ウルトラセブン第三十話「栄光は誰のために」です。
厳しい内容の物語でしたね。
宇宙人の戦車と思われる未確認飛行物体が地球に飛来、潜入しました。 地球防衛軍もその戦車に気がつきませんでした。
その頃地球防衛軍基地では、明朝、星ヶ原一帯で、実戦もどきの野戦訓練が行われることが計画されていました。 キリヤマはモロボシ・ダンを伴い外へ出かけました。
またその訓練にそなえるため、フルハシとアマギは射撃訓練に向います。 その射撃訓練場でフルハシ達は青木という物凄い腕を持つ隊員と会うのでした。
作戦室でマナベ参謀から改めて青木を紹介されますが、フルハシは何となく気に入りませんでした。
その時、防衛軍基地に国籍不明着がレーダーにかかったという警報が入りました。 フルハシと青木が、ウルトラガードに乗り込み発進しました。
しかし国籍不明機というのは先ほど外へ出たキリヤマとダンが乗る演習用のウルトラガードだったのです。
それでも青木は本気で撃ち落そうと攻撃するのでした。
同乗していたフルハシが驚き、青木を怒鳴りつけるのですが、彼は納得いかないようでした。 それどころか基地に戻った後、マナベ参謀にくってかかる始末です。
そしてダンを紹介され二人は握手するのですが、青木の目には敵意が感じられていました。 彼はダンを最大のライバルと思っていたのです。
それから星ヶ原で異常な振動がキャッチされ、ダンと青木がポインターで調査に向いました。 青木は途中でダンを置き去りにして単独行動に出ます。
そしてあの宇宙戦車を目撃、ポインターのミサイル攻撃を行います。 宇宙戦車は再び姿を消し、その後にダンが追いついてきて攻撃をやめさせるのですが、青木は戦車のことはダンに報告しませんでした。
野戦訓練は予定通り行われることになりました。 青木はマグマライザーに敵をひきつけるためわざと発信機をつけるのでした。
そのため訓練当日、マグマライザーは宇宙戦車に襲われて、乗っ取られ二人の防衛隊員が犠牲になります。 そして乗っ取られたマグマライザーが、数台の戦車を率いて実弾を防衛隊員に発射。 防衛隊員はかなりの被害者を出しました。
ダンと青木がマグマライザーの奪回へ向いました。
ところがダンは戦車の砲撃を受けて気を失ってしまいました。
青木はダンをそのまま放置してあくまで自分の手柄にこだわり、手榴弾で戦車を何台か破壊します。 しかしその後すぐにマグマライザーの攻撃を受け気絶してしまうのでした。
ダンは気が付くと残った戦車を破壊してマグマライザーに乗り込みました。
そこには今回の事件の犯人のプラチク星人がいました。
ダンがセブンに変身、巨大化したプラチク星人との対決となりました。 プラチク星人はセブンをだまし、怪光線でセブンを凝固させようとしましたが、セブンはこれをしのぎました。
セブンはエネルギー切れ寸前まで激闘し何とか宇宙戦車を破壊、プラチク星人もウルトラビームで炎上させました。 プラチク星人は燃え上がり白骨化しました。
セブンはダンに戻り青木の側に駆けつけます。
青木はもう虫の息でしたが、自分のために栄光が欲しかった・・・そして宇宙戦車のことも報告しなかったとダンに告白わびるのでした。 それを聞いたダンは大勢の犠牲者が出たと怒ります。 しかしまた生きてその償いをしろと励ますのでした。
その時白骨化していたプラチク星人が起き上がります。
青木がすかさずレイガンで止めをさしました。
しかしこれが青木の最期でした。
青木は 「ダンさん・・・これがあなたへの償いです・・・」と言って息絶えるのでした。
ダンもまた 「バカだな、貴様。青木、ウルトラ警備隊の栄光は必ず守るぞ・・・」 と言ってヘルメットを外して、青木の胸に置き。栄光を目指した男の冥福を祈るのでした。
このようにこの青木というすさまじい人間の行動がベースの物語です。
今回の物語もけっこう後味がよくないものの一つですね・・・。
ウルトラセブンもプラチク星人も影がうすくなった感じです。
それから一応新人のダンが先輩のようにふるまっているのも注目ですね。
もちろんウルトラセブンはM78星雲ではエリートでしょうから、後輩も部下のような存在も多かったでしょうけれど。
(ゲスト)青木隊員(山口豪久 タイトルでは山口暁)
脚本 藤川桂介 監督 鈴木俊継 特殊技術 的場徹 撮影 永井仙吉 美術 成田亨・岩崎致躬 特殊撮影 鈴木清
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