ウルトラマン第三十一話「来たのは誰だ」です。

科学特捜隊南米ボリビア支部に派遣されていたゴトウ隊員が久々に日本に戻ってきました。
ゴトウ隊員は現在三十歳であったが、十歳の時科学特捜隊員であった父親とボリビアに渡ったのでした。

父親はそこで亡くなり、彼は孤児となってしまったのですが、科学特捜隊員見習いとしてボリビア支部に採用されました。
そのボリビア支部で仕事が認められ正隊員になったのでした。

そのような話をしている時、ムラマツがいつものように愛用のパイプにライターで、火をつけようとしましたが、その時ゴトウが目を細めるとなぜか火がつかなくなりました。
次にアキコが今度はマッチをすろうとしましたが、やはりだめです。
ムラマツはイデに調査を依頼しました。

ハヤタの提案でゴトウには科学特捜隊のレストルームで泊まってもらうことになりました。

アキコがそこへ案内したのですが、彼は突然変なことをアキコに問いました。
科学特捜隊の基地が何でできているかを聞いてきたのです。

アキコは
「鉄筋コンクリートです」と答えました。

するとゴトウは
「いやそんなはずはない。何か特殊な合金でできているはずです」と言ったのです。

そしてレストルームの前まで来ると案内してくれたアキコに礼も言わずにそそくさと部屋に入っていってしまったのです。
アキコが行ってしまうのを確認したゴトウは部屋の中でトランクから妙な円筒形のような物を取り出して腕に押し付けました。
その光景は何か麻薬を注射するような感じでした。

また持ってきた箱のような物に手をかけると、それは点滅を開始したのです。

イデはゴトウをどうも怪しいと思っていました。
ムラマツにもそのことを言います。
ゴトウには光線による検査も行われていなかったのです。

そこへアキコが戻ってきました。
イデが何か妙なことはなかったか、と聞くとアキコは先ほどの科学特捜隊の基地について問われたことを答えました。

それを聞いたムラマツも疑いを持ちます。
基地の内部構造については軽々しく口にすることではないのでした。

ムラマツはイデにボリビア支部に連絡を取るように命じますが、連絡はとれません。
こちらの機器は問題なかったので向こうに支障があるとしか思えませんでした。

そのような科学特捜隊に通信が入りました。

高良市に奇妙な植物が発生したというのです。
それか黄緑色のキノコ状の植物で、全長が一時間後には50センチ、二時間後には2メートルとだんだん成長していっているのでした。

現地に着いたハヤタ、アラシ、イデの三人はその奇妙な植物を見て驚きました。

その後三人は植物学者の二宮博士の研究所へ行き、その正体を聞くのでした。

二宮博士によると、あの植物はキノコのように胞子から発生した物ではないというのでした。
まちがいなく植物ではあるが、ただの植物かどうかはわからないのでした。

その後二宮博士は逆に三人に質問しました。
「食虫植物を知っていますか?」

ハヤタが
「ハエトリ草やモウセンゴケのように虫を捕まえてその養分を吸ってしまう植物のことですね」と答えました。

二宮博士はうなずき
「食虫植物は虫が来るのを待っていて捕まえるわけですが」といいながら一冊のアルバムを持ってきました。

「今からざっと二十年前に南米奥地のアマゾンで、自ら移動しながら動物を捕らえてその血を吸って生きている植物を発見した人がいます」
と博士は続けました。
「信じていただけるとは思いませんが、今度発生した植物が、この吸血植物ケロニアによく似ているのです」

そしてアルバムを開きました。
「これが私の恩師、後藤次郎先生の残した資料の中から生まれたケロニアの想像図です」

そこには奇怪な絵が描かれていました。

ハヤタがさらに問いました。
「ケロニアの発見者は?」
二宮博士は
「私の生涯を通してたった一人の恩師の後藤次郎先生です」と答えました。

「後藤!?」ハヤタ、アラシ、イデの三人はうなってしまったのです。

その頃アキコはゴトウの宿泊している部屋を調べていましたが、洋服ダンスの中から緑の肌を持つ怪人が突然現れ、その両眼から発射された怪光線で意識を失ってしまいました。

アキコが襲われた後に、科学特捜隊員はゴトウの部屋をいろいろと調べるのですが、ハヤタがゴトウのトランクの中から怪しい植物の一片を採集しました。
そしてそれを二宮博士の研究所に届けたのです。

