すごく座る事に無頓着な人もいますが、あまりに椅子の高さに過敏になりすぎている人もいるようです。あるピアニストの話ですが、コンサート本番に舞台で椅子の高さ調節がうまくいかなかったからと楽屋に戻って電話帳を取って来て椅子に乗せ、それでも気に入らないと、電話帳の中の1ページを切り取り、それでやっと演奏を始めたという皮肉のこもったエピソードがあります。ひじが鍵盤よりも落ちてしまうと、グレングールドのような格好になり、そうなると腕の動く範囲が狭まるので、彼のようにバッハしか弾けなくなりますし、椅子を高くすると私達日本人の体型だと”でん”と座るとペダルが届かなくなるので、これもあまりよくないと思いますが、椅子の高さに過敏になりすぎないほうがいいと思います。
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