ウルトラマン第九話「電光石火作戦」です。
台風13号が、上陸して、各地で被害が出ていました。
暴れているのが怪獣ではなくて、台風なので科学特捜隊も出動せず手持ち無沙汰でした。
ムラマツ隊長に台風の被害状況の調査を依頼されたイデが電話で「アラシだよ!アラシ!」と叫ぶと居眠りをしていたアラシが 「何!」と飛び起きるというドタバタをやっていました。
そこへホシノ少年が現れ、資料を持って来てくれました。 台風はだんだん遠ざかりつつあるということで、科学特捜隊も全員ホッとします。
ところが、この台風は山岳少年団のキャンプ地をも襲い、少年達は無事でしたが、食料が流されてしまいました。 そのうえ橋が流されたり、道路が寸断されたりして、キャンプ地が孤立してしまったのです。
そして少年団の団長武と団長補佐の敏男が食料の調達に宇波里町へと向かいました。
その頃宇波里町では、復旧作業が続けられていましたが、はかどりません。 地中で何か振動が感じられるためでした。
そこに地中から、大怪獣が出現しました。
顔は大きな花のつぼみのような皮で包まれていましたが、ウラン怪獣ガボラだったのです。
ガボラはウランを好んで食べる怪獣で、隣町の安部町のウラン貯蔵庫を狙っていました。 もしこれが襲われたら、放射能がもれて大変なことになります。 またガボラ自身もウラン光線を吐き散らす、危険な怪獣だったのです。
まず町に入らないように、科学特捜隊と防衛隊は共同作戦を取ります。 火炎放射隊を並べ、何とかガボラの向きを変えさせました。
だが今度はあの川口湖の少年団のキャンプ地に向かってしまいました。
そこで今度はウランをヘリコプターで吊るして、ガボラを誘導する作戦を取りました。 ヘリコプターの操縦は発案者のハヤタが受け持ちました。
ハヤタのヘリは飛び立ちますが、何とフジ隊員とホシノ少年が同乗してしまったのです。
呆れるハヤタですが、二人の同乗を許可しました。
この誘導作戦はうまくいきそうでした。 だが先ほどの武と敏男が巻き込まれてしまいます。
彼らは途中でがけ崩れで道路が寸断されていたり、武が崖から落ちて足を怪我したりで、難渋したいたのでした。
ハヤタはあわててフジとホシノ少年を降ろして、この少年を救出に向かわせました。
そして再び飛び立ちます。
この頃ガボラは空腹のためか、怒りをつのらせ、つぼみのような皮を開き、凶悪な顔を出します。 放射能光線も吐きます。
そしてようやくハヤタはカプセルを切り離そうとしますが、何と故障でこれが切り離せません。 ついに怒るガボラにヘリコプターが撃墜されてしまいました。
ハヤタは運よく放り出されて、気を失いますが、何とかウルトラマンに変身しました。
眼前に現れたウルトラマンにガボラは放射能光線を吐きます。 これをかわしたウルトラマンは組み付きます。
またウルトラマンを跳ね飛ばすガボラ。
ウルトラマンのチョップ、馬乗り攻撃、ガボラの尾による反撃、と放射能光線。
激闘は続きましたが、ウルトラマンはガボラの例の顔を隠していた皮状の物を二枚むしりとりました。 こらがガボラの弱点だったようで、急激に弱っていくガボラ。
そこへウルトラマンは止めのパンチを見舞いました。 さすがのガボラもついに倒されたのでした。
ヘリコプターの墜落にも平気なハヤタに武と敏男だけでなく、他の科学特捜隊の隊員も驚くばかりでした。
キャンプ地にもハヤタ達により、食料等が届けられ、事件は解決しました。
山岳少年団の団員達は、ハヤタ達の乗る車を、走りながら手を振って見送るのでした。
登場怪獣ガボラの怪獣度はかなり高いです。 ただそのスーツはバラゴン、パゴス、ネロンガの流用品です。 でもスーツアクターは中島春雄さんが務められました。
面白いことにこのガボラという怪獣は、作品中では登場人物がみんな名前や習性を知っていたことです。
つまり一般的な動物と同じ扱いなのですね。
ゲストの武少年に山村哲夫さんです。 ウルトラQ、「地底超特急西へ」でイタチ少年を、演じられました。
ハヤタ隊員はヘリコプターが墜落した時、ウルトラマンに変身しませんでした。 いやできなかったようです。
運よく放り出されたからよかったものの、もしもっと大変な状況になっていたら、どうなっていたのでしょうね。 いややはりウルトラマンが助けてくれるのかな?
ところで「電光石火作戦」というのは何であったのでしょう・・・。 ヘリコプターでウランのカプセルを運ぶのがそうだったのですかね? そのようには見えなかったですけどね。
でもリアルではなかなか見応えのある作品だったと思います。
脚本 山田正弘 特殊技術 的場徹 監督 野長瀬 三摩地 撮影(本編)内海正治 (特撮)佐川和夫
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