ウルトラセブン第八話「狙われた街」です。
ウルトラセブンの人気作品の一つです。
ある日一台のタクシーが、泣き叫ぶ一人の女性客を乗せて暴走していました。 タクシーの運転手は、車を停めると今度は女性客を殴り始めます。
パトカーが駆けつけその運転手を捕らえようとすると彼は気を失ってしまいました。
この活劇を子供達が目撃していました。
そこへウルトラ警備隊のポインターが駆けつけ、アンヌが降りてきました。 そして一人の子供を乗せると、涙ながらにアンヌの叔父である子供の父親が航空機事故で、亡くなったことを告げるのでした。 日本の民間航空の名パイロットで、北川町に住むアンヌの叔父は130名の乗客とともに、帰らぬ人となってしまったのでした。
また他にもこのニ、三週間列車やタンカーの事故が続けて起きていたのですが、なぜかどの事件にもこの北川町の住人が関わっていたのです。 アンヌの叔父の葬儀に出席していたダンはこの符号に何か得体の知れない疑問を感じました。
その頃フルハシをソガが北川町をパトロール中に一服しようとした時に今度はライフル乱射事件が起きました。 これに巻き込まれフルハシが足を撃たれました。 ソガが光線銃でライフルを叩き落し犯人は逮捕されました。
ダンはこの話を聞き、犯人が取り調べを受けている警察署まで行き、取調べに立ち会いました。 ライフルを乱射した犯人はあの後二時間ほど眠ったのですが、何も覚えていないというのでした。
朝食後、映画でも観ようと出かけました。 映画にはまだ間があったので、駅で新聞と駅前の自動販売機で煙草を買った後、行きつけの銃砲店によったのでした。 そこで一服していたとだというのです。
その後の自分の行動と事件については何も覚えていないということでした。
ダンは北川町に偶然ではなく、何か不気味なことが起きていることを感じていました。
警察署からの帰り無人のダンプがポインターの行く手を邪魔します。
ダンがポインターから降りていくと不気味な声が聞こえてきて北川町に近づくなと警告するのでした。 またダンがウルトラセブンであることを知っていたのです。
ダンは基地に戻りますが、何者かの邪悪な意志が動いていることは確実になりました。
そこへフルハシが作戦室に現れて、先ほど買った煙草を吸い始めたのでした。
すると突然フルハシの顔色が変り、松葉杖でダンを殴ると大暴れを始めたのです。
作戦室の全員の隊員で何とか押さえつけるといきなり失神してしまいます。
その後やはりソガが例の煙草を吸い始めたのですが、こちらもいきなり光線銃を抜こうとしました。 ダンが押さえつけるとソガも狂ったように暴れ始めました。
そしてやはり失神してしまうのでした。
ダンは煙草が怪しいと気づいて、これをほぐします。 すると中から小さな赤い結晶体が入っていました。
科学班に分析を依頼して、ダンはアンヌの亡き叔父の家に行き、煙草をどこで買ったかを聞きます。 するとやはり駅前の自動販売機で買ったことがわかりました。
また科学班の分析結果では、あの結晶体に侵されると廻りの人間が全て敵に見えてくる。 そして野獣のように暴れまわるだけの行動をとるということがわかったのです。
ダンとアンヌは駅前で、自動販売機に煙草を入れに来る者を待って、張り込みを続けました。 やがて一台のワゴンが現れて、そこから一人の怪しい男が降りてきて煙草を自動販売機に入れ始めました。
男は煙草を補充するとまたどこかへ走り去っていきます。 ダンとアンヌは追跡してその男があるアパートへ入っていくのを突き止めました。
アンヌを連絡係に残して、ダンがその部屋に入っていきました。
するとそこにはメトロン星人が待っていたのでした。
もちろんダンがウルトラセブンであることは知っていました。
メトロン星人はこのように語りました。 「オシエテヤロウ。ワレワレハジンルイガタガイニルールをマモリ、シンライシアッテイキテイルコトニメヲツケタノダ。 チキュウヲカイメツサセルノニボウリョクをフルウヒツヨウハナイ。ニンゲンドウシノシンライカンヲナクスレバイイ。 ニンゲンタチハタガイニテキシシ、キズツケアイヤガテジメツシテイク・・・・・・ドウダイイカンンガエダロウ」
数分後メトロンセイジンはウルトラセブンを宇宙へ放り出そうと、ダンを乗せたまま宇宙船を発進させます。
そこへアンヌから連絡を受けたウルトラホーク1号が駆けつけ二台に分かれた宇宙船を攻撃して墜落させます。 中からウルトラセブンが現れました。
夕陽で真っ赤に染まる街の中でウルトラセブンをメトロン星人の闘いが始まりました。
メトロン星人はちょっと交錯したのみで、敵わぬと思ったのか空中に飛び上がり逃走を図ります。
そこへセブンのアイスラッガーとエメリュゥム光線が炸裂メトロン星人はあっさりと倒されました。
こうして事件は解決しました・・・。 けれども犠牲者も多かった悲惨な事件でした・・・。 でもエンディングのナレーションはこのように我々に告げます。
「メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです。人間同士の信頼関係を利用するとは恐ろしい宇宙人です。 でも御安心下さい。このお話は遠い、遠い未来の物語だからです。えっ何故ですって? 我々人類は今宇宙人に狙われるほどお互いを信頼していませんから」
というなかなか憎い言葉でしたね。
最後のウルトラセブンとメトロン星人の夕陽を浴びての対決とちゃぶ台を囲んでダンとメトロンがお茶でも飲みながら話しているような場面が非常に印象的で名シーンとなってファンの間でも有名ですね。
脚本 金城哲夫 監督 実相寺昭雄 特殊技術 大木淳 撮影 福沢康道 美術 成田亨、岩崎致躬 特殊技術 鈴木清
実相寺監督らしい演出があちらこちらに見えていますね。
やはり闇とか暗さがうまく使われています。
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