ウルトラマン第三十四話「空からの贈り物」
みなさま昨夜はクリスマスイブでしたが、贈り物はお贈りになりましたか? それとも誰かから贈られましたか?
いずれにせよ、このような「贈り物」はかんべんしてほしいですね。
ウルトラマンいや数多のウルトラ作品中の中でも珍作中の珍作です。 このような話があってもいいのでしょうか・・・。
それだけにかなり印象に残っておりますが。
空からは絶えず何かが降ってくる。
宇宙線や隕石。
また雪もそうかもしれない。 アキコは雪を見てこうつぶやきました。 「雪もとってもきれいな空の贈り物かもしれない」
雪はやがてみぞれになり、雨となります。 外出中のムラマツから基地へ連絡が入りました。
「傘を届けて欲しい」とのことでした。 だいふくをほうばっていたアキコがそれをのどに詰まらせながらハヤタに伝えました。
ハヤタはビートルでムラマツに傘を届けました。 雨の日に傘も一緒に降ってきたらどんなにいいでしょう。
ただ時々飛び降り自殺者のように人間だって降ってくることもあるのです。
何が降ってくるかわかりません。
その夜東京に怪しい火の玉が降りました。
「フア〜ッ、晴海の埠頭に赤い火の玉が、了解」 寝ぼけているアキコ。
そこにやはり寝巻き姿で、枕を抱えたイデと寝ぼけ眼のアラシが現れます。 アキコはイデに 「キャップ〜」と話しかけます。
ハヤタはまともでしたが、そこへムラマツが現れイデをたしなめました。 ところがそのムラマツも隊員服の上着を表裏逆に着ているありさまでした。
現場に到着した科学特捜隊はさっそく調査を開始しました。 火の玉が落下したと思われる地点には、放射能の心配はありませんでしたが、大きな深い穴があいていました。
そして激しい振動とともにその中から一匹の大きな怪獣が姿を現わしました。
「後退〜!」 いつもは勇敢な科学特捜隊員達ですが、この日は我勝ちにと逃げていきます。
怪獣は大きいだけでなくかなり重量もありそうでした。
そして口から火炎を吐き辺りを焼き払います。
ビートルで攻撃しますが、効果がありません。 それどころか昼寝を始める始末です。
科学特捜隊はこの怪獣をスカイドンと名づけました。
そしてスカイドンを宇宙に返す作戦がとられることになりました。
?「ワイヤーロック作戦」 ハヤタ、アラシ、イデが操縦する三機のビートルでワイヤーをかけ宇宙まで運んでいこうという作戦です。 しかしワイヤーをひっかけるまではよかったのですが、スカイドンは重すぎて持ち上がりません。 しかたなくムラマツはワイヤーを外す命令を出しましたが、ハヤタのビートルだけが失敗して逆にワイヤーを振り回され撃墜されてしまいました。
ここでウルトラマンが登場。 ウルトラマンはパンチ、キックで攻撃しますが、スカイドンは却って心地よさそうにしています。
尻尾を持って振り回そうとしてもだめ。 この次は持ち上げようとしましたが、スカイドンの重量にウルトラマンはつぶされてしまいました。
さすがのウルトラマンもどうにもならず引き上げて、ハヤタが戻ってきました。
科学特捜隊員達はハヤタの無事な姿を見て喜びますが、イデの発案でオートジャイロ作戦がとられることになりました。
?「オートジャイロ作戦」 科学特捜隊はスカイドンに麻酔弾を撃ち込み眠らせた後、大きなプロペラをスカイドンに固定しました。 プロペラが回転しはじめるとさすがのスカイドンも浮上を始めました。
そしてどんどん空の彼方へ向かって飛んで行ったのです。 成功です。
基地に戻った科学特捜隊員達はビールで乾杯しようとしていました。
ドド〜ン! 大音響とともに基地の建物が揺らぎます。
慌てて机の下などに隠れる隊員達。
