ウルトラマン第二十二話「地上破壊工作」です。
科学特捜隊パリ本部から特別な任務を帯びて女性隊員のアンヌが東京へとやってきました。 イデとアラシが迎えに行きましたが、サングラスをかけた彼女はその任務の内容を二人に話しませんでした。
やがて科学特捜隊の基地に入ったアンヌは、身分確認後にムラマツ隊長に初めてその任務を打ち明けました。
アンヌはハヤタを、国際宇宙開発軍のロケット操縦の指導員として招待するために来日したというのでした。 でもなぜかサングラスを外そうとはしなかったのです。
ハヤタとアンヌはパリに飛び立ち、ムラマツ隊長以下が見送りました。 ところがその日、空に黒い虹が現れたのです。
そして突如として日本全国の電波、電話が混乱し始めたのです。 アラシとイデがテレビセンターに急行したのですが、そこでも原因はわかりませんでした。
また福山博士を訪れたのですが、 「この混乱の原因が科学特捜隊の基地にあるかもしれない」と言われて驚く二人でした。
そしてその帰途イデはパリへ飛び立ったはずのアンヌによく似た女性を目撃しますが、アラシはそれを否定します。
基地に戻ったアラシとイデは、電波妨害の装置を発見しました。 この装置はすぐに、福山博士によって分解されました。
博士は驚くべきことを言います。 この装置に使われているゲルマタント鉱石は、地下4万メートルにある物だというのです。
そして誰がこれを基地内に持ち込んだのでしょうか・・・。
イデはすぐに、アンヌを疑います。
ムラマツも疑心暗鬼のまま、一応ハヤタに連絡をとるようにアキコに命じますが、連絡は取れませんでした。
やがてアラシとイデはビートルで、パトロールに向かいましたが、上空からアンヌによく似た女性を発見しました。 二人はすぐに追跡したのですが、彼女は逃亡してしまいます。 そしてその後には、ハヤタのトランシーバーが残されていたのです。
また何か怪獣の咆哮のようなものが聞こえました。
その頃ハヤタは、どうしていたのでしょうか・・・。 彼は催眠状態のままで、ある場所にいたのでした。
科学特捜隊は、犯人が再び現れると判断して、テレビセンター、インターナショナルテレホンサービス、科学特捜隊本部の三手に別れ、待っていました。 そしてテレビセンターに張り込んでいたイデは、再び現れたアンヌを発見しました。
イデは追いかけますが、アンヌがサングラスを外すと、なんと彼女には両眼がありませんでした。 アンヌは驚くイデをしりめにまたどこかへ逃げていきました。
その時地底から、一匹の怪獣が姿を現しました。 地下4万メートルからやってきた、テレスドンです。
「行け!テレスドン!」アンヌはこう叫びました。
テレスドンは、ビル街を破壊し始めました。 また火を吐き散らします。 科学特捜隊はビートルで、攻撃しますが、効果はありません。
逆にテレスドンが吐いた火炎で、ビートルが破損されてしまいました。
ビートルを不時着させた科学特捜隊は地上攻撃に移りました。
またハヤタはどうなったのでしょうか・・・。
ハヤタは台の上で催眠状態のままでした。
そしてあの両眼がなかったアンヌ隊員他、何人かのやはりサングラスをかけた男達がその台のまわりに立っていました。 ハヤタが問いかけると、男達はいっせいにサングラスを外しましたが、やはり両眼がなかったのです。
そこは地下4万メートルの場所で、彼らは地底人だったのです。 地底人達は、氷河期以前に地下へもぐってから、晴れて地上に出る日を待っていたといいました。 そして彼らは人間を奴隷にして、地上征服を目論んでいたのです。
そのうえ彼らはハヤタがウルトラマンに変身していることを知っていたのでした。
また地底人達は奇妙な形をした物をハヤタにかぶせます。 それは仮眠マスクという物で、ハヤタの意識が消えると彼らの思うがままに操れるという恐るべき装置だったのです。
「さあ!ハヤタ、ウルトラマンに変身するのだ!」地底人達は叫び、ついにハヤタはフラッシュビームのボタンを押しました。
ピカッ! その100万ワットの光により、その場にいた地底人達は全滅したのでした。
ウルトラマンは、たとえハヤタが意識を失っていてもウルトラマンの意識を支配することはできなかったのである。
ウルトラマンがテレスドンにぶつかります。 テレスドンは怪力で、反撃してきました。
くんずほぐれつの激闘となりました。
ウルトラマンは投げ技でテレスドンを攻撃します。
何度も叩きつけられるうち、テレスドンはだんだん弱ってきました。
そしてウルトラマンはテレスドンの首をもって、地上に叩きつけ、テレスドンの首の骨を折って絶命させました。
その後、ハヤタは無事に本物のアンヌ隊員を伴って、科学特捜隊の基地に戻ってきました。
アンヌ隊員も地底人達によいって誘拐されて、監禁されていたのでした。
かくして事件は解決し、本物のアンヌ隊員と一緒にハヤタは再びパリへ向かったのでした。
地底人という同じ地球人の侵略者が登場します。 テレスドンよりは、この連中の方がなぜか不気味です。
頭がいいようで、けっこうドジ・・・。
あのハヤタが変身するシーン。 トクタサツオはリアルで観ていたのですが、 「おいおいフラッシュビーム押させて大丈夫か?」などと思っていましたけどね。
地底にいる人間がいきなり強い光を浴びせられたらどうなるか?
やはりあっという間に全滅でしたね・・・。
たどたどしい日本語がまた印象的でした。
それから冒頭のアンヌ隊員、普通あのような所ではサングラスは外すでしょうけどね。
テレスドンに対してはウルトラマンはレッドキングと同じように、スペシウム光線を使わずに、闘いました。 案外タフな奴でしたから、効かなかったかもしれないですね。
それからこの作品は実相寺作品なのですが、やはり暗闇が効果的に使われていますね。
また物語の展開は見事で、惹き込まれて行きますね。 この辺りはさすがです。 重さはもちろん暗さも少し残ります。
面白い作品に完成されていますね。
脚本 佐々木守 特殊技術 高野宏一 監督 実相寺昭雄 撮影(本編)内海正治 (特撮)佐川和夫
(ゲスト)福田善之(福山博士) フランツ・グルーベル(地底人) アネット・ソンファーズ(アンヌ隊員=地底人)
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