ルトラセブン第三十三話「侵略する死者たち」です。
海底を二隻のハイドランジャーに守られながら、大型潜水艦S号が潜行していました。 S号には地球防衛軍のマナベ参謀とキリヤマ隊長が乗っています。
このS号は、世界の地球防衛軍基地の所在を収めた機密書類を運んでいたのです。
そしてセイロン島の北方で謎の爆発事件が起きたという情報が入り、伊豆半島沖に浮上、そこからヘリコプターで極東基地へ運ばれることになりました。
その頃極東基地周辺では、奇怪な事件が頻発していました。
ウルトラ警備隊や地球防衛軍の車が走行中に突然飛び出して来た黒ずくめの男達を跳ねてしまったのです。
それらの男達は基地のメディカルセンターに運び込まれたのですが、9人いたのです。 その中の一人が、突然フルハシに襲い掛かりアマギが気絶させるだけの、ショックガンを撃ちましたが、男は死んでいました。
他の男もみんな死んでおり、同じような黒ずくめの服を着ていてフォルマリンのにおいがしていたのです。 また身元を確認するものが、何もなかったのです。
ウルトラ警備隊は付近の病院を調べていきました。
やがてマナベ参謀とキリヤマ隊長は基地へ到着して、厳重な警戒のもと2万ボルトの電流で守られた機密室に保管されました。
その深夜基地内をうろつく不審な男が目撃され、警備の隊員達が銃撃をしました。 またフルハシ達は、第三病院で教材用の死体が十体盗まれたことを知りました。
ただしメディカルセンター内の死体には特に改造の後などは認められませんでした。
いったい誰が何のためにこのような事を行ったのかは全くわからなかったのです。
キリヤマ隊長はダンに死体を見張らせ厳戒態勢をしきました。
その夜メディカルセンター内の死体から次々にシャドウマン達が抜け出しました。 彼らは精神だけの姿で基地内の厳重な警戒体制をなんなく突破して、機密書類を盗み出すことに成功してしまいます。
ダンはメディカルセンター内の死体に秘密があると見抜きそこへ戻りました。 そしてやはり怪しい気配を感じ、ウルトラセブンに変身しました。
ところが多くのシャドウマンが現れ白い霧に囲まれてミクロ化してしまいコップの中に閉じ込められてしまったのです。
セブンはやむなくウルトラビームを発射して、火事を起こし警備隊員達を呼び込み、その消火活動のどさくさにダンに戻りました。
ダンはシャドウマン、すなわち死者達の精神だけを一種の念力で動かす侵略者達がいるとキリヤマに言います。
ウルトラ警備隊は電送された周波数から受信地を東京K地区と断定、調査に向かいます。
そこには廃墟のような建物がありアンテナが立っていました。 防衛軍の機密情報はここからさらに侵略者の宇宙スターションへ向けて転送されてしまったのです。
キリヤマはダンにウルトラホーク2号で宇宙ステーション攻撃を命じました。 ダンはすぐにウルトラホーク2号で、出撃宇宙ステーションを発見しますが、ステーションの攻撃にホーク2号は爆破されてしまいました。
ダンはセブンに変身するのですが、小型円盤に捕捉されステーションのカプセルに閉じ込められてしまいました。
そこへ続けて出撃したウルトラホーク1号が飛来してセブンを助けました。
宇宙空間で侵略者の宇宙ステーション、小型円盤とセブン、ホーク1号のすさまじい戦いが始まりました。 光線、ミサイル、ロケット弾が飛び交います。
さすがの宇宙ステーションもセブンとホーク1号の共同作戦の前に大爆発を起こし事件は解決するのでした。
いやこれはなかなか解説するのも大変なEPでした。
今回はその侵略者の正体も全くわかっていません。
いったいどのような奴らだったのでしょうか・・・。 セブンの超能力対人間の精神というか霊の力。 セブンも大苦戦でした。
ただそれも高度な科学により、行われたということでいわゆる恐怖感は全然ありませんでしたけどね。 またクライマックスの宇宙空間での戦いはかなりSF色濃いものでしたね。
ラスト、キリヤマ以下ウルトラ警備隊の面々がダンのことを全然心配していません・・・。
これはいったいなぜでしょう・・・。
もうこの辺りになると、みんなセブンが誰であるかを悟っていたのかもしれませんね。
脚本 上原正三 監督 円谷一 特殊技術 高野宏一 撮影 永井仙吉 美術 岩崎致躬 特殊撮影 鈴木清
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