ウルトラマン第十八話「遊星から来た兄弟」です。
ある夜東京に赤い霧が降って来ました。 するとこの霧を吸った人々は、苦悶しバタバタと倒れていきます。
この事件はすぐに、科学センターに報告され森田博士のグループが調査に乗り出しました。 そして科学特捜隊にも調査が依頼されました。
ムラマツ隊長はイデとアラシに市街地に、ハヤタにはビートルで東京上空へ向かうことを命じました。
そして今回から正式な隊員となったホシノ少年も前に出ます。 ムラマツ隊長はハヤタの助手として、ビートルに同乗を許可しますが、アキコがこの霧には放射能が含まれているという情報を報告すると、今回は基地でのアキコのお手伝いにと命令を変更しました。 がっかりとするホシノ少年ですが、みんなの説得で納得するのでした。
また、科学特捜隊基地に森田博士がやってきて 「この霧は宇宙から降ってきたものらしい」と知らせました。
赤い霧が立ち込めて、ほとんど人気がなくなり救急車のサイレンだけが聞こえる市街地で、イデとアラシは変な人物を目撃していたのです。 その変な人物は、黒いフロックコートをまぶかにかぶり、霧の中を平然とスタスタと歩いていました。
イデとアラシが危険だと注意すると、その人物は銀色に輝く、仮面をかぶったような恐るべき顔をしていました。 その人物は早足で逃げるように去っていきました。
イデは 「あれは宇宙人だ」と疑い、アラシと共に挟み撃ちにして捕まえようとしましたが、今度は服だけを残してまたその宇宙人らしき人物は消えてしまったのです。
「あっあそこだ!」とアラシがビルの壁面に張り付きながら進む宇宙人を見つけ、スパイダーショットを発射します。 その光線は命中しますが、またもや宇宙人は消えていったのです。
アラシがこのことを、ムラマツ隊長に報告すると 「なぜ攻撃したのか!」と怒られました。
すると突然キリキリを変な音がして、アラシ達は耳を覆います。
またムラマツは 「その男を責めるな。私が悪かったのだ」という変な声を聞いたのでした。 ただしその声はそれきり聞こえずに、アラシ達には声すら聞こえていなかったのです。
その時科学特捜隊の通信機のスクリーンにあの宇宙人の姿が写し出されました。
彼らはザラブ星人と名乗り、ザラブというのは「兄弟」という意味だというのでした。 また彼らが兄で地球人はまだ幼い弟だともいうのです。 そして何とか信用して欲しいということでした。
また科学特捜隊の基地に連絡してきたのは、この基地には宇宙語が翻訳できる電子頭脳があるからでした。
その頃東京上空をパトロールしていたハヤタは土星探査ロケットを発見していました。
イデとアラシが基地に戻り、土星ロケットの話が出たときに、ついにザラブが姿を現しました。 そして土星ロケットも彼が誘導してきたのだと言いました。
科学特捜隊はそれでもザラブを信用できませんでしたが、ムラマツがある提案をしました。 今この東京で大事件となっている赤い霧を消してみせてくれといったのです。
そしてザラブは赤い霧を消したのです。
ここでようやく科学特捜隊はザラブをお客として認めますが、基地内の一室に彼を案内しようとしたイデに催眠術をかけてしまいます。 そしてザラブ星人に対する地球の首脳会議を盗聴したのです。
イデが催眠術をかけられたことに気がついた科学特捜隊員はまたザラブを疑いますが、彼は今度は携帯用の自動翻訳機付きの電子頭脳を作り、宇宙局へと移ってしまいました。 科学特捜隊はそのようなザラブをますます怪しんで、彼をマークすることにしました。
その夜ザラブはすぐに行動を起こしました。 宇宙局から土星探査ロケットへ飛んでいったザラブをハヤタがビートルで追跡します。 ロケットの中ではザラブが乗組員にいろいろと命令していたのです。
やはり彼らはとんでもない宇宙人だったのです。 急いで戻りこのことを報告しようとするハヤタでしたが、ザラブは追跡にもハヤタがウルトラマンであることにも気づいていたのでした。 ザラブは逆にハヤタを捕らえて、地球の滅亡が彼の使命であると宣言します。
ハヤタの乗っていたビートルは墜落し、ウルトラマンが現れて街を破壊し始めたという報告が科学特捜隊の基地へ入りました。 科学特捜隊も宇宙局の首脳会議も困惑するばかりでした。
ただウルトラマンはすぐに姿を消しました。
すると今度はザラブ星人が現れて 「今度ウルトラマンが現れたら、科学特捜隊に攻撃を命じてみることだ」と発言しました。
その頃ハヤタは宇宙局の一室に金属のベルトで拘束され監禁されていたのですが、ザラブはハヤタの側に来るとフラッシュビームを捜そうとします。 でもそれは見つかりませんでした。
ザラブは 「地球は私がいただく」と捨てゼリフを吐くとどこかへ行きました。
その後ホシノ少年がハヤタを発見しました。 また彼はフラッシュビームも持っていたのです。
だが金属のベルトが」なかなか切れません。 あせるホシノ少年の両目から涙がこぼれ落ちます。 その涙がベルトの上に落ちると、何とベルトが切れたのです。
そしてまたウルトラマン(ニセモノ)が現れ街を破壊し始めました。
ハヤタはホシノ少年をまず逃がします。 ニセウルトラマンが見つけて捕らえようとします。
ハヤタはフラッシュビームを押して本物のウルトラマンが、現れました。
ウルトラマンはホシノ少年を奪い返すと、ニセウルトラマンに戦いを挑みます。 チョップ攻撃応洲に、テレパシー攻撃をかけるニセウルトラマン。
激しく戦う二人のウルトラマンですが、ニセモノが空へ逃げようとした際に、すかざず本物がスペシウム光線を放ちました。 これにはたまらずニセウルトラマンは墜落。 そしてザラブ星人の姿へと変身していったのです。
「やはりあいつだったのか!」と科学特捜隊員は怒りました。
だがザラブはまたもや上空へ飛び立つと、ウルトラマンも空へ向かいます。
ザラブは両手からミサイルを発射して攻撃してきますが、ウルトラマンはひるむことなく体当たりして、ザラブを地表に叩きつけました。
そしてここで止めのスペシウム光線。
ザラブ星人は炎上し、その恐るべき野望はついに途絶えたのでした。
このようにけっこう長くなってしまいましたが、それだけ観るところも多かったということでしょうか。
作品としては、かなりSF色の濃い、いい作品だと思っています。 宇宙人としては、バルタン星人に続いてウルトラマンでは二体目ですが、バルタンとは全然違った戦法を取ってきたというところがかなり面白いですね。 この辺り「ウルトラセブン」への布石でしょうか・・・。
また今回のお話で登場したのは、彼一人だけのようですが、バルタンのようにまだ仲間がいそうですね。 この辺りもまた興味深いところです。
ゲストの森田博士に土屋嘉男さん。
キャストロールではザラブ星人とニセウルトラマンはキャスト名が違っていました。
ザラブ星人は青野武さんとなっていましたが、この方は声優さんですよね。
また森山周一郎さんのお名前もありましたが、ザラブの声を担当されたのはこの方でしょうか。
脚本 南川 竜 金城哲夫 特殊技術 高野 宏一 監督 野長瀬 三磨地 特撮(本編)内海 正治 (特撮)佐川 和夫
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