「木枯らし紋次郎」という名前の時代劇があった。
ただこのヒーロー?かなり異色なタイプであった。
昨日も申しあげたように、時代劇はやはり、勧善懲悪が主流でその主人公は、かっこいいか、正義の味方か、ドジでも明るいキャラが多い。
ところがこの「木枯らし紋次郎」はその全てを否定する。
そしてその「あっしには係わり合いのないこってござんす」という毎回一回は言うセリフかかなり流行した。
あの常に楊枝をくわえているということも。
たとえば、女性が悪者にいじめられても。見て見ぬふりで、通り過ぎるのである。
確かにこちらもマカロニウエスタン風であるかもしれない。
面白くない人はすぐそっぽを向いたことだろう。
ただトクタサツオはもの強烈な個性にかなり強く惹かれた。
それはこの自分が弱いからである。
だからこういったアウトロー的なキャラは自分にない強さというものを持っていたからかもしれない。
放送されたのは、1972年。
そして上條恒彦さんの主題歌もなかなかよかったですね。
ただこの放送の第二クルーは裏番組で、ちょうどあの「必殺仕掛人」の放送が始まり、視聴率争いでは敗れたとか・・・。
「紋次郎は梅庵さんに勝てなかった」と言うことか。
演じたのは中村敦夫さん。
もちろん御本人は全く異なるタイプでいらっしゃいますね。
このずっと後ですが、国会議員も務められました。
そしてこれには後日談があります。
中村さんが遊説で家の近くに見えた時、よせばいいのに、家の母が
「ウチの息子が木枯らし紋次郎のファンでしたよ」と声をかけたのである。
「ずいぶん古い話ですね」と中村さんは困惑されていたらしい。
そりゃそうだよな。