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繁華街あるいは商店街の脇道に引きずり込まれる。二人の男が石造りの壁に手をかけると外側にスライドするように開き、中に押し込まれる。同様に閉じ込められた数人の男女がしゃがみ込み、怯えた目で男達を見る。一人は背の低い小太りな男で、濃いサングラスをかけ作業着を着ている。もう一人は彼の部下の様に見える。彼らは我々を一瞥すると何の説明もなしに部屋を立ち去り扉を閉める。ほどなくして突然けたたましい警報が鳴り響き、壁のランプが赤く回る。その下、座っていても手の届く壁に家庭用の電気設備用のものと同様のスイッチを発見し押すと扉が開く。緊急事態であるらしい異様な状況と、男たちに発見される不安で心臓が鼓動を速め、足腰が立たないほど体は緊張するが、壁にもたれかかりながら町を歩く。商店の人々は皆奇声を上げながらホースから水をまき散らす病にかかっている。自分が閉じ込められた小さな部屋は、病原菌を遮断するシェルタであったことに気が付く。
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