ウルトラマン第三十五話「怪獣墓場」です。

こちらも大変印象に残っている作品でしたね。

その日も科学特捜隊の宇宙パトロールが行われていました。
と前方からこれまで戦って倒してきた怪獣達が、浮かんで来ました。

「みんなウルトラマンにこの宇宙空間まで放り出されてさまよっているのだな」
イデとアラシはそのように感慨深げに言いました。

地球では見かけなかった怪獣もいました。
それはおそらく他の星からやはり同じようにここまで追放されてきたのでしょう。

「こちらビートル。宇宙のウルトラゾーンに異常なし。されど我ら怪獣墓場を発見せり」
イデがこのように本部に報告しました。

本部に帰った二人はこのことを報告しました。
「考えて見れば可哀想ね。私達と姿、形が違うだけで。また力がありすぎるという理由だけで・・・」
とアキコも同情するようなことを言いました。

ムラマツ以下隊員達はこれまでの怪獣達との苦しい戦いを回想します。
ハヤタはついにいたたまれなくて、部屋を飛び出します。
そして屋上でウルトラマンに変身して、空を見上げこれまで倒してきた怪獣達に謝るのでした。

その翌日イデの提案で科学特捜隊本部で怪獣供養が仏式で行われることになった。

供養の日は怪獣達の黒枠の遺影が並び、僧侶の読経と木魚が流れていた。
科学特捜隊員達も手を合わせて祈るのでした。

ところがそこにまた怪獣現るの報が入りました。

ロケットセンターから打ち上げられた日本初の月ロケットが不運にもあの怪獣墓場の一匹にぶつかり、墜落する際にその怪獣も地球に運んできてしまったのです。
その怪獣はあの地球では見かけなかった怪獣シーボーズでした。
シーボズの骨格だけのような姿はまさに怪獣の亡霊といってもよかったのです。

科学特捜隊は怪獣供養の最中でしたが、直ちに出動しました。

ビートルが出撃して攻撃しますが、怪獣はその奇怪な姿とは裏腹に悲しげに叫ぶと頭を抱えてうずくまってしまいました。

どうもこれまでの怪獣達とは感じが違います。

科学特捜隊は今度は地上戦に移りました。

シボーズは日本一と言われる超高層ビルによじ登り始めました。
頂上まで登ると天をあおいで、空に向ってまたあの悲しげな声で叫びます。

「怪獣は空へ帰りたいんじゃないかしら。だから一番高いビルへ登ったのよ」
アキコが言いました。

その後シーボーズは飛び降ります、というか飛ぼうとしたようでした。
もちろんそのまま地上へ落下です。

「バッカヤロー。飛べもしねえくせに」
イデが毒づきました。

シーボーズは起き上がると寂しげに歩き始めました。

郊外まで来た怪獣を再びビートルが攻撃します。
シーボーズは倒れませんが、悲しげな咆哮を続けるだけです。
やはり宇宙に帰りたいようでした。

ロケットセンターの協力により、月ロケット2号が打ち上げられることになりました。

その日科学特捜隊は、ビートルで怪獣の両手甲に楔が打ち込まれます。
これでロケットまでシーボーズを誘導し、これに結び付けようという作戦でした。

しかしこの意図を理解できないシーボーズが暴れたため、ロケットが倒されてしまいました。

「いかん!」
ハヤタはこう叫ぶとウルトラマンに変身しました。

ウルトラマンも今回はシーボーズを倒すことより、宇宙空間に運ぶことが目的でしたが、シーボーズを運ぶ前の闘いに時間がかかり過ぎてしまいました。
さすがのウルトラマンも諦めて、シーボーズは再び地球上に戻ってきてしまいました。

作戦は失敗でした。

ただ夜が来るとうれしそうでした。
シーボーズのいた宇宙区間はいつも夜だったからです。
そしてまた静かな生活。

「そんなに恋しいの、怪獣墓場が・・・」
アキコはこれまでの怪獣達との戦いを思い出しながら、再び怪獣達を哀れむのでした。

でも作戦は再び行われました。
「シーボーズはウルトラマンが宇宙へ戻してくれることを知っている」
というハヤタの提案で、月ロケットをウルトラマンそっくりに作り変えたのです。

再びウルトラマンが現れ、小突いたり威かしたり、なだめたりしながら何とかかんとか月ロケットにたどり着かせました。

そして月ロケットが発射されると自分も空に飛び上がりました。

ロケットはシーボーズを宇宙空間まで運んでいきました。
作戦は今度は成功でした。

そして戦いは終わりました。
科学特捜隊は宇宙パトロールで今でもロケットを抱いたシーボーズを見かけることがありました。

怪獣墓場。
どこでも忌み嫌われる怪獣達にとって平和に暮らせるのは墓場だけなのでしょうか。

怪獣墓場。
それは広大な宇宙の中の一つの伝説ではないでしょうか・・・。

これまでの怪獣達との戦闘シーンが挿入されて、
「これでよかったのか?」という問いかけが残る作品でした。

もちろん凶暴な奴もいないではありませんでしたが、アキコが作品中で言ったようなこともまた事実でしょう。

けっこう印象に残っていますね。

ただ疑問点も少々・・・。
倒された怪獣達が
「ウルトラマンにここまで放り出された」ということがよくわかりませんでした。

彼らはほとんど地球上で倒されたのですから。

「魂が」とか言うべきだったかもしれないですね。
フィルムではそのような感じになっていましたが・・・。

脚本    佐々木守
特殊技術  高野宏一
監督    実相寺昭雄
撮影(本編)福沢康道
  (特撮)佐川和夫・鈴木清

はいこれはもう実相寺監督作品ですよね。
また夜がうまく使われています。
大人のメルヘン、あるいはSF作品というように仕上がっています。

ゲスト 永井秀昭(ロケットセンター所長)
    田村奈美(ロケットセンター所員)

田村奈美さんが今までとは全然違うキャラでしたね。
全然わかりませんでしたよ。

2010 01/04 20:38:22 | none | Comment(0)
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