無重力地帯へ行く前にプロペラの推進力が弱まり、スカイドンがまた地上へついらくしたのでした。
アキコが思いつきます。 「ガマクジラを空へ飛ばしたロケット弾があったわ!」
アラシもムラマツに賛成の意志を伝えました。
ですが 「顔が近い!」とムラマツは迷惑そうでした。
?「ロケット弾作戦」 ロケット弾はスカイドンの尻に命中して、動き始めますがやはり重すぎて吹っ飛ばすまではいたりませんでした。
それどころかまるでツイストを踊るような感じで科学特捜隊員達の方へ向かってきます。
隊員達は逃げ出します。
ハヤタはスパイダーを撃つこと、ハヤタはウルトラマンに変身する余裕もありません。
逃げるばかりです。
何とか晴海まで誘導して再び麻酔弾を撃ち、何とかスカイドンを眠らせました。
ムラマツは何とかしなければと、再びスカイドンを宇宙に返す作戦を練るのでした。
?「怪獣風船化作戦」 ムラマツの発案により、スカイドンの尻の穴から水素を注入して巨大な風船にして、宇宙まで飛ばしてしまおうという作戦でした。
水素は次々にスカイドンに注入され、みるみるうちに風船のようになり空へ向かって上昇していきました。
今度こそ成功です。
スカイドンはかなり小さくなっていきました。
「キャップおめでとうございます」 「ウンウン、さあ帰るぞ」 「キャッホー」 と喜び歓喜のジャンプを見せるハヤタ、アラシ、イデ、アキコでした。
だが喜ぶのは早すぎました。
航空自衛隊基地から飛び立った訓練機がスカイドンを怪しい風船とミサイルで撃ってしまったのです。 再び落下してくるスカイドン!
この連絡が科学特捜隊の基地に入りアキコがムラマツに伝えます。
彼等はカレーライスを食べていました。
ハヤタがすぐに飛び出します。 ムラマツは 「おいっハヤタ!」と呼び止めようとしますが、カレーがのどに詰まってしまいました。
イデが慌てて介抱します。
アラシは我関せずとばかりにカレーライスをほうばり続けています。
ハヤタは屋上でフラッシュビームを点火しようとしますが、変身できません。 何と手にしていたのは先ほどまで食べていたカレーライス用のスプーンでした。
慌ててそれを投げ捨て、今度は本物のベータカプセルを押します。
ウルトラマンの登場です。
ウルトラマンは墜落してくるスカイドンにぶつかり爆発させました。
こうしてようやく今回の事件も解決しました。
ある日着物姿のアキコの他、科学特捜隊員は野点を楽しんでいました。
「春ねえもうすぐ。空から降ってくるのはこのようなきれいな花ばかりだといいのに」とアキコは思っていました。 と言っている先にイデにうぐいすの糞が直撃です。
「春ねえもうすぐ」アキコは心の中で再び繰り返していました。
アキコは今幸せでした。 春は人の心を明るくさせるものだからです。
このように抱腹絶倒の場面が多い作品でした。
まあいつもとかなり違う場面が多いのですがね・・・。
科学特捜隊員が普段からこのようなコミカルなことばかりやっていては、大変ですから。
まあ少し外伝というか、パラレルワールド的に変った話があってもいいのではということで作られたのでしょうかね。
スカイドンの正体もよくわかりませんね。
やはり宇宙怪獣だったのですかね?
どちらなのでしょう・・・。
脚本 佐々木守 特殊技術 高野宏一 監督 実相寺昭雄 撮影(本編)福沢康道 (特撮)佐川和夫、鈴木清
実相寺作品ですね。 出演者のテロップもレギュラーとウルトラマン、スカイドン以外は一名でした。
「ウルトラマン」は本年最後のアップになると思います。
もう後僅かなのですが、ちょっと残してしまいました。 後は来年ですね。
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