おすすめミステリー小説、おすすめミステリー本の紹介。 by ホーライ

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夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。

翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。

その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。

彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。

これは事故か、殺人か。

湯川が気づいてしまった真相とは―。



読んでいるときは淡々と…

でも、本を閉じた後に、静かにジーンと余韻が残るお話でした。

次第に明らかになる2時間ドラマにありがちなドロドロした人間関係も、最後には幻想的な海底と、少年の輝かしい未来…そんな美しいモチーフで洗われて、さわやかな読後感。

夏休みに読みたかった。

物理的なトリックは弱くて、あまりそれ自体の推理の醍醐味はないし、フーダニットも対象が実質1人、もう終盤はお涙頂戴にまっしぐらなんだけど、相変わらずの湯川先生の科学者語り、警察官たちの様々な視点、人生イロイロ、定番の要素はバランスよく盛り込まれていて退屈しませんでした。

しかし、湯川先生、めちゃめちゃ人間臭くなりましたね。

これはこれで魅力的だし、まさに彼の言うところの「成長」なんじゃないかなーと思います。


連続刊行された著者の作品の中で、特に挙げたい一作。

子ども嫌いのガリレオ博士湯川と少年との、「化学反応」が面白い。

こういう話が好きです。

ミステリーとかいう前に、こういう設定の話というところが、理系もいいのだなと心から思わされる。

哀しみと切ない希望が一緒に詰まっている。


巧みな人物設定で次々と明るみに出る人間の醜ささと美しさ。

東野ワールドを満喫させる傑作ミステリー!



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2011 12/28 08:09:17 | none | Comment(0)
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相次いで変死した二人の外務官僚。

捜査をめぐる他省庁とのトラブル。

そして娘を襲ったアクシデント…。


大森署署長・竜崎伸也に降りかかる難問の連鎖、やがて浮かび上がった驚愕の構図。

すべては竜崎の手腕に委ねられた!

極限の緊迫感がみなぎる超本格警察小説シリーズ最強の新作。



今回は、殺人事件、ひき逃げ、麻取とのせめぎ合い、放火、娘の恋人の話が 縦糸と横糸のように絡んでいきます。

役所間、部署間の対立が竜崎のキャラで小気味良く切りさばかれていきます。

元・いじめられっこで、ガリ勉、強くも格好良くも無く、原理原則にきっちりしていて融通がきかない、そんなヒーローである竜崎の「竜崎節」を久々に堪能しました。



今野敏氏の作品は、誤解を恐れずに言えば、楽しめるものとそうでないものがある。

好き嫌いかもしれないので、楽しめないものには言及はしない。

この『隠蔽捜査』は1作目を文庫で読んでから、一気にはまった。

いやあ、面白かったですね。

1週間の間に、2、3、3・5と連続して読んだ。

どれもいいから、驚いてしまう。


黙って、読め、だろう。

絶対に損はさせませんよ、と作者に言われているような気がする。

こう書いてくると、やはり小説は好き嫌いなのかもしれない。

ふと、そう感じた。

この竜崎というキャラが好きになれないと、まったくもってつまらない小説となってしまうに違いない。

次回作は? と期待を抱かせてくれる数少ない作品である。

こういう小説に出会えると、嬉しくなる。


建前=本音の主人公竜崎が論破していく様は痛快であり、招いた苦境でも竜崎流を通します。

思わず二度読みした一冊。

二度目は竜崎の生きざまに教えを得る。

文句なしの満点だ。



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2011 12/28 07:46:22 | none | Comment(0)
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2010年「このミステリーがすごい」第4位。


古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。

依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。

調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。

二十二年前のその夜何があったのか?

幾重にも隠された真相は?

米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。 著者新境地の本格ミステリ。



五篇のリドルストーリー(結末を書かない物語)が作中作として収められた入れ子構造の本作。


タイトルが重い印象だったのですが、読み終わった時には『なるほど』と思いました。

父が残した5編の小説の探索を依頼する娘・可南子は、結末だけを所持しています。

報酬に動かされ探索を始めるのは叔父の古書店でアルバイトしている芳光です。

探索途中で、海外で起こった未解決事件『アントワープの銃声』が迫ってきます。


アントワープ&古書店

なぞの5つの小説&5つの結末

可南子の父の真相を隠す愛&古書店の叔父が芳光を突き放す愛

中々興味をそそられるプロットです。

まずは見事なプロットに脱帽した。

リドル・ストーリーとその謎解き(最後の一行)の組み合わせによって正反対の意味が立ち現れる様は圧巻であった。

また、娘に真実を語るべきか否か、悩んだ末に父親がとった行為が哀切。読み始めたら止められなかった。傑作である。


5つの小説は、奇抜な話ではあるのですが映像が浮かびます。

そして読者も結末を考えてしまうのでは!?と、思います。

その結末ですが、他の小説でもありえる結末で読ませます。

ワクワクしながら読み終えました。


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2010 12/31 15:35:35 | none | Comment(0)
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2010年「このミステリーがすごい」第3位。


その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。

1998年、春。

夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。

不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。

そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?

秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。


その学校の、そのクラスにはある「呪い」がある。

避けられない死の連鎖に挑む少年少女の運命は--

新本格の旗手が満を持しておくる、戦慄の青春ホラー。


 
学園ミステリーホラーで、主人公の少年が転校して入ったクラスの三年三組にだけ起こる怪奇現象。

そしてジンクス。
 
謎のクラスメート見崎鳴(みさきめい)。
 
沢山の不気味で美しい人形たちは、人形作家「天野可淡(あまのかたん)」 の人形を連想させる。

ホラー的なグロい描写もあって気に入りました。

なんといっても「見崎鳴」が謎めいてて凄く気になり、 ぶ厚い本ですが、3日で読んでしまいました。

この作品は2006年から書かれただけあって、あとから読んだ「館シリーズ」たちとは違って最近っぽい感じです。

怪談、ホラー、ミステリー、学園ものが好きなら楽しめると思います。
 
これを読んで綾辻のファンになりました。



「面白かった!」と思える作品でした。

最初はページ数の厚さに「時間がかかりそう」と思ったのですが……

いざ読み進めると先へ先へと、気づけば1日もかからず読み終えてしまいました。


決して読み飛ばすような内容では無くむしろ、とても読みやすい作品でした。

情景が鮮明に思い浮かぶくらい内容がスッと頭の中に入るような文章。



全体的にホラーとサスペンスに所謂ジュヴナイルっぽい感じが各少々といった雰囲気がありました。(あくまで私的意見ですが)

三年三組に降りかかる《呪い》と噂される謎の現象。

居ない筈なのに居る《もう一人の誰か》

一体誰が?

何故?

次はどうなる?

という不安感や疑心感は少し背筋が涼しくなるような、ちょっと不気味な感覚すらしました。


そういったホラー感の味付けがなされたミステリーが完成しており、読者はそれを堪能すればよい、一級のエンターテイメント小説です。



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2010 12/31 03:53:12 | none | Comment(0)
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2010年「このミステリーがすごい」第1位。


立ちはだかるのは、人情という名の謎

日本橋の片隅で発見された四十代女性の絞殺死体。

「なぜ、あんなにいい人が」と周囲は声を重ねる。

着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。

「この町のことを思い浮かべるだけで、忽ち様々な人間が動きだした。そのうちの一人を描こうとすると、そばにいる人々の姿も描かざるをえなくなった。まる でドミノ倒しのように、次々とドラマが繋がっていった。同時に謎も。最後のドミノを倒した時の達成感は、作家として初めて味わうものだった」――東野圭吾


東野圭吾作品の中でも、「加賀恭一郎シリーズ」はかなり好きなので、迷わず購入しました。

この小説の舞台は日本橋。

その一角で起こった絞殺事件を調べるべく、着任したばかりの加賀刑事は日本橋界隈のさまざまな場所に出向いていきます。

ただし、「営業マンの上着」から始まり、加賀刑事の見事な洞察力はそれまでの作品同様に見ることができますが、事件そのものの真相は、それほどビックリするようなものではありません。

しかしそれよりも印象深いのが、日本橋界隈の人々や、加賀刑事自身が見せる「人情」です。


全九章ありますが、第一章〜第八章までそれぞれ、加賀が訪れる日本橋の8か所が舞台となっています。

そして事件の調査のために訪れた加賀が、その手掛かりをつかむ様子だけでなく、彼の働きによってそこに隠されていた人々の「大切な人への想い」が前面に出てきたり、通い合っていなかった心と心が再び交流を始める様子などが描かれ、読んでいて非常に心温まりました。