二宮博士がさっそくこれを調べたのですが、やはりそれはケロニアだったのです。
しかもそれはもはや人間をもしのぐ、高等生物に進化していたのです。

そこへケロニアが現れました。
ゴトウはケロニアが化けていたのです。

ケロニアはあの怪光線で二宮博士を倒します。

しかし科学特捜隊員もゴトウを怪しんでその後をつけていたのです。

ケロニアは外へ逃げていきます。

博士のノートには、ケロニアが人間の血が一番うまいことを知り、人間征服の野望を持ったのだと書き記されていました。

ケロニアは巨大化し、両眼からあの怪光線を発射して、工場群を破壊し始めました。

さらにケロニアの開発したエアシップ・コンビナートは世界各地に飛んでいきました。

科学特捜隊と防衛隊がケロニア激しく攻撃します。
しかし全く効果がありません。

ムラマツがビートルでの攻撃に切り替えるとハヤタ、アラシ、イデの三隊員に命令しました。

アラシとイデはこの命令に従おうとしましたが、ハヤタだけは工場の奥へと駆けていきました。

ハヤタはウルトラマンに変身して、ケロニアに立ち向かいます。

また科学特捜隊のビートルはケロニアのエアシップ・コンビナート群と戦闘を開始していました。
ビートルの攻撃で、エアシップは次々と破壊されますが、数が多いためなかなか減りません。
ミサイルがつきるのも時間の問題です。

地上では、ウルトラマンが、必死で戦っていました。
ケロニアは素早いうえにタフでウルトラマンも苦戦です。
そのうえだまし討ちをやろうとしたり、狡猾です。

ついにカラータイマーが赤に変り、スペシウム光線を放ちますがこれも効きませんでした。

ウルトラマンは両腕に力を込めて、必殺のアタック光線を放ちます。
これが命中、ケロニアの動きが止まり爆発しました。

続いてウルトラマンは空中へ飛び上がると、スペシウム光線で、ケロニアのエアシップを次々破壊していきました。

こうしてケロニアの野望は崩れました。

高良市のケロニアの子供も粉々にきだくことによって簡単に燃えてしまいました。
それはケロニアの弱点でもあったのでした。

だからゴトウはある種の念力のようなもので、火がつかないようにしていたのでした。

事件後レストルームで、科学特捜隊員が話していました。

ハヤタが
「なぜ植物があんなに高度な文明を・・・」と言うと庭から二宮博士の返事が返ってきました。

「それは全く謎です。
 こんなに科学が発達した世の中に何と不思議なことが多いのでしょう。
 しかしこのような事件が再び起こらないとは誰も言えない。
 いや再び三度起こりうるでしょう」

二宮博士は続けました。
「我々人類は心しなければならない。
 いくら高度に発達しても、血を吸って身を肥やすのはそれはもはや文明とは言えないのだから」

このお話はこのような場面で終わっています。

ラストにはウルトラQで度々使用されていたBGMが流されました。
そして二宮博士を演じたのが、御存知ウルトラセブンでキリヤマ隊長を演じた中山昭二さんでした。
いや〜やはりいいですね、キリヤマ、いや中山さんは。

「ウルトラQ」の怪奇性と「ウルトラセブン」の侵略物を合わせたような感じの作品でしたね。
もちろんリアルで観ていた時はここまでわかりませんでしたけど・・・。

やや地味かもしれませんが、なかなか中身の濃い作品でしたね。

ケロニアというキャラもなかなかいいです。
一応異性人あるいは地球外生命体ではないのですが、不気味な侵略者であり吸血という恐怖感もいっぱいです。

ただケロニアの怪光線でアキコと二宮博士がなぜ命を奪われなかったという疑問点はありますが。

また彼らのエアシップは全然反撃してきませんでしたが、それもまたなぜであったのでしょうか・・・。

ゴトウ隊員役が、桐野洋雄さん。
東宝特撮の常連。
ウルトラQの「五郎とゴロー」「206便消滅す」にも御出演でした。

いつもはセリフが少ないのですが、今回の怪演はすてきでした。

ハヤタの黒部進さんとは以前から似ていると思っていたのですが、すぐ近くで共演は珍しいかもしれないですね。
意外と背が低くて、黒部さんの方がずっと高かったです。

脚本    海棠太郎
特殊技術  高野宏一
監督    樋口祐三
撮影(本編)福沢康道
  (特撮)佐川和夫
2009 12/16 20:23:23 | none | Comment(0)
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