おすすめミステリー小説、おすすめミステリー本の紹介。 by ホーライ

2009年 01月 23日 の記事 (9件)


「六甲山に小さな別荘があるんだ。
下の街とは気温が八度も違うから涼しく過ごせるよ。
きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。
一彦という名前だ」

父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女に出会う。
夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死―

一九五二年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。


この作品は昭和27年の夏休みに父親の友人の別荘に招かれた主人公の14歳の少年が、そこで出会う一彦少年と香という少女と夏休みを過ごす3人の交流を描いた青春小説である。
また、その夏休みの出来事を描く章をはさんで、主人公と一彦の父親の青年時代や香の叔母の日登美の過去を描いた話が挿入される。

本に書いてあるあらすじだけを読むと、青春小説がメインでミステリ色は薄く感じるが、実際は読者の先入観を利用した叙述トリックが仕掛けてあり、最後の数ページで現在(昭和27年)の物語と過去の物語が結びつき、意外な真相が明らかになる。

読了した後で、改めて読み直すと作者がうまく読者を誤導するように書かれていて良く考えられた構成になっている。

普通に読んでいるとおそらく最後にだまされると思うので、これから読む人はよく注意して読んで、本格ミステリの面白さを堪能してもらいたい。


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2009 01/23 19:11:50 | none | Comment(0)
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“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。
戸惑う二人。
やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。

失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。

ふとしたことから借金をつくり闇金融と係わりをもつ詐欺師、タケ。
そのアパートへ転がり込んでくるカギやのテツさん。
ミステリーと思いきやハードボイルドでサスペンスな勢いで物語は走り出します。

カラス>玄人、親指>お父さん。
おもわせぶりなタイトル「カラスの親指」の意図するところは会話のなかで何度か語られますが、読者は納得した気分でそのじつ まんまと何度も騙されます。

仕掛けが大きいので、映画を観ているように場面が二転三転し、深く考える間もなくどんどん物語に取り込まれ.....

いつのまにか作者の術にハマっていた自分を 妙なすがすがしさと透明感のあるラストのなかに見つけます。

読後の良い秀作のミステリーです。


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2009 01/23 19:10:52 | none | Comment(0)
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子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。
一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは―。

何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。


上下2巻で1000ページを超える作品だが、ページをめくる手を止めることが出来ない面白さだった。
長編にありがちな中だるみもほとんどなく、この奇妙でダークな新世界を巡る少年少女たちの冒険に引きずり込まれていった。

物質文明が滅んだ千年後の世界。人類はほんの僅か生き残り、小さな集落が広い日本列島に数箇所あるだけとなってしまった。
人類は「呪力」という超能力を得て、平和で貨幣経済もないユートピアにも似た共同体を作っていた。

しかし、新世界は管理教育、情報操作、洗脳、そして歴史の隠蔽、改ざんといった闇の部分ももっていた。
世界を維持するには、真実は隠されなければならなかった。
図書の分類と検閲。
新世界に生きる人々、特に子供達は徹底した管理のもとに置かれていた。

世界の秘密の全貌はしかし、なかなか明らかにはならなかったが、戦慄を覚えるほどの謎の輪郭がじわじわと読者に迫ってくる。
なにか腐臭を放つものがどこかに隠されているような、そんな感じを受けながら貴志祐介の描く「新世界」の謎に魅せられて物語の中にどんどん入り込んでしまった。

醜い奴隷として使役されるバケネズミ。
自爆して敵を倒す風船犬。
自走式図書館のミノシロモドキ。
そして、呪力を暴走させる悪鬼と業魔。

なんという世界だろう。

貴志祐介の脳髄から産み落とされたこの新世界は、悪と秘密と汚濁、そして謎に満ちている。


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2009 01/23 19:09:39 | none | Comment(0)
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我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。

選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。


第一章ののっけから引き込まれた。自分の愛娘が亡くなった事件を淡々とクラスの生徒に語る女教師。
文体も新しい感じ。新しいと言っても、「今風な薄っぺらな感じ」では全く無い。

そして、第一章の驚愕のラスト。背筋が凍るとはまさにこのこと。
小説を読む時、たいがいは主人公をはじめ、登場人物に感情移入しながら読むのだが、
第一章で女教師に感情移入しつつ、ラストの恐ろしさに、感情移入の上限(?)を超えてしまった。


そして、第二章以降、それぞれの登場人物の語り口で描かれるさまざまな真実と心情。
でも、もう読者はどの人物にも感情移入できないのではないか。

どの章にも漂う、不条理と悪意。
でも、ページをめくる手は決して止められないほど引き込まれる。
そして、ラストにはまた残酷なエンディング。
なんて悪い読後感。虚無感が心に広がる。
でも、面白かったとしか言えない。

こんなに引き込まれた小説は久しぶりだ。
そして、これがデビュー作とは、さらに驚きだ。


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2009 01/23 15:13:01 | none | Comment(0)
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2008年度本屋大賞受賞作。

仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。
昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。
訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。
と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。