どれも事件の解決に向けての「通過点」の一つに過ぎないのですが、結末が非常によく、それぞれの章がエピソードとして独立して成り立っています。

そして第九章のラストも、「心を通わせていたつもりが実はそうでなかった」という点では非常に考えさせられました。

最後に、加賀恭一郎シリーズはこれの前に、

『卒業 雪月花殺人ゲーム』★
『眠りの森』★
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』★
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』★

以上があります。

もちろんそれぞれ別の事件を扱っていますから、単独でも十分楽しめるのですが、他のシリーズ作品(特に★印)を読むと、加賀刑事の人物像がよくわかりますので別の楽しみ方ができます。


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2010 12/30 20:55:16 | none | Comment(0)
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伊坂幸太郎おすすめミステリー小説、お奨めの伊坂幸太郎のミステリー小説。伊坂幸太郎の名作ミステリーの面白い作品。

おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎(著))だ。


2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。


既存のミステリーの枠にとらわれない大胆な発想で、読者を魅了する伊坂幸太郎のデビュー作。

レイプという過酷な運命を背負う青年の姿を爽やかに描いた『重力ピエロ』や、特殊能力を持つ4人組の強盗団が活躍する『陽気なギャングが地球を回す』など、特異なキャラクターと奇想天外なストーリーを持ち味にしている著者であるが、その才能の原点ともいえるのが本書だ。

事件の被害者は、なんと、人語を操るカカシなのである。


コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。

仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。

そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。

しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。

なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。

「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。


嘘つきの画家、体重300キロのウサギさん、島の規律として殺人を繰り返す男「桜」。

不可思議な登場人物たちの住む島は、不条理に満ちた異様な世界だ。

一方、そんな虚構に比するように、現実世界のまがまがしい存在感を放つのが、伊藤の行方を執拗に追う警察官、城山である。

本書が、荒唐無稽な絵空事に陥らないのは、こうした虚構と現実とが絶妙なバランスを保持し、せめぎあっているからだ。

本格ミステリーの仕掛けもふんだんに盛り込みながら、時に、善悪とは何かという命題をも忍ばせる著者の実力は、ミステリーの果てしない可能性を押し開くものである。



伊坂幸太郎さんのデビュー作。

現実と非現実のどちらとも言えない設定に戸惑いましたが、 最後まで読むと良い作品だなと思いました。

どういう終わり方なのか、気になりながら読みましたが、読み終わってみるといい読後感。

伏線の張り方、回収が緻密で、ラストも良かったです。

その後の作品と比べると、疾走感というか一気に読ませる惹き付ける感じが少ないようなので、伊坂作品を初めて読むなら、この作品じゃない方がいいかもしれません。

この作品をいいなと思った方には、他の作品も躊躇なくお勧めしたいです。


独特な余韻を強く残した、不思議なミステリーだ。


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2010 12/29 05:52:37 | none | Comment(0)
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東野圭吾おすすめミステリー小説、おすすめの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の面白い作品。

面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説、名作ミステリー小説は『白夜行』東野圭吾(著)だ。



TBSにおいて「白夜行」をTV番組化(2006年)

また映画化も進んでおり、2011年公開予定である。



前作「秘密」で、温かくて切ない物語を紡いだ東野圭吾が、今回は読む者の心を冷え冷えと切なくさせる。 

1973年に起こった質屋殺しがプロローグ。

最後に被害者と会った女がガス中毒死して、事件は迷宮入りする。

物語の主人公は、質屋の息子と女の娘だ。

当時小学生だった二人が成長し、社会で“活躍”するようになるまでを、世相とともに描ききる。

2人の人生は順風満帆ではなく、次々忌まわしい事件が降りかかる……。

当然ミステリーだから謎が隠されているわけだが、真相は途中で暗示されてしまう。

しかし謎の存在など、どうでもよくなるほどのスケールの大きさが読後に残る。


1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。

容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。

被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。

二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。

だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。

息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。

心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。



総ページ850程度、全13章からなる物語。

ライトノベルなら3冊分は あるボリューム。

主人公の雪穂と亮司の小学校時代から19年後までが 淡々と語られる。

なぜ淡々かというと、主人公二人の内面心理の描写が全くなく、他の登場人物の目を通じてしか二人をうかがい知ることができないからだ。

加えて、物語はある殺人事件に端を発するが、犯人や犯行方法は途中で暗示され、焦点は事件の解明ではなく今後の展開に移っていく。

だからこの物語はミステリーというよりは叙事詩だ。

読み進めていくごとに、二人の関与がほのめかされ、そして徐々に真相が明らかにされていくにつれ、背筋の凍る思いが募っていく。

ノワールの傑作と評されることにもうなずける。

だが、真に驚くべきことは、とうとう最後まで二人の内面が一切明かされないことだ。

稀代の悪女と犯罪の天才。

二人はどのように結ばれ、何を目指したのか。

いや、亮司はなぜ雪穂の影で在り続けようとしたのか?

