ウルトラマン第十話「謎の恐竜基地」です。
このお話はあのジラース登場で有名です。
北山湖の湖畔にある不気味な館がありました。 そこには学者と思われる白衣を着た髭を伸ばして、白髪の年配の男がいました。
その男は不気味な剥製が置かれたり、また鳥や爬虫類を飼っている部屋でそれらに餌を与えていました。 そして 「さあ今度はジラースの奴だ」と言うと魚が一杯入ったバケツを持って夜の湖に漕ぎ出していったのです。
博士が湖の上で 「ジラース!」と叫ぶと、湖面に波が盛り上がり、不気味な咆哮が聞こえたのでした。 何か大きな生き物が潜んでいるようです。 「ジラース。おまえの食べ残した魚が増えて、釣り人が多くやってくるようになったが、昼間は絶対に湖面に顔を出してはいけない」と博士は諭すように言い残したのです。
博士が言ったように、魚が異常発生したのは事実でそのことを科学特捜隊が調査することになり、ハヤタ、イデ、アラシの三人が北山湖に向かいました。
北山湖ではビートルから切り離された特殊潜航艇S21号に、アラシが乗り込んで音波探知機、水中カメラで調査を行いました。
そこには大きな尻尾が動いていたのですが、アラシは見落としてしまいます。
ムラマツ隊長も異常なしと判断して、この調査に向かった三隊員に特別休暇を与えました。
ハヤタ、イデ、アラシの三隊員は湖畔のホテルでくつろぎます。
またその頃「少年グラフ」という雑誌の久保記者と林カメラマンが、例のジラースという生き物を飼っていると思われる博士の館に向かっていました。 博士は中村博士と言って、「モンスター博士」という異名を持っていました。 「少年グラフ」は「ネス湖の恐竜」の特集を組むことになって、中村博士にインタビューをお願いしにきたのです。
ただしこの博士は極度の人間嫌いで、カメラは拒絶されます。 何とか研究室のいは通してくれ、十五年前にネス湖の調査で行方不明になった二階堂教授の話についても聞きましたが、ライターの隠しカメラを見破られ、二人は追い返されてしまいます。
この久保記者とイデがホテルで合流して、夜釣りへと出かけました。 そしてそこで、中村博士とあの大きな生き物らしいものを目撃したのです。 二人は博士の後をつけました。
だが逆に博士の研究所で見つかり、拳銃を付き付けられて、捕まってしまいます。 科学特捜隊のトランシーバーも壊されてしまいました。 博士も開き直ったのか、二人にジラースの姿を見せたのです。
ジラースというのは大きなゴジラのような恐竜で、首の廻りに巨大なエリマキのようなヒレ?をつけていました。
翌日釣り人の二人が、より多く魚を得ようとして北山湖に毒を撒きました。
魚は浮き始めましたが、そのためジラースも浮上させてしまったのです。
その頃イデと久保記者行方不明の報に、ムラマツ隊長とフジ隊員もビートルで飛んできて、ハヤタ、アラシと合流。 ついにここでジラースと対決することになりました。
アラシがスパイダーショットで、ジラースを激しく攻撃します。 そこへ中村博士が飛び込んできて、科学特捜隊のジラース攻撃の邪魔をしました。
ムラマツ隊長は 「博士、あなたは二階堂教授のように科学者の情熱を持てないのですか」と非難しました。
中村博士は不気味に笑うと自ら顔の皮を剥がしました。 フジ隊員が悲鳴をあげます。
何とモンスター博士、中村博士は二階堂教授の変装した姿だったのです。
二階堂教授はもうとても正気とは思えない言動、行動を取り始めました。 ジラースに 「暴れろ!」と命じたのです。
そしてまたジラースも毒や科学特捜隊の攻撃に興奮状態となり、飼い主である二階堂教授を倒してしまいます。
ついにウルトラマンが現れてジラースと対決します。
このウルトラマンという敵を前にして、ジラースは岩を拾います。 身構えるウルトラマン。
だがジラースはそれを、ウルトラマンにぶつけるのではなく、空中に放り投げて怪光線を口から吐いて岩を爆破します。 いわゆる西部劇のガンマンのようなデモンストレーションだったのです。
ウルトラマンも同じように岩を拾い、スペシウム光線でこれを破壊しました。 ジラースは激怒して、ついにウルトラマンに襲い掛かってきました。
ウルトラマンはジラースをなだめるような、あるいはややからかうような動作も見せます。
そのうちウルトラマンはジラースのエリマキをむしりとってしまいました。 驚き慌てるジラース。 ウルトラマンは闘牛のトレアドルのように、エリマキをかざしてジラースの攻撃をかわします。
このエリマキがジラースの弱点だったのか、ジラースは、だんだん弱ってきました。
そして最後の力を振り絞ったかのような、突撃をウルトラマンに慣行します。
ウルトラマンとジラースが侍、あるいは忍者の対決のように交錯しました。
そして向き直り数秒後、ジラースの口から血が流れ出すと、彼はどっと倒れ絶命したのです。 ジラースはついに倒されたのです。
ウルトラマンもむしりとったエリマキを、倒れている彼の首に返してやりました。
「ジラース、ジラース」と二階堂教授はまだ生きていたのですが、そういってジラースの死体に近づこうとしていました。 でもジラースは再び起きることはなく、その声も空しく響くだけだったのです。
ジラースの怪物度は高いのですが、みなさん御存知のようにほとんどゴジラです。 エリマキを取られた時は、 「おおっウルトラマン対ゴジラ!夢の対決だ」と思いましたね。
ただこのジラース、意外と弱かったですね。 意外とあっけなく勝負がついた感じでした。
それからハヤタ、アラシ、イデの三隊員はジラースを見落としたといえば言えます(ある程度しかたがなかったけれど)。 それなのにホテルで休暇を取っていたのですから、マスコミに知られたら大変ですね。
脚本 金城 哲夫 特殊技術 的場 徹 監督 満田 かずほ 撮影(本編・特撮)高田宏一
満田監督と金城哲夫脚本です。
ゲスト 中村博士は森幹太さん。 二階堂教授に灰地順さんとなっています。
また古谷敏さんが、ホテルのボーイ役でちょこっと御出演です。 有名な作品ですが、ジラースは中島春雄さんが演じたと思いましたが・・・。 湖に毒を撒いた釣り人の一人が、西条康彦さんでした。
またハヤタ隊員が中村博士(二階堂教授に変る前)の業道を非難する場面があるのですが、 「・・・・・・・・」 とまた音声が消されています。
ハヤタ隊員は何と言ったのでしょうね。
|