ウルトラQ第二十七話「206便消滅す」です。
SF色の強いなかなか見応えのある作品だったと思っております。
万城目淳と戸川一平の乗った超音速旅客機・206便が、東京国際空港上空で姿を消してしまいます。 それも飛行音だけは、地上に聞こえていたのにレーダーには映らないのです。 206便は、未知の空間である四次元に迷いこんでしまったのです。
江戸川由利子と一の谷博士は「遭難か?」と心配します。
でも淳達は生きていました。 ただ乗客や乗員のはほとんどが気絶をしていました。
空間の中は霧のただよう静かな世界でした。 気がついた淳と一平はそこを歩いてみますが、かつて消息を断った第2次世界大戦中の戦闘機がいくつも横たわっていました。
そして206便で護送中だった殺人犯のオリオン太郎が、このドサクサの間に刑事の拳銃を奪って淳達や他の乗客をおどし、パイロットは撃たれて負傷してしまいます。 オリオン太郎は、機外に逃げ地面にころがるダイヤを見つけて狂喜します。 ところが淳たちとの格闘のすえ、霧の中にのみこまれてしまいました。
この後不気味な唸り声が聞こえたかと思うと、巨大なアザラシのような怪獣トドラが現れ襲ってきました。
パイロットは負傷していたので、淳と一平が機を発進させました。 怪獣の攻撃を辛くもかわして迷いこんだとき通ったのと同じ黒いうずを抜けると、206便は富士山の見える日本の空にいたのでした。
登場怪獣のトドラは先にも申し上げたようにアザラシのような怪獣ですが、なぜこの世界にいたかどうかというのはちょっと説明不足気味でしたね。 もっと別の体型の怪獣でもよかったかもしれないです。 それから強いのか弱いのかもはっきりしなかった。
ただこういった四次元空間の物語というのはけっこう怖いし、惹き込まれるものがありますね。 現代の最新鋭旅客機でもいつこのような世界に迷い込むかわからないというのがSF的えあります。
そしてトドラのような怪獣もいるのだぞ、ということなのでしょう。 「ウルトラセブン」でベル星人の作った擬似空間というのがこれの発展型なのかもしれないです。 全作品の「燃えろ栄光」のピター同様、あくまでトドラは脇役なのだということでしょうか。
キャストはオリオンの竜に 桐野洋雄 さん。 他に、スチュワーデス・木村英子 に八代美紀 さん。 206便・中村副操縦士 緒方燐作 さん。 本多助手 岡部正 さん。 管制塔・金子主任 小泉博 さん。 206便・飯島機長 伊藤久哉 さん。
と東宝からかなりの方が御出演です。 また「ウルトラQ」の一回目の放送はこの作品が最終回でした。 だからというわけでもないのでしょうがね・・・。
制作順はまた違いますからね。
監督は梶田興治さん。 特技監督は川上景司さん。 脚本は山浦弘靖さん、金城哲夫さんです。
ウルトラQは今回で終わりに致します。
第二十八話「あけてくれ!」はスルーさせていただきます。 何せあの作品全然意味がわかりませんので。
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