ウルトラセブン第三十一話「悪魔の住む花」です。
ある花畑で三人の女子学生が戯れていました。 その中の一人の香織は珍しい花を見つけ思わず花びらに口付けをしました。 その瞬間、彼女は意識を失って倒れてしまいました。
彼女はすぐに病院に運ばれましたが、彼女の血液の血小板が異常に減少していて、その原因は医師達にもわからなかったのです。
ウルトラ警備隊のアマギ隊員が献血のために、彼女が入院している病院に呼ばれました。 香織の血液は特殊であり、アマギも同じタイプの血液の持ち主だったのです。
モロボシ・ダンも同行して、ベッドで眠る香織が手にしている銀色の花弁に気がつきました。 ダンはそれをどこかで見たような気がしたのですが、どうしても思い出せませんでした。
その夜、意識を失っていた香織が突然目覚め、病院内をさまよいます。 香織がベッドにいないことに気がついた看護士がアマギとソガを呼び、彼女を探します。
香織は病院の地下室で、看護士の首を絞め、保存用の血液を飲んでいたのでした。 駆けつけたアマギをも昏倒させてしまいます。
そしてその後またこん睡状態に戻るのでした。
原因解明のため、香織は地球防衛軍のメディカルセンターへと移されました。
ダンの依頼で例の花びらが調査されました。
そして香織の病気は宇宙細菌ダリーによるもので、あの花びらはダリーの卵の殻であることがわかりました。
ダリーは香織の肺に寄生して、血液中のフィプリノーゲンを食料として、彼女を吸血鬼化させていたのでした。
その後また香織は、今度は基地内を徘徊しはじめます。 彼女を止めようとしたキリヤマとアンヌも口から吐き出す霧で二人を気絶させ、アマギを遊園地に誘い出すのでした。 遊園地内で、アマギはまた血を吸われてしまいますが、ダンやソガ、フルハシが駆けつけショックガンで彼女を気絶させ基地へ連れ戻しました。
ダリーを倒そうにも現代の医学ではどうにもなりませんでした。 そして彼女はますます衰弱していき、その生命さえも危ぶまれることろまできていました。
ダンは一つだけ方法がある、と考えていました。 それはウルトラセブンに変身、ミクロ化して香織の体内へ潜り込み、ダリーを倒すことでした。
そしてついにダンはウルトラセブンに変身して、すぐミクロ化して香織の肺へと向うのでした。
セブンは人体の異物を排除しようとする作用に苦しみながらも遂に肺の内壁に巣食うダリーを発見しました。 そしてウルトラビームを放ちます。
ダリーは一回は倒れましたが、すぐさま毒液で応戦してきました。 セブンも苦戦です。
ダリーは勝ち誇るように再び、肺に食いつこうとします。
しかしこの時医師が香織に薬品を注射しました。 これのおかげでセブンが体勢を立て直します。
セブンは再びエメリュウム光線を発射。 ダリーがたまらず、肺の内壁から落ちると今度はセブンが手から泡状の武器を発射して攻撃します。
この二度目の攻撃によりさすがの恐るべし宇宙細菌ダリーも遂に倒されたのでした。 そしてウルトラセブンも、体外に脱出します。
こうして事件は解決し、香織も回復したのでした。 ダンとアマギがすっかり元気になった彼女を訪ねてきました。
アマギが笑いかけます。
香織は 「あの・・・お会いしましたっけ?どこかで」と訊ねました。 アマギは 「さあ・・・」 と軽くとぼけます。 香織はアマギにわびるとまたどこかへ走っていきました。
こうして彼女に平和な日が戻ったのでした。
宇宙細菌ダリー・・・恐ろしい奴でした。 宇宙人ではないようですが、このような奴も怖いですよね。
それこそセブンでなくては、倒せない相手でしたね。 地球防衛軍のどのような超兵器でも。
「ウルトラセブン」のみでなく、他のウルトラシリーズでもこのような話はほとんどないのでは、ないでしょうかね。
そして体内での前半では、ダリーよりも人体の作用で苦しむセブンがよく描かれています。
ゲスト 香織(松坂慶子) 有名な話しです。
(脚本) 上原正三 (監督) 鈴木俊継 (特殊技術)的場徹 (美術) 成田亨・岩崎致躬 (特殊撮影)鈴木清
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