これに対して雪穂は亮司に何を与えたのか?

雪穂は亮司を愛していたのか?

二人に潜む闇はあまりに深く、ありきたりの想像や感情ではとうてい推し量れるものではなかろう。

しかし、こうした思いに対する答えはない。

ないのである。

だから読後もふとした拍子に雪穂と亮司の物語に思いを馳せてしまう。

まさにいつまでも余韻が消えないのだ。


なるほど、これが東野ワールドか・・・。



再読三読に耐えうる推理小説というのはそうそうあるものではない。

その意味でも、やはりこの作品は傑作なのだと思う。



主人公二人の会話・心情・行動すべてが隠されたまま、最後まで疾走する10年以上に亘る大河ミステリー。



夜寝る前に本を読むことが多い。

眠くなるまで読もうっと。

分厚い本だなぁ。疲れそう。

・・・・・気が付いたら、明け方だった。



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2010 12/28 21:50:21 | none | Comment(0)
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歴史的名作ミステリー小説、おすすめ傑作ミステリー小説、お薦めミステリー小説、お勧めミステリー小説、お奨めミステリー小説、本格ミステリー小説の紹介です。

今回は定番中の定番、本格ミステリーの王道『幻の女』ウイリアム・アイリッシュ(著)です。

本作品の出だしは超有名だ。

「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」


長いお話なのに途中でだれることもなく飽きませんでした。
 
文句のつけようがありません。
 
古い推理小説を読む楽しみを教えてもらいました。

洗練された文章で、謎を解く鍵は全て読者の手の中にあり、なおかつ最後でどんでん返し。


タイトルはずいぶん昔から知っていた。

評価も高かった。

その作品をようやく読むことができた。噂どおりの面白さ、だ。
 
作品が書かれたのは、1942年。そんな古さはみじんも感じさせない。

 

妻殺しの罪で死刑判決を受けたヘンダースンは、犯行時刻、「幻の女」と一緒にいた。

二人でバーに並び、タクシーに乗り、食事をした。

劇場の最前列でショーも見た。

その女の証言さえ得られれば、ヘンダースンの無罪は明らかだ。

 
しかし、ヘンダースンはその女の名前も容貌も思い出すことができなかった。

そんなことには関心がなかったからだ。

ただ、二人を目撃したという証人が全くいないのが不思議だった。

そんな二人連れは見なかったと言うならまだ理解できる。

ところが、関係者はなぜか皆、口をそろえて、ヘンダースンは一人でいた、と証言する。

 
ヘンダースンの言葉を始めて信用したのは、彼を死刑に追い込んだ刑事バージェスだった。

バージェスのアドバイスで親友ロンバートの助けを求めるヘンダースン。

その時点で、死刑執行までに残された時間は21日間しかなかった。

 
探偵役は一つ一つ小さな成功を積み重ねて真相に辿り着くものだと思っていた。

しかし、この作品は違った。

一つのヒントが成果につながろうとする瞬間、キーパーソンが事故死してしまうのだ。

そのたびに、手がかりが一つ一つ空しく消えてゆく。

果たして本当に事故死なのか? 

死刑執行までに真相は明らかになるのか? 


そんなことを考えながら読み進むと、終盤一気の展開で真相が明らかになる。


死刑執行が刻々と近づく緊迫感とともにニューヨークの雰囲気が作品全体に溢れている。

上質のミステリは上質の風俗小説であるのかもしれない。

現在の読み手にとってこの結末は意外なものではないのかもしれないが、それを差し引いたとしてもこの作品が一級のミステリであることに間違いはない。


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2010 12/28 05:55:35 | none | Comment(0)
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歴史的名作ミステリー小説、おすすめ傑作ミステリー小説、本格ミステリー小説の紹介です。

今回は定番中の定番、本格ミステリーの王道『Zの悲劇』エラリー・クイーン(著)です。



政界のボスとして著名な上院議員の、まだ生温かい死体には、ナイフが柄まで刺さっていた。

被害者のまわりには多くの政敵と怪しげな人物がひしめき、所有物の中から出てきた一通の手紙には、恐ろしい脅