ウルトラマン第三十八話「宇宙船救助命令」です。
太陽系開発の第一歩であるQ星探査のプロスペクター計画は順調に進んでいました。 Q星に降り立った自動探査機プロスペクターから宇宙ステーションV2を経由して地球にもQ星の画像が送られていました。
だが突然映像が乱れ、また何か光球のようなものが閃光を放ち、映像を観ていた人々は一時的に目が眩んでしまいました。 また宇宙ステーションV2からの連絡も途絶えてしまったのです。
そこで科学特捜隊がこの事件の調査に出動しました。
科学特捜隊は専用宇宙船「白鳥号」で宇宙空間に向いました。
イデとアラシは新型の武器を出して張り切っていましたが、ムラマツは今回はまず調査とV2の隊員の救出が大事であると二人をたしなめました。
30時間後科学特捜隊はV2に到着しました。
V2では例の閃光のため隊員全員が一時的に目が不自由になっていました。 また光電管第三回路のBMヒューズが切れているためV2はこのままでは残り24時間で爆発してしまうということでした。
地球から取り寄せたのでは間に合いません。 科学特捜隊はQ星にあるプロスペクターにもBMヒューズが使用されていることがわかり、こちらを取りにいく作戦がとられることになったのです。 しかしそれもまた時間的にはぎりぎりのところだったのです。
アキコをステーションに残し、ムラマツ、ハヤタ、アラシ、イデの四人がQ星に向いました。
Q星に科学特捜隊が到着すると、何と光熱怪獣キーラと砂地獄怪獣のサイゴが闘っていました。
時間に余裕のない科学特捜隊は二匹にはかまわずにタンクで進みます。
サイゴとキーラの闘いはサイゴが優勢でしたが、キーラは目から閃光を発してサイゴを追い払いました。
例の光はキーラの目から発せられたものだったのです。
科学特捜隊のタンクの前に先ほどキーラに追い払われたサイゴが現れ行く手を阻みました。
しかしイデの発明した新兵器ニードルS80でサイゴを分解してしまったのです。 物凄い破壊力のある兵器です。
タンクはその他にも凸凹のあるQ星の地形等に苦しみながらも何とかプロスペクターのところにたどり着きました。
アラシとイデが向いました。 イデがBMヒューズを外す作業を行いアラシは援護を担当します。
ところが今度はキーラが現れたのです。
何とかキーラを刺激しないようにというムラマツのはからいもイデの悲鳴でむなしくなってしまいました。 襲ってくるキーラをアラシが攻撃します。
でも逆に例の閃光で反撃を受け目が眩んでしまうのでした。
イデは何とか作業を終えてアラシを収容しました。 アラシはタンクに残り、ハヤタがキーラの注意を惹いている間に、ムラマツとイデが徒歩で「白鳥」に向いました。 その二人を見届けてハヤタはウルトラマンに変身しました。
ウルトラマンはキーラに闘いを挑みますが、キーラは強力でなかなか倒れません。
スペシウム光線も八つ裂き光輪も効かないのです。
逆にキーラの目から発する閃光でウルトラマンが危なくなりました。
ウルトラマンは今度はキーラの閃光を封じるうずまき光線を発射したのです。 これは効果がありました。
たじろぐキーラをウルトラマンは念力で放り投げ爆破させました。 今度もウルトラマンの勝利でした。
こうしてV2の修理も無事終わり、爆発は回避されたのです。 ハヤタ、アラシの両隊員も「白鳥」に救出されました。
アラシの目も大したことはなく、数時間後には回復するとのことでした。
V2の隊員も健康な体に戻り、再び宇宙開発の仕事につくのでした。
このようにQ星という宇宙といってもいい場所を舞台にしたSF色のかなり強い作品でした。
本作品は「ウルトラマン」のラス前なのです.
でも今から思うに次シリーズ「ウルトラセブン」の伏線をかなり感じさせます。 または練習といったところでしょうか?
宇宙ステーションV2という名前もまたいいですね。
御存知のとおりウルトラセブンには宇宙ステーションV2あるいはV3という名前が出てきますからね。
二匹の怪獣は何か余り印象に残っておりません。 サイゴなど全然無名ではないでしょうか・・・。
キーラもなかなかタフで強い奴なのですが、人気や印象度ではイマイチのようですね。 ただしスーツアクターは中島春雄さんです。
このような展開の物語で二匹の怪獣さんちょっと貧乏くじをひいたかもしれないです。
またこの作品はトクタサツオが「ウルトラマン」をカラーで観た初めての作品だったのです。 ガキの頃近所の電気屋さんで無理を言って観せていただいたのでした。
そういった思い出はある作品なのでした。
脚本 上原正三 特殊技術 高野宏一 監督 円谷 一 撮影(本編)福沢康道 (特撮)佐川和夫 ゲスト 武内亨 灰地順
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