ウルトラセブン第十九話プロジェクトブルーです。
ある夜地球を部分的に覆うバリヤーを破り、一つの火の玉が地上に落下、山火事を起こしました。 この事件はただそれだけで、大きくは扱われず、ウルトラ警備隊にも報告されませんでした。
そしてその頃はこれといった事件もない、平和な日が続いていました、 ところがフルハシは逆に「体がなまってしかたがない」と愚痴るほどでした。 キリヤマはそのような彼を「事件がないことは、いいことじゃないか」と諭します。
またその後に、地球防御バリアー、プロジェクトブルーの完成が近づいていたのですが、「これが完成すればもっと暇になる」と打ち明けました。
その頃プロジェクト・ブルーのキーマンである宮部博士は休暇を取り、妻グレイスの待つ自宅へ向っていました。 明日はそのグレイスの誕生日だったのです。 博士は二人でお祝いをするために、休暇を取り地球へ戻ってきていたのです。
自家用車で帰宅途中、博士は一人で夜道を歩いている、奇妙な人物を見かけ、同乗するように誘うのですが、その人間は消えていました。
博士は自宅へ着くと、グレイスに白いワンピースをプレゼントしました。
彼女は喜び、博士夫妻は二人だけで、楽しそうに語らい、短い休暇を過ごしていました。 何せ博士はまたすぐ宇宙に戻らなければならなかったのです。
だがその後、気象台に記録されていない地震が起きて二人を驚かせます。
またその夜博士は悪夢にうなされていたのですが、何か奇怪な怪物が出現しました。
確かに宮部邸で、何か異変が起きているようでした。
翌朝博士が目覚めるとグレイスはもう慈善パーティーへ、出かけていました。
博士は朝食を摂るためキッチンに行きました。 すると突然テーブルが動き、その下に地下への階段が続いていたのです。
博士が階段を降りていくと、突然入り口のハッチが閉じられ博士もテープのような物に拘束されて、気を失ってしまいました。
やがて博士が気がつくと金属台の上に縛られていました。 そしてその側にはあの昨夜現れた奇怪な怪物が立っていたのです。
彼はバド星人と名乗りプロジェクトブルーの重要書類を渡すように脅迫してきたのです。
さすがに博士は口を割りませんでしたが、バド星人は手をかえて彼の愛妻のグレイスを狙い始めたのです。 バド星人は彼女をいろいろな方法で脅かし、博士の口を割ろうとします。 それでもなかなか博士は話しませんでしたが、博士の抵抗が終わるのも、時間の問題のようでした。
でもその頃警備隊の本部でも、宮部邸で何か異変が起きていることを察知、キリヤマはダンとアンヌを向わせました。
果たして宮部邸では、一人のバド星人が姿を現し、グレイスを襲おうとしていました。
間一髪のところで、ダンとアンヌが駆けつけてこのバド星人を倒しました。
ダンはウルトラセブンに変身して、姿見にみせかけたバド星人の秘密基地への入り口を発見して中へ入っていきます。
ウルトラセブンが現れたことを察知したバド星人は博士を人質にして円盤で逃走を図ります。 またその際に地球を爆破する爆弾を残していきました。
しかしウルトラセブンが巨大化して円盤の逃走を阻止しました。 円盤と共に、地上へ降りたウルトラセブンにバド星人も巨大化してウルトラセブンに闘いを挑んできました。
肉弾戦でぶつかる両者。
凶悪で卑劣なバド星人は、凶器攻撃等でセブンを苦しめますが、最後は大技を喰らって吐血、遂に倒されたのでした。
その後セブンは博士を助け、爆弾のことを聞くとこれを宇宙で爆発させるのでした。
こうしてまたまた事件はウルトラセブンの大活躍で解決しました。
いやしかし、バド星人が狙っていた書類は実はグレイスのワンピースの上に秘密インクで書かれていたのでした。 これはまた宮部博士の機転、そして知恵でしょう。
プロジェクトブルーも地球人独自で開発したものであり、宮部邸にダン(ウルトラセブン)を向わせたのもキリヤマの機転であり、ベテランらしい感であったかもしれません。 今回はウルトラセブンと地球人の連携プレーがうまくいったお話で、あったかもしれません。
ラスト、やや大口を叩いたダンがアンヌとキリヤマに軽く窘められるシーンもあり、このエピソードの象徴かもしれないですね。
またトクタサツオはリアルで観たこともあるのですが、前半はとても怖かったという記憶があります。
今回の敵、バド星人・・・。 「宇宙の帝王」と名乗り、地球の太古時代に、冥王星の知的生物を全滅させたという極悪非道な前科があるようです。
ただウルトラセブンに反則技も含め、プロレス技で挑戦。 格闘技も得意なウルトラセブンの敵ではなく、あっさりと倒されてしまいました。 頭があまりいいとは言えないようですね。
ソガとアマギは月基地へ行っているという設定で、出番はありませんでした。
脚本 南川龍 監督 野長瀬三魔地 特殊技術 的場徹 撮影 逢沢譲 美術 成田亨・岩崎致躬 特殊撮影 佐川和夫
ゲスト 野村明司(宮部博士)グレイス(リンダ・マルソン)
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