ウルトラセブン第六話「ダークゾーン」です。
ちょっと変ったお話でした。
ある晩地球防衛軍内のアンヌの部屋に不気味な黒い影が現れました。 アンヌは驚き、ダンを呼んできます。
ダンが部屋に入ると何も見当たりません。
ダンは、アンヌの見間違いだと笑いますが、その影は再び現れました。 その影は人間大のダーク・ゾーンであり、ダンが雑誌を差し込むとこれを奪い取りました。
そしてそのダーク・ゾーンは言葉を話したのです。 彼は遠い宇宙都市から来たのだが、ケガをしてしまった。 手当ては済ませたので、しばらく休ませて欲しいと訴えました。
ダンとアンヌは彼に同情し、彼が望むように、そのままにしておいてやることにしたのでした。
その頃地球防衛軍は強力なある宇宙電波を追いかけていました。
ダーク・ゾーンは傷が癒えてきたのと、ダンとアンヌの優しさに慣れてきたのか口調も滑らかになってきました。 地球人だって宇宙人でみんな仲間だというようなこともしゃべります。
ただ一言だけ 「このような大きな宇宙空間の中で地球と彼等が一緒に生きる場所がない・・・」と妙なことを言いました。 ダンが聞きとがめ、 「何のことか」 と問い詰めますが、はぐらかされてしまいました。
また彼等の街は大きな工場を持ち、水も空気も何でも作る科学都市であると語りました。
その後ダンは作戦室に呼び出されました。
作戦室には宇宙空間都市ペガッサからの通信が受信されていました。 それによるとペガッサは動力系統が故障し、このまま進むと地球とぶつかってしまう。 だから地球の軌道を80時間変更してくれというのでした。
もちろんこのようなことができるわけもなく、作戦室は大騒ぎになりました。
ダンはアンヌの部屋にいるダーク・ゾーンはペガッサ都市の住人ではないかと気づき、部屋に戻って再び問うのでした。 それでもダーク・ゾーンは否定します。 ただペガッサ都市のことは知っていると言いました。
それはペガッサ星人が宇宙空間に建設した大都市で、大きさは地球ほどではないが、都市を作っている物質の密度は地球の8万倍だということです。
ダンは驚きます。 ペガッサ都市と地球がぶつかったら、両方とも木っ端微塵になるのです。
それでもダーク・ゾーンは軌道を変えればいいことだ、などというのでした。
ダンはついにこのことをキリヤマに報告しました。 アンヌの部屋に駆けつけるキリヤマ達と地球防衛軍の隊員達。
ダーク・ゾーンは沈黙していました。
それでもアンヌが彼をかばい、キリヤマ達は一旦引き上げました。
マナベ参謀はついにペガッサ都市破壊を決断しました。
ウルトラホークが向います。
しかし、途中で命令が一部変更されました。 爆破前にペガッサ都市の市民を地球に迎え入れようというのです。
そしてウルトラホーク1号と搭乗している、ウルトラ警備隊にはその先導をするという名誉ある任務を受けたのです。
ダンは喜びペガッサ都市に連絡しますが、返事がありません。 何度も何度もダンの努力は続けられますが、ペガッサ都市は一向に動こうとしないのでした。 軌道も変えられない地球人にペガッサ都市の爆破まどできないと考えているのかもしれませんでした。
やがてダンの呼びかけも空しく、ペガッサ都市は北極基地かた飛び立った宇宙爆撃艇のより爆破されてしまいました。
ウルトラホーク帰還の後ダーク・ゾーンの彼はアンヌに地球を破壊すると言って姿を消しました。 彼はやはりペガッサ都市の住人、ペガッサ星人だったのです。
ペガッサ星人は地球の奥深く、爆弾を射ち込みました。 彼はまだペガッサ都市の最後を知らなかったのです。
ダンが駆けつけペガッサ星人と対峠しました。 ダンはペガッサ都市が爆破されたことを伝えますが、ペガッサ星人はそれを信じようとしません。
そしてダンがその最後を見たと告げると怒り、復讐すると叫び銃を構えたのでした。
ダンはすかさずウルトラセブンに変身、アイスラッガーで銃を叩き落としました。
ペガッサ星人は逃げていきました。
ウルトラセブンは爆弾を宇宙区間で処分、事件は解決しました。
ダンとアンヌはこの事件の後もどうしてもあのペガッサ星人が忘れられず、暗闇を見ると彼のことを探してしまうのでした。
このようにセブンの登場時間はかなり後半で短いです。 でも全然面白くないなどということはないのです。
何といってもペガッサ都市とペガッサ星人の印象がかなり大きいですね。 スケールの大きい話でした。 「何だって!自分で軌道も変えられないのか!」のセリフには驚きましたけど・・・。
それからダンとアンヌ・・・。 非常に優しくペガッサ星人に接しています。 この二人にはペガッサ星人も心を開いていました。
この話と対をなすのが東宝映画の「妖星ゴラス」です。 こちらは地球の軌道を変えてしまうのでした。
また都市の爆破、つまり武器、破壊の方では地球の科学も先を進んでいたという話もちょこっとあるのでは・・・などと思ってしまいました。
脚本 若槻文三 監督 満田かずほ 特殊技術 有川貞昌 撮影 永井仙吉 美術 成田亨、岩崎致躬 特殊撮影 佐川和夫
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