ぶはは≧∇≦ブハハハハハ
 オイルマネーの欧米への還流が始まった。
 石油で潤った中東のお金持ちが、欧米に投資・・・実はこれ、複雑に考えてみるとちょっと面白い。イスラムが平和裏にキリスト教圏を牛耳る結果になるではないか。欧米は自ら創出してしまった原油高のせいで、現代の宗教争議に破れようとしている。



米シティ、アブダビ投資庁から8100億円の出資受け入れ
 【ニューヨーク=山本正実】米大手銀行シティグループは26日、世界最大の政府系ファンド、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁から75億ドル(約8100億円)の出資を受け入れると発表した。


 普通株に転換される出資証券を発行し、アブダビ投資庁はシティの発行済み株式総数の最大4・9%を取得する。低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き急増に伴う巨額損失で打撃を受けた財務基盤を立て直す狙いだ。

 ドイツ銀行の推定によると、アブダビ投資庁は8750億ドル(約94兆5000億円)の資産を持つ世界最大級の政府系ファンド。アブダビ投資庁は今回の出資でシティの筆頭株主になるとみられる。

 シティは10月、7〜9月期決算で約64億ドル(約6912億円)の損失を発表した。11月には保有する債務担保証券の評価損などで80億〜110億ドル(約8640億〜約1兆1880億円)の追加損失が生じる見通しとなり、チャールズ・プリンス会長兼最高経営責任者が引責辞任した。

 UAE・ドバイ首長国の政府系投資会社イスティスマールが今年8月、高級衣料品店バーニーズ・ニューヨークを買収するなど、原油輸出の代金などを運用する中東産油国の政府系ファンドは、欧米企業への買収や資本参加を積極化させている。
(2007年11月27日19時15分 読売新聞)
特集ワイド:イスラム金融って何

 ◇金利の代わりに投資や商品取引/伸び率年15%、市場規模1兆ドル/中東のオイルマネーが原資

 「イスラム金融」という言葉を最近よく耳にする。イスラムの教義に基づいた金融手法のことだ。特に、一般の金融と比べて特異なのは「利子」がないこと。イスラムの教典「コーラン」が利息を取ることを禁じているからだ。では、利子のない金融とはどんなものなのか。なぜ今、日本で関心が高まっているのか−−。【西和久】

 ◆二つの特異点

 「イスラム金融」という響きは、どこかエキゾチック。そのうえに「利子がない」といわれるとかなり特殊なものに思える。しかし、「われわれの金融とほとんど変わりません」と言うのは、「イスラム金融入門」(東洋経済新報社)の著者、吉田悦章・国際協力銀行金融業務部調査役だ。

 吉田さんによると、イスラム金融が一般の金融と違う点は二つ。一つは、利子がないというよりも、金利という概念を用いないこと。もう一つが、豚肉、アルコール、賭博、武器、ポルノなど、イスラム法(シャリア)に反する事業との取引が禁止されていることである。

 銀行は金利を取らずに融資したのでは経営が成り立つはずがない。金利の概念を使わない金融とはどんなものなのか。イスラムの教えでは、実物のモノが動かない、お金だけの取引を認めないが、モノが動く商品の売買で利益を上げたり、事業に出資して配当を受けたりすることは、奨励される。そこで、イスラム金融では、金利ではなく、「投資」や「商品取引」を絡ませて、普通の金融と同じ機能が果たせるように、仕組みが考えられている。

 例えば、銀行が顧客(借り手)の代わりに商品を買い、それに金利相当分を上乗せした価格で、顧客に後払いや分割払いで売る。あるいは、銀行が出資者の資金をまとめて、プロジェクトなどに投資し、その収益から出資者に配当する(これは預金の仕組みにも使われる)。そのほか、未上場のベンチャー企業に投資して育成するベンチャーファンドのように、銀行が共同出資をしたり、また備品などを銀行が買い取り、顧客(借り手)にリースする方式もある。

