ウルトラセブン第二十三話「明日を捜せ」です。
一人の男がダンプカーに追われています。
なぜ彼は追われなければならないのでしょうか・・・。 そして逃げなければいけないのでしょう・・・。
男は何とかダンプカーから逃げ切りましたが、意識が朦朧とした状態で、通りかかったウルトラ警備隊のポインターの前に飛びだしてしまいました。
驚いてポインターから降りてきたキリヤマ達に、彼はこう言いました。 「○三倉庫・・・。○三倉庫爆発・・・」 さらにあのダンプが迫ってきて、ウルトラ警備隊員をも狙うようにして走り去りました。
キリヤマ達は、男をポインターに乗せダンプを追跡するのですが、運転手のいない乗り捨てられたダンプを発見するにとどまりました。
男の名前は安井という占い師でした。
安井は地球防衛軍のメディカルセンターに収容されましたが、そこでも水晶の玉を凝視して、○三倉庫の爆発、さらにキリヤマの負傷も予言しました。 ○三倉庫というのは、外見は普通の倉庫なのですが、実際は地球防衛軍の超兵器開発基地があったのです。
もちろんウルトラ警備隊員達は信用しませんでしたが、キリヤマだけは何かを感じて、倉庫の調査を命じました。 ウルトラ警備隊員達は調査を行いますが、爆発物等は何も発見されませんでした。
さらに安井は、富士見ヶ原に円盤が降りたと予言しますが、空陸の調査でも何も異常は認められなかったのです。
とうとう安井は非難の的となり、彼の予言を支持したキリヤマもマナベ参謀に呼ばれ、叱責を受ける始末です。
安井は 「命を狙われているのだから、ここに置いてくれ。きょう見つからなかったら、明日を捜しゃあいいんですよ」と必死に食い下がりますが、とうとう帰宅させられてしまいました。
キリヤマはまだ納得できないものがあり 「明日を捜してみます」とマナベ参謀に一日だけの休暇願いを出し、単独で○三倉庫の調査に向いました。
果たしてやはり安井は、宇宙人、シャドー星人達に狙われていました。 そしてついに捕まってしまったのです。
その頃ウルトラホーク2号で、一週間の宇宙パトロールを終えたモロボシ・ダンが基地に帰ってきました。 ダンは今回の経緯聞くと○三倉庫に向い、そこで合流します。
そしてやはり 「隊長と一緒に明日を捜してみたくなりました」と言いいます。
そこへ突然火の玉のようなものが、降ってきて○三倉庫は爆発、キリヤマも負傷してしまったのです。 安井の予言は当たったのです。
地球防衛軍基地では手当てを受けるキリヤマの前でフルハシ達が、反省謝罪していますがキリヤマも後悔していました。
ウルトラ警備隊は、ダンの助言でアマギが開発した見えない敵をも発見する新兵器を携えて富士見ヶ原へ向いました。 その新兵器で、ダン達はシャドー星人の秘密基地を発見しました。
基地の中では安井が拘束され、電気ショックのような拷問を受けていました。
安井はそのような中でも、シャドー星人達の悪企みを見通すようなことを言ったため、シャドー星人はさらに拷問に力を加えるのでした。
ダン達はシャドー星人達と闘いながら基地内を進みますが、シャドー星人の基地の一部が円盤となって飛び立ち、その時岩が落ちてきてソガは気絶してしまいました。 ダンはすかさずウルトラセブンに変身、円盤を追いかけます。
セブンは簡単に円盤を墜落させます。 シャドー星人は降伏をするといいながら、怪獣ガブラを操りセブンに向わせました。
しかしガブラはセブンのアイスラッガーで首を切られ、すぐに倒されます。 再びシャドー星人は降伏を宣言、安井を解放するのでした。
すると二度目の降伏というのも嘘で、切り落とされたガブラの首を円盤からの遠隔操作で操り、再びセブンを襲わせました。 さすがのセブンもこの奇襲を避けきれず、ガブラの首に肩を咬まれてしまったのです。
そこで安井がセブンに、ガブラの首が円盤からの遠隔操作で動かされていることを教えます。 セブンは円盤を爆破、このピンチを切りぬけたのでした。
こうして事件は解決しました。
安井はシャドー星人の拷問で、予知能力を失ってしまいました。
でも安井は喜びました。 「これでもう命を狙われなくてすむ」と叫びながら・・・。
今回の物語はやはり予言者、安井の存在でしょう。 そして科学とは相反する予知能力との融合がうまくなされていましたね。
他のウルトラ警備隊員達は信じませんが、キリヤマだけが信じる・・・。
そしてまた予言を全然信じてくれない、自分の命を守ってくれない、この辺りも怖いです。
ラストがまた考えさせますね。 その優れた予知能力はなくなってしまいましたが、命を狙われることはもうなくなった、と喜ぶ安井の姿が、非常に印象的でした。
確かにまた狙われるかもしれませんからね・・・。 命に替わる物はないということでしょうか・・・。
監督 野長瀬三魔地 脚本 南川龍・上原正三 特殊技術 的場徹 撮影 永井仙吉 美術 成田亨・岩崎致躬 特殊撮影 佐川和夫
ゲスト 木田三千雄(安井)
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