2010年 09月 02日 の記事 (1件)


9月に入って早々、

国税庁から発表がありました。



国税庁は、7月の最高裁判決で二重課税との判断が示されたのを受けて、

保険業界と還付方向を検討してきました。

判決では、1年目の年金については、所得税分を違法としたが、

2年目以降については判断を示していませんでした。

この点について、国税庁と保険会社で協議が

行われていました。



そして、

昨日、この件についての取り扱いの具体的な発表がありました。



「年金払い方式の生命保険金に

相続税と所得税を課していた二重課税問題で、

財務省と国税庁は10月下旬から、

所得税の還付を始める方針を固めた。」



これにより、

生保二重課税に該当する人は

10月下旬から還付の申告をする必要があります。

還付申告をしないと

もちろん、還付の権利があったとしても

税金は戻ってきませんので、

気を付けてください。



それでは、

どうやって、その該当者かを

知るのか?



それは、大きな保険会社においては、

該当者に該当する契約者に書面等で

通知してきます。

この通知書が届いた方は

忘れずに所得税の還付申告をしてください。


今回決まった方針は、大きく3点です。

・ まず還付申請の時効前の5年分を対象とする。

・ 年金払い方式の個人年金保険や学資保険も含める。

・ 契約者には、国税庁から依頼を受けた各生命保険会社が通知する方向です。

救済措置を表明していた5年超の還付については、

法的な措置が必要なため、引き続き検討するとのことです。



そもそも、

この「生保二重課税」とはどういうことでしょう?

これについて、簡単に説明したいと思います。


相続が発生した際に、相続財産の中に生命保険金がある場合、

相続税の対象となります。

この相続税の対象となる生命保険金に対して、

相続後に受け取る際に所得税も課税されている。

これは、二重課税ではないか?

これが発端です。



そして、一時金で受け取った保険は相続税の課税対象とされましたが、

所得税はかかりませんので、二重課税の問題はありませんでした。

一方、“年金”で受け取った額は、

60%相当額(この割合は、ケースによって異なります)が

相続税の課税対象とされた上で、

さらに、毎年受け取る年金にも所得税がかけられたのです。



つまり、相続税と所得税が二重に課税されたわけです。



この部分が、

今回裁判で二重課税と断定され、

二重課税分の所得税は

納税者に戻すべきであるという

処置を現在行っていこうとしています。



今までは、

この二重課税、当たり前として処理されていただけに

今回の裁判のインパクトは大きく、

また、この案件に該当する人の数、還付金額ともに

大きなものになると想定されています。



もう1度言います。

該当する人は、

自らが還付申告をしないと

税金は戻ってきません。

税務署や会計事務所に聞くなりして、

必ず、

還付の手続きを行ってください。
2010 09/02 12:04:56 | none | Comment(0)
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