 イスラム債もある。「スクーク」と呼ばれるもので、多くの場合、発行会社の一部資産の所有権を分離し、債券の買い手は、リース料の支払いで金利に相当するものを受け取ることになる。イスラム債を発行するのは、何もイスラム圏の企業に限らない。イスラム圏以外の企業のほうが興味を示しており、シェルの現地法人やドイツの地方政府がイスラム債を発行した。日本でも、イオンクレジットがマレーシアで発行、国際協力銀行も発行を検討している。

 ◆なぜ拡大したか

 イスラム金融は、特にこの5〜6年の間に大きく成長してきた。正確な統計はないが、吉田さんによれば、年間15%の伸び率で膨張しており、世界のイスラム金融の市場規模は、1兆ドルといわれるようになった。

 この原動力と考えられるのが、オイルマネーだ。原油価格高騰で、中東産油国の石油輸出は年間5000億ドルを超え、うち半分程度が域外に投資されるといわれる。中東オイルマネーの大半は普通の金融によって運用されてきたのだが、イスラム金融がその受け皿となりつつある。一方で、アラブ首長国連邦のドバイをはじめ、中東産油国での経済開発が活発になり、資金需要も急増している。

 2001年の米同時多発テロとの関連を指摘する見方も多い。テロ直後から、米金融当局による資産凍結などを恐れて、中東産油国の投資家が、米国に置いていた資産を引き揚げたといわれているからだ。

 こうしたオイルマネーに欧米やアジアの金融機関が群がっているのが、現在のイスラム金融の姿だ。ロンドンにはイスラム金融機関が設立され、欧米大手の銀行はイスラム金融部門を開設し始めている。また、同じイスラム国で、イスラム金融の歴史をもつマレーシアもオイルマネーの誘導に積極的だ。

 日本もようやく、首相の諮問機関の金融審議会でイスラム金融への対応を検討し始めた。

 ◆タカフル

 オイルマネーを狙うのではなく、相互扶助的な色合いの強いイスラム金融商品が、「タカフル」と呼ばれるイスラム保険だ。この分野では、珍しく日本企業が生損保の実績をもつ。損保最大手のミレアホールディングスだ。

 イスラム保険は、加入者が支払う拠出金(保険料)でファンドをつくり、それを保険(タカフル)会社が予定利率を保証するのではなく、手数料をとって管理・運用するもの。

 ミレアは01年から、サウジアラビア、マレーシアなど4カ国で事業を行っており、運用資産は合計約16億円とまだ小さい。林啓二・海外事業企画部長は「保険はイスラムの教えに背くと信じている人が多い。それだけにまっさらな市場で、欧米の保険会社と比べて、ミレアの取り組みは遅れていない。今後の成長が期待できる」という。

 ところで、イスラム金融の歴史は、決して古くない。世界で最初の近代イスラム金融機関は、75年のドバイ・イスラム銀行とされているから、30年余りの歴史でしかない。それ以前はイスラム教徒にとって不本意でも、金利のある普通の銀行を使うしか選択肢がなかったのだ。

 第二次大戦後、パキスタンでの貧困者向けやエジプトでの農民向けの、無利子預金を集めて無利子融資する金融機関、さらにはマレーシアの巡礼基金などがつくられた。それらがイスラム金融の原型とする考え方もある。だとすれば、現在のイスラム金融はかつての姿からは遠いところに来てしまったのかもしれない。

 イスラム世界を専門とする小杉泰・京大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授は「イスラム世界の中からも、批判が起きている」という。イスラムの教義では、もうけることの奨励と同時に貧者救済を義務づけている。しかし、いまはもうけることに熱中しすぎているのでは、との批判だ。

 いまのイスラム金融は、膨大なオイルマネーを原資に、西欧型の金融と同様、グローバルな利益追求に走り始めている。一方、貧者救済については、銀行は喜捨(ザカート)を義務付けられているし、マイクロファイナンスの試みもあるにはある。しかし、その二つの仕組みの間の落差はあまりに大きい。「今後のイスラム社会には、米国的なグローバリズムとは違う、利益追求と社会的公正とをバランスする第三の道が必要になる」と小杉教授は指摘する。(2007.12.4毎日JP)
2007 11/27 21:42:27 | 投資・お金 | Comment(0)
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