一般人が弁護士のところに行くのは、自分では法律的なことが分からないからですよね。
頼るべきは弁護士しかいない状況で、その弁護士がダメ弁護士だったら・・・

実際にダメ弁護士はいるようですから、ダメ弁護士を選ばないことをするしかないですね。


◆本当に頼りになる弁護士の探し方・見抜き方 2009年8.3号
(2009年7月11日 プレジデント)

<8/3最新号からチョイ読み>優れた弁護士の条件と探し方について、辣腕50人にズバリ
聞いてみた。プレジデント編集部 面澤淳市=文

 第一線の弁護士は法廷や和解への交渉の際、どんな相手を「手ごわい」と感じるのか。優れた弁護士の条件と探し方について、辣腕50人にズバリ聞いてみた。

優劣を決めるのは手間ひまのかけ方
 「一生懸命やる弁護士と怠け者では、天と地ほどの差がありますよ!」
 北村晴男弁護士が憤慨する。テレビ出演でも知られる北村氏は、県立長野高校野球部で真剣に甲子園出場を夢見た熱血漢。それだけに、一部同業者のだらしない仕事ぶりには喝
を入れたい思いがあるようだ。
 今回の法律特集では編集部メンバーが全国へ散り、総勢約50人の辣腕弁護士に話を聞いた。その際、依頼者にとって「頼りになる弁護士」の条件を一言ずつ語っていただいたの
だ。意外だったのは、具体的なスキルや資質よりも先に「根気強さ」や「地道な努力」といった、職業人としての姿勢や倫理観を挙げる人が多かったことだ。
 では、「怠け者」に頼んでしまうと、依頼者はどんな目に遭わされるのか。都内で活躍する中堅のA弁護士が呆れていう。
 「ある弁護士は未払い残業代の請求訴訟で、本来なら付加金が付いて倍額を請求できるのに、そのことを知らずに残業代しか請求しなかった。不勉強のため依頼人に損害をもたらす、典型的なダメ弁護士です」
 都心に事務所を構えるキャリア19年のB弁護士も次のように証言する。「弁護士によっては、土地の登記簿謄本さえ確認しないまま事件処理を進める人がいるんです。中堅以上の弁護士なら年間500人しか合格しない旧司法試験をくぐりぬけているわけですから、能力的には大差がないはずです。むしろ弁護士としての優劣を決めるのは、きちんと必要な手間ひまをかけるかどうかだと思います」
 自らを“職人肌”と呼ぶB弁護士はもちろん手間ひまをかけるタイプ。
 「私の場合、相手方の弁護士がどういう人なのかを見極めるために、ひとつの案件を引き受けたら、挨拶がてら必ず先方の事務所を訪問するようにしています。すると事務所の雰囲気や、その人の所内でのポジションもわかります。もちろん不動産が絡むときは登記簿謄本を確認しますし、いちいち現地に出向きます。一般論でいって、そういう“下ごしらえ”をしている真面目な弁護士は手ごわいですよ」

できる弁護士は「書面」でわかる
 前出の北村弁護士は、資質の差も大きいと指摘する。
 「平たくいえばトンチンカンな理解をする人がいるんです。新人弁護士がつくった書面をたくさん読めばわかりますが、具体的事実を指摘して論理的にそれを説明する能力とい
うのは、人によってかなり差がありますよ」
 したがって、書面の出来・不出来は弁護士の実力を測るモノサシになる。企業法務に強い村田恭介弁護士は、「最初に受け取る内容証明郵便の書面を見れば、相手が手ごわいかどうかすぐわかります」と断言する。
 シャープな論理構成で、きちんとポイントを押さえた書き方がしてあれば「手ごわい相手」。逆にポイントがぼやけていれば、大した相手ではない。
 一方、欠陥住宅訴訟などを手がける谷合周三弁護士は、訴状や答弁書といった裁判所に提出する書状で弁護士の実力が測れるという。
 「とくに民事事件で重要なのは、裁判官をいかに納得させるかということです。難しい事件だと事実関係だけでもたくさんの要素が絡みますが、これを簡潔に手際よく伝えることができれば裁判は有利に運びます。証拠をもとに依頼者の主張を書面で論理的に展開することのできる弁護士は優秀です」
 ところが、そういった努力を放棄しているとしか思えない弁護士もいるという。市民派のC弁護士が憤る。
 「裁判の過程で、依頼者本人が書いた陳述書をほとんどノーチェックで提出する弁護士がいます。的確な証拠をもとに本人の主張を理論的に構築するのが弁護士の務めなのに、
それをまったく果たしていないのです。そういう人は論外ですね」

