さあ、では早速4回目いきます。 今回は、企画を作る上で最も手軽で最も厄介でもある 「運」の要素について解説します。
ゲーム性を増して企画にアクセントをつけるため、 難易度を調整するため、実力差を埋めるため、 いろいろな用途で「運」の要素を入れることがあります。 正解したらサイコロを振る、カードを引く、 「黒ひげ」にナイフを刺す、ルーレットを回す、 中に「ハズレ」と書いた問題を混ぜる… などなど、そのやり方も様々です。
このように、手軽で、しかもお手本がたくさんあり、 企画を盛り上げやすいとあって、 運の要素はよく企画に用いられます。 しかし、これ、気をつけて使わないと、 企画全体を一撃で破壊してしまう、 とんでもないダイナマイトになり得るんです。
例えば、10○3×の早押しをやるとしましょう。 その際、今まで説明してきた企画の流れのうち、 3)定められた条件を満たした人がポイントを得る の部分をアレンジして、 正解したらサイコロを振り、出た目の数だけポイントを得る としたとしましょう。
「運」の要素が入りました。 サイコロは1回につき、1〜6の目が出ますので、 大体、運が良くて2回、悪くても5回振れば 合計10を越えると思います。 つまり、2○で抜ける人もいれば、4○で抜けない人もいる というわけですね。 2問程度の差ですので、頑張れば挽回可能ですし、 いいバランスです。
しかし、チョット極端ですが、 100○30×だったとしたらどうでしょう? サイコロを振る回数が3〜4回なら、 運によって偏りが出る可能性がありますが、 その10倍ですと、それほど偏りが出なくなります。 5と6だけを20回も連続で出すサイコロなんて、 まずありませんし、あったらインチキでしょ?w
このように、使いどころを間違うと無意味になったり、 逆にゲームバランスが崩壊したりします。
それから、こういうのはどうでしょう? 早押しに正解したらサイコロを振り、 1・2・3が出たら勝ち抜け、4・5・6なら失格 不正解でもサイコロを振り、 1・2・3が出たら失格、4・5・6なら勝ち抜け
…どうでしょう? 一見問題ないように見えますが…。 ちょっと考えてください。 正解したとき…勝ち抜け50%、失格50% 不正解のとき…勝ち抜け50%、失格50%
正解でも不正解でも半々の確率で勝ち抜けか失格
と、いうことは… クイズやる意味ナッシング!!
これも極端な例でしたかね。 でも、これと同じように、クイズの結果に関わらず、 運だけで(「ほぼ運だけで」も含む)結果が 決まってしまうようなルールは、 例え企画の一部にでも入らないようにしたいものです。 なぜなら、シラけるからw
具体例を出して申し訳ないのですが、 スザンヌさんが「芸能王」のときにやろうとした、 「同点のときはカードを引いて大きいほうが勝ち」 というのは、まさにこれなんです。
例えばサッカーでも勝ち点が同じなら得失点差、 それも同じなら得点差…というように順位が決まるように、 同点なら正解数を比べて、それも同じなら…と ある程度段階を経て、それでも決まらない場合はカード っていうなら納得できるんですがね。
というわけで、 「運」の要素を使う時は、 必ずゲームバランスが取れているかどうか確認し、 場合によってはシミュレーションをしてみることも 必要です。
次回、いよいよ例会でやる企画を 作りこんでいきたいと思います。 …間に合うかな(汗)
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