ウルトラQ第二十二話「変身」。
ちょっと怖いようなまたロマン的な気にもさせる、欧米風のアダルト向け作品に仕上がっております。
蓼科山で動物の白骨死体と巨大な足跡が発見されました。 「雪男現る!?」と大騒ぎになり、毎日新報も取材陣を送ります。
しかし選にもれてしまった江戸川由利子。 その由利子のところに友人のあや子が訪ねてきました。
あや子は恐るべき話をします。 「雪男」に心当たりがあるというのです。
生物学者の浩二と彼の婚約者のあや子は蓼科高原に、蝶を採集に来ていました。
ところがそこで浩二は、モルフォ蝶というアマゾンにしかすまないはずの珍種を見つけ森の中まで追っていき、行方不明になってしまいます。 そして山奥で道に迷った浩二はこのモルフォ蝶の大群の花粉を浴びた浩二は巨人に変身してしまうのでした。 浩二は体が巨大化しただけでなく、心も野獣のようになってしまっていました。
あや子のこともわからないようでした。 またあや子も浩二を置いて逃げてしまういました。
沼で巨人となった浩二とあや子の遭遇の場面は何かとても怖かったです。
あや子と由利子は一の谷博士を訪ね対策を相談します。
しかし巨人が人里に下りてきて暴れ始めました。 由利子達は現場に向かいます。
現場では巨人攻撃の態勢が」とられていました。
あや子は望楼に登り 「これ以上に私を苦しめないで!」と巨人に叫びます。 目に涙をためる巨人。
そこへ一の谷博士の開発した熱原子X線が発射されました。 光線は巨人に命中して、彼は逃げていきます。 この時背が低くなったようにも見えました。
万城目淳、戸川一平、由利子、あや子達が追っていくとそこには元に姿に戻った浩二が倒れていました。 やがて浩二は気がつきますが、心も記憶も元に戻っていたのでした。
浩二とあや子は抱き合ってその愛を確かめるのでした。
これでこの作品は終わりです。
ラストで抱き合う二人を眺める一平の帽子のひさしを淳が 「おいっ一平!」と言って引っ張るのが印象的でした。
前にも書きましたが、普通の人間が巨大化して「怪物」になってしまうという恐怖感を与えます。 またラストに二人が抱き合うというロマン的なシーンもあるのですね。
これは後年の東宝の「フランケンシュタイン」にも通じるのかもしれませんが、元は生身の人間だったということでちょっと違うかもしれないですね。
巨人に変身する浩二を演じたのは野村浩三さんです。 東宝特撮では「大怪獣バラン」で主演。 その他「地球最大の決戦」では隕石調査隊のメンバーで御出演です。
あや子役は中真千子さん。 東宝「オール怪獣大進撃」で主人公の少年の母親役。 ウルトラセブン「緑の恐怖」にも御出演でしたかね?
その他にも加藤春哉 さん、宇野晃司 さん、生方壮二 さんと東宝からけっこう出ていましたね。
監督は梶田興治さんで、特技監督に川上景司さん。 脚本は女性ですね、北沢杏子さん。 原案は金城哲夫さんとなっております。
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