昨年8月の取り付け騒ぎに始まった英・ノーザンロック銀危機は、一時国有化という形で決着をみた。
わが国の先例が経験則として生きたようである。
英政府、ノーザン銀を国有化・サブプライム救済決定
【ロンドン=清水泰雅】英政府は17日、経営危機に陥っている英中堅銀行ノーザン・ロックの一時国有化を発表した。ヴァージン・グループなど民間による救済買収なども検討されたが、金融市場の早期安定化には国有化が最適と判断した。米サブプライムローンに端を発する金融市場の混乱では、金融機関が中東系ファンドなどから増資を受け入れて資本を増強する例はあったが、当該国の政府が国有化に踏み切るのは初めて。
英政府はノーザン銀の再建策を民間から募集。2月4日までにヴァージンとノーザン銀の経営陣が名乗りを上げていた。だが、信用収縮が続く金融市場を落ち着かせ、ノーザン銀の早期再建を果たすには国有化が最適と判断したもようだ。
ノーザン銀では昨年9月に英国としては約100年ぶりの預金取り付けが起きた。混乱収拾のため、英政府は同行の預金を全額保護する異例の方針を表明し、英中銀の融資で支えていた。
(日経サイト)