精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界・・・・・・。

伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。


杜の都・仙台を舞台に、仕組まれた首相暗殺事件の犯人に仕立てられた男が、必死の逃亡者として逃げ切り、生き抜こうとするストーリー。

謀略者や警察、マスコミによって作り出された男のにせの姿が、男をよく知る親友たちと主人公が関わっていくなかで、真実の姿へと変わっていく。
最初のうちは、虚像として映っていた絵をばらばらにして、あるべき場所にパズルのピースをはめこんでいくと、最初の像とは全く違う青柳雅春の実像が浮かび上がってくる、そんな感じ。
ぱたり、ぱたりと、主人公・青柳雅春の虚像が引っくり返されていく展開が小気味よく、絶妙でしたね。

暗殺事件の真相は、事件当時のものとは違っていたことを明らかにした上で(事件から20年後の話を描いた後に)、黒い霧の中に葬られた事件を、カットバックを巧く使いながら描き出していく話の展開、伏線の生かし方も見事だったな。
殊に、青柳雅春の必死の逃避行を描いていく中に、彼と親友、恋人との思い出の光景が差し挟まれるところがよかった。

容赦のない、冷酷無惨な謀略事件と比べると一層、彼らの脳裏に浮かぶ思い出の風景が、あたたかく輝いているように見えました。

久しぶりに読んだ伊坂ミステリー。
これは面白かった!

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2009 01/23 08:33:40 | none | Comment(0)
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天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。
彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。
だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。


数学的思考力によって「サキヨミ」ができる能力があると知っていると、 天才数学者・石神の思考過程や行動が非常にリアリティーをもって 感じることができました!

数学って、こんなにもスリリングでサスペンスな実用的な思考の訓練を 学べる、超実用的なものだったのですね!

私の人生は、これまで損をしていたように感じました。

理系のかたが書く本って、実にわかりやすくていいですね。
ワクワクしながら読めました。

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2009 01/23 08:32:37 | none | Comment(0)
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どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。
それが生きることだ。

財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。
そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。


この、もの悲しい読後感は、何なんだろうかと思う。
正直で全うな生き方をする人間が不幸に見舞われることか、権力・地位・財力を得てもなお無力感を感ずることか。

どうやら、ここで描かれている登場人物は、正直で素朴な主人公も、権力や財力を得ているその義父も、また犯罪を犯した人々も、皆、満たされぬ思いを持っているからかもしれぬ。
その満たされる思いを、解消するすべをもっているか否かで、犯罪者になるか否かが決まる。

犯罪者、異常者と、ここで描かれている良い人々との、実は差異があまりないことに、もの悲しさを感ずるような気がする


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2009 01/23 08:31:38 | none | Comment(0)
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瀟洒なホテルの中庭。
こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。
周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。
自殺?
それとも他殺?

芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。


もはやミステリを越えた独自のジャンルを築きつつある彼女だが、本作ではそのありあまる実力を見せ付けた。
本当にスゴイの一言。

「劇中劇」が本作の最大の仕掛けであり、もっとも意味を持つものというのは、少し読み進めばすぐに判る。
劇中劇それ自身は古くから多くの作家に用いられてきた手法の一つで、読者を混乱に招きつつも、作品自体に深みを持たせる重要な要素であった。
恩田陸は本作で劇中劇をひとつのジャンルとして昇華したといっても過言ではない。

さて、この「中庭の出来事」はその「中庭」で起こった事件を、幾重にも折り重なる劇中劇で展開していく。
テーマは「芝居」であり、多くは役者(女優)にスポットが当てられる。
章としては29あるが、全部で4つのパートに分けられ、それぞれが連動しながら展開していく。
ちょっと進んで困難だったら展開図とも言えるメモを作成しながら読むべき。

何が芝居?

どこまでが芝居?

だれが演じている?

何が真実?

だれが真実?

何が起こった?

何が起こっている?

何が起こるのか…?

恩田ワールド全開のすさまじい作品だが、どっぷり浸かれる素晴らしい作品。
少し進んで「?」となったら、また戻って。ゆっくり読み進めましょう。

「自分を演じてない人間はこの世にはいないと思う。
自分に与えられた役割を意識して、家の中でも、会社でも社会でも、望まれた姿を演じている」 作中335ページより


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2009 01/23 08:29:14 | none | Comment(0)
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塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。
一年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか?
誰も予想できない結末が待っている!!

恩田陸が紡ぐ、静かで驚きに満ちた世界。

ある町で男が殺された。彼は町の人間ではなく、さらに一年前に失踪していた。
なぜ?どうして…

恩田さんらしい設定で楽しめました。
こういう話はほかの人が書くとただのホラーになってしまうかもしれませんが、恩田さんの筆力のなせる業なのでしょう

最後の章は作中のある場面を踏まえて読むと別の真相があるのかと思ってしまいます。
ただ真相は1つではなく自分で納得する真相がそれぞれ無数にあるような気がしました。

突然失踪した男、その死体、閉じられた田舎の町、謎の塔。
これぞミステリーといわんばかりのキーワード、作者らしいです。


きのうの世界




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2009 01/23 08:27:44 | none | Comment(0)
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