ウルトラマン第十六話「科特隊宇宙へ」です。
金星探検ロケット「おおとり」の発射準備が進められていました。 この「おおとり」には、設計者の毛利博士自らが搭乗することになっていました。
また科学特捜隊はこの「おおとり」の二段ロケットの点火装置にやや疑問点があるということで、救助体制もとっていました。 ハヤタが小型ビートルで追跡することになっていたのです。 このビートルは自動操縦で飛ぶのです。
でも「おおとり」は無事発射され、二段ロケットの点火にも特に問題は起きませんでした。 ハヤタも基地に帰還です。
「やれやれ一安心」とホッとした空気が科学特捜隊の基地に流れましたが、ホシノ少年が泣きながら入って来ました。 彼は岩本博士の「フェニックス」が毛利博士の「おおとり」に先を越されたのが口惜しかったのです。
岩本博士はまだロケットのテスト回数が不足であるという理由で、計画を延期していたのでした。
ムラマツ隊長はどちらが科学者として勇気ある行動かを話して、ホシノ少年に優しく諭しました。
そして「おおとり」は順調に航行を続けていました。 宇宙線内において背広姿でくつろぐ、毛利博士のようすはモニターによって科学特捜隊の基地に届いていました。
ところがその映像が突然乱れ始めました。 何者かが妨害電波を出していたのです。
そしてイデの指示で回路を自動翻訳機に切り替えるとそこには何とバルタン星人の姿が写っていたのです。
バルタン星人は 「我々はウルトラマンによりほとんど全滅したが、少数は生き残りR惑星で生き延びている。 だが地球をあきらめたわけではなく、再度侵略する」と復讐と挑戦を宣言したのです。
また光波バリヤーも持っていたのです。
一方「おおとり」にも危難が迫っていました。 謎の光る隕石のような物体が、その軌道上を進んできたのです。
「衝突する!」と毛利博士は叫びます。 それは何とか回避されたのですが、今度は「おおとり」の後尾に吸い付いてしまったのです。 そして燃料がどんどん無くなっていきます。
ついに「おおとり」からSOSが発信されました。
科学特捜隊に救出の要請が出されましたが、27万メートルの上空まで飛んでいけるのは岩本博士の「フェニックス」だけです。 ムラマツ隊長は岩本博士のところへ、相談に行きました。
岩本博士は 「もしこれがバルタン星人の仕業なら、丸腰のフェニックスではどうにもならない。 だから多少乱暴であるが、ビートルにフェニックスのロケットエンジンを搭載することはどうか」と言ってこの作戦が取られることになりました。
こうして毛利博士救出計画は実行されることになり、イデも新兵器「マルス133」を二丁開発していました。
しかし宇宙空間の「おおとり」船内にはついにバルタン星人が現れ、毛利博士に乗り移ってしまいました。
彼らの狙いは、科学特捜隊に「おおとり」救出に向かわせ、そのすきに別の一隊が地球を襲うということにあったのです。 それからウルトラマンが一人であるということでした。
宇宙基地からの救出に向かったという通信を受け、毛利博士に乗り移ったバルタン星人は笑います。 そして手のひらに別のバルタン星人を呼び出すと、地球攻撃に向かわせました。
ムラマツ隊長、イデ、アラシの三人が救助に向かいます。
作戦通りにバルタンの光球が地球に現れます。
イデが迎撃に向かいますが、光球から大勢の小型バルタンが現れて。イデの乗るビートルを取り囲んでしまいました。 大苦戦のイデですが、新兵器のマルス133で応戦、何体かを撃ち落としました。
バルタンはまた光球に戻り、光波バリヤーを張り巡らしました。 これでは攻撃できません。
アキコからこの状況がムラマツ隊長達に報告されました。 ムラマツ達は急ぎ、何とか毛利博士をビートルに乗せました。
でもこの毛利博士は、バルタン星人が乗り移ったものです。 彼が大笑いすると、ビートルが操縦不能になり、ある惑星に不時着してしまいました。
ムラマツ隊長達が気がつくと、ビートルは航行不能のような状態でした。
また毛利博士が見当たりません。 外を見ると、博士が手を振っています。
アラシが駆けつけようとすると、博士に乗り移ったバルタン星人は念力でアラシを打ち倒しました。
そして岩陰に隠れると、突然巨大なバルタン星人が現れました。
バルタンはその巨大なハサミ状の両手から重力光線を発射して、ビートルを攻撃しました。
そしてハヤタはウルトラマンに変身、ウルトラマンが現れました。
ウルトラマンは空から、スペシウム光線を発射しました。
ところがバルタンの胸の一部が開いたかと思うと、スペルゲン反射光として、これを跳ね返したのです。 ウルトラマンはたまらず墜落して、バルタンがまた重力光線でウルトラマンを苦しめました。
バルタンが襲い掛かりますが、ウルトラマンは重力光線を振り切り、八つ裂き光輪でバルタン星人を真っ二つにして倒しました。
ムラマツ隊長はこの光景を科学特捜隊の基地に報告しました。
その頃地球を攻撃していた、別の一隊は大暴れで、攻撃、破壊を行っていたのです。 ここでまた光球は一つの、バルタン星人の大きな固体になっていました。
ウルトラマンはテレポテーションを行い、地球に戻ります。 テレポテーションは瞬時に体を移動させることが、できるのですが、この超能力はウルトラマンの体力を著しく消耗させるのでした。
地球にいたバルタン星人に向かってウルトラマンが八つ裂き光輪を投げつけます。 だが光波バリヤーで、これを跳ね返しました。
するとウルトラマンは眼から光線を発射して、このバリヤーを破壊しました。
バルタン星人はウルトラマンに襲い掛かってきますが、再び八つ裂き光輪を投げつけ、これを真っ二つにしました。 その後二つに割れた胴体にスペシウム光線を発射して、爆発させます。
地球は再び、バルタン星人の侵略から救われました。
またR惑星のムラマツ隊長達は、岩本博士とアキコ、ホシノ少年が、フェニックスで救出に向かいました。
ムラマツ隊長と岩本博士はがっちりと握手をしたのでした。
バルタン星人の再登場の作品でした。 もちろん前作品の続編ともいうべき話でした。
バルタンもスペルゲン反射光、光波バリヤーと、対ウルトラマンに新兵器を出し、ウルトラマンも八つ裂き光輪、テレポテーションなど、両者秘術を尽くした戦いでしたね。 闘う時間は短かったのですが、なかなかよく観れました。
バルタンの作戦もなかなか鋭く、弱点をよくついています。 テレポテーションを知らなかったのが、穴でしたがね。
八つ裂き光輪は初登場でした。 アニメ「宇宙エース」のシルバーリングに似てないこともなかったですが、新兵器としてこれからはウルトラマンのスペシウム光線の次の手となっていくわけですね。
金星ロケットの開発競争など、なかなか面白い話もありました。
平田昭彦さん演じる岩本博士がいい味を出されていらっしゃいましたね。
ゲストは毛利博士を演じられた池田忠夫さんです。 こちらは助かったのですかね・・・。
前回のアラシは助かりましたから、大丈夫かな?
監督 飯島 敏宏 脚本 千束 北男 特殊技術 高野 宏一 撮影(本編) 内海 正治 (特撮) 佐川 和夫
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