボックスでも由利子を襲いますが、宇田川刑事のタバコで火をつけられると、ついにその正体を現します。
そして遊園地ではついに淳に化けて由利子に近付こうとします。 間一髪のところを護衛の宇田川刑事に助けられます。
観覧車にぶら下がって逃げるところを頭を撃たれて落下します。 ところがこの後ケムール人は巨大化してさらに大暴れします。
東京タワーからKミニオードによって発射されたXチャンネル光波が拳銃の攻撃で巨大化したケムール人を攻撃。 ケムール人は倒され、液体になってしまいます。
そして淳を始め、消された人々も戻ってくるのでした。
宇田川刑事はケムール人が溶けた液体を見て 「大丈夫だろう」とつぶやきながら、脚をつけてみます。
すると、彼の体が消え始めました。 「助けてくれ〜」という宇田川刑事の悲鳴だけが残りました。
完全なハッピーエンドではない、ちょっと考えさせるラストシーンでしたね。
ケムール人の怪物度というか怪人としてのすごみは100%です。 とてもすばらしいですね。
後のバルタン、ザラブ、ダダ、などの先駆け、先輩ともいう存在ですね。 遊園地での特撮も見事でした。
スーツアクターはあの古谷敏さんです。 こちらもまたさすがの演技です。
天野二等空佐にムラマツキャップの小林昭二さん。 宇田川刑事に柳谷寛さんという豪華キャストです。
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