ウルトラセブン第二話「緑の恐怖」です。
ある夜、東京に隕石が降って来ました。 隕石はある豪邸の庭先へ落ちました。
その豪邸の若い令夫人が、外へ出かけようとしてこの隕石に気がつき、お手伝いさんに文句を言っています。 夫人はお手伝いさんにどこかへ運んでくれるように言って慌しく出かけていきました。
見送るお手伝いさん。
そこへ郵便配達が小包を届けに来ました。 小包には送り主の名前が書いていないうえ、その郵便配達も受領の印鑑ももらわずすぐに立ち去っていきました。 怪しい感じの男でした。
その頃地球防衛軍基地に宇宙ステーションV3から一人の隊員が休暇をとるために戻ってきました。
彼は石黒隊員と言い、先ほどの令夫人はこの人の妻だったのです。 彼女は途中で車が故障してだいぶ遅れて到着したのでした。
ダンが石黒夫妻をポインターで送っていくことになりました。
そして石黒邸に着いたダンは、あの隕石に気がつきます。 ダンは透視しようとしたのですが、それができません。
不可解な物体です。 ただこれが地球の物質ではなく、ワイアール星から産出されるチルソナイト808であることに気がつくのでした。
そしてその夜アンヌと共に、故障した石黒夫人の車を届けるため再び石黒邸を訪れたダンは隕石がまだそこにあるのを見て、警戒心を強めました。
また例の怪しい郵便配達が届けた小包を受け取った石黒隊員は、小包を開けるとまた小さい隕石のような物が入っていました。 石黒隊員は、薄ら笑いを浮かべながら、大事そうにデスクの中にしまい、鍵をかけました。 すると異様な機械音が発せられ、例の隕石も光りだしました。 そして石黒隊員は何と、緑状のかさぶたのようなものに覆われた、植物人間に変身してしまったのでした。
その植物人間は通行人を襲いました。
ダンとアンヌが、たまたま基地への帰途にこの通行人の悲鳴を聞いて駆けつけます。
この被害者は地球防衛軍の基地に運び込まれ、手当てを受けるのですが、何と彼はあの直物人間になってしまいました。 アンヌがパラライザーで植物人間を眠らせましたが、同じような事件は続いたのです。
襲われた犠牲者はみんなあの植物人間になってしまうのでした。
「このままではネズミ算式に植物人間が増えてしまう」とキリヤマ隊長は警戒します。 タケナカ参謀も市民の夜間の外出を禁ずるように警報を出すように命じました。
宇宙から来た植物人間、ワイアール星人は獲物を獲れず、血に飢えて石黒邸に戻ってきました。 今度は夫人を襲おうとするのですが、悲鳴をあげられ失敗しました。
しかしすぐに石黒隊員の姿に戻って、夫人に箱根の別荘行きを提案するのでした。
翌朝石黒家のお手伝いさんから、地球防衛軍基地に机の中で変な音がすると、連絡が入りました。
ダンとアンヌが石黒邸へ来ました。 ダンが机の中から怪しい小さな物体を取り出します。
そしてダンがこの物体をハンマーで叩き割ると、小さな機械のようなものが入っていました。
これは小型の電子頭脳だったのです。
また例の大きい方の隕石は地球防衛軍の基地に運び込まれていたのですが、この隕石もまた割れるのでした。 そしたこちらには、何と本物の石黒隊員が閉じ込められていたのです。 本物の石黒隊員を隕石に閉じ込めてその姿や意識を移していたのでしょう・・・。
その頃ワイアール星人の石黒隊員は飢えにがまんできずに、箱根行きのロマンスカーの中で直物人間に変身してしまいました。
電車の中はパニック状態になりますが、石黒夫人が逃げ遅れます。 お手伝いさんから、石黒夫妻の箱根行きを聞いたダンとアンヌが、駆けつけて助けました。
ワイアール星人は体を巨大化させます。
そしてダンはセブンに変身します。
セブンも巨大化して、ワイアール星人と戦います。
ワイアール星人は怪光線を出して戦いますが、セブンのアイスラッガーで真っ二つになります。 その後エメリューム光線で焼かれてしまうのでした。
石黒隊員は無事元に戻り、やっと夫人と会うことができました。 二人は改めて箱根の別荘に向かい、ダンとアンヌがポインターで送っていくのでした。
また他の犠牲者達もみんな元の姿に戻ったのでした。
事件はこうして終わりましたが、「明日の朝まずあなたの家の庭を御覧になって下さい」というナレーションは不気味でしたね。
セブンのファイトの時間は今回も短めです。 そのかわりダンがけっこう奮戦したかな、という気も致しますね。 このお話ではやはりワイアール星人に、スポットが当てられていて、怖さもある面白い作品となっています。
またチルソナイトというのは、ウルトラQでガラモンを操る電子頭脳を覆っていたのがこのチルソナイトということです。
スタッフのお遊びでしょうか・・・・ ガラモンを送り込んだのはセミ人間で、ワイアール星人ではありませんでしたがね。
それともあのセミ人間はロボットかサイボーグでやはりガラモンを送り込んだのは彼らだったのでしょうか・・・。 あの郵便配達は何者だったのでしょう・・・。
想像はつきませんね。
またダンとアンヌが車を石黒隊員の家に届けた後、徒歩で帰っていきましたけど、どこまで帰るつもりだったのでしょうね・・・。 石黒隊員の家は都内です。 地球防衛軍基地って、確か双子山の方でしたよね。
脚本 金城哲夫 監督 野長瀬三摩地 特殊技術 高野宏一 撮影 永井仙吉 美術 成田亨・岩崎致躬 特殊撮影 鈴木清
ゲスト 石黒隊員(松本朝夫)石黒夫人(中真千子)
中真千子さんはチャーミングで女学生のような、可愛いい奥様でした。
それから文中にもお書き致しましたが、石黒家には「しずさん」という、お手伝いさんがいらっしゃいましたね。 この方は「サンダ対ガイラ」で、冒頭、ガイラに襲われた山本廉さん扮する船員さんが入院していた病院で登場する、看護師さんでしょうか・・・。
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