無理に訴訟を起こさず「和解」を勧める
 ところで、素人にとっては不可解としかいえないことがある。第一線の凄腕弁護士50人は、頼りになる弁護士の条件として、誰ひとり「裁判に勝てること」を挙げていないのだ。
 それどころか、東京市民法律事務所の宇都宮健児弁護士は「高額の費用を目当てに『100%勝てる』などと安請け合いする弁護士には注意してほしい」と呼びかける。なぜだろうか。
 裁判の結果に「絶対」はない。また、訴訟を起こすと弁護士費用を含めた少なからぬ費用が発生するうえ、長い時間拘束されるので依頼者には二重三重の負担がかかる。そのため「無理に訴訟を起こさず和解を勧めること」を、頼りになる弁護士の条件としている人が多いのである。
 労働問題に詳しい小川英郎弁護士は、「争うべき事件と和解すべき事件の筋がわかっていて、合理的な解決を目指している弁護士には会社側であっても敬意を感じます」と指摘する。逆に「困るのは依頼者の意向をあまり考えず、不必要に争って事件をぐちゃぐちゃにするタイプ。まとまる話もまとまらず、結局は会社(相手側依頼者)にとっても不利益になると思います」という。
 労働側弁護士と対峙する立場にあるD弁護士も「視野に『勝ち負け』しか入っていない弁護士は、クライアントをハッピーにできません」と話す。ともに訴訟以外に解決の道筋を見つけるのが「よい弁護士」だというのである。 とはいえ、前出のB弁護士によれば、和解に至るにはなかなか難しい問題もあるという。
 「和解を勧めるときに大切なのは『裁判になるとこんなに苦労をしますよ』ということをきちんと依頼者に伝え、説明することです。ただ、それには依頼者との間に深い信頼関係ができていなければいけません。また、相手方も手間ひまをかける真面目な弁護士で、同じように依頼者と信頼関係ができていなければ歩み寄りによる和解は成立しません。さらに、個人の場合は経済合理性よりも怒りの表明とか名誉の確立を優先する場合がありますから、必ずしも納得してもらえるとは限りません。ですから実際には、和解に至るケースは意外と少ないのです」
 もっとも、いくら信頼関係が大事だといっても、依頼者の言い分を鵜呑みにし、感情的にも一体化してしまうようでは事件処理に支障が出る。パワハラ問題に詳しい加城千波弁護士は次のように指摘する。 「依頼者が怒りや悔しさのあまり感情的になったりすると、若い弁護士はそれに引きずられて冷静な判断ができなくなる場合があります。大切なのは依頼者の先々の人生ですから、その心情をよく理解して、ときにはなだめたりしながら、最適の着地点を探していけるのが頼りになる弁護士です」
 別の切り口を示すのが「消えた年金」問題などに取り組む谷澤忠彦弁護士だ。「依頼者に方針を示せない弁護士はダメですね」という。どういうことか。
 「最初に依頼を受けた段階で、弁護士はその事件の筋読みをして、大まかな方針を立てます。これを依頼者にまず説明しなければいけません。ところが実際には、きちんといわない弁護士がほとんどだと思います」
 一人の弁護士が手間ひまをかけて仕事をすれば、1年間に処理できる事件は「20〜40件が限界」(B弁護士)だ。こうしたキャパシティの問題を、若手との連携でクリアしている弁護士もいる。東京で活躍するE弁護士がいう。
 「中堅の弁護士には知識と経験があります。一方、若手には機動力と時間があるので、この2人がペアで動いている事務所は頼りになると思います」
 では、こうした頼りになる弁護士には、どこへ行ったら出会うことができるのか。
 前出の北村弁護士は「安全なのは各地の弁護士会に紹介してもらうことです。最高のレベルかどうかはわかりませんが、少なくとも問題弁護士を紹介することはありません」と
いう。
 テーマによっては労働弁護団や医療過誤弁護団などの組織を頼るべきだという声もある。まずは、そのあたりから当たってみるといいだろう。
2009 07/12 11:46:49 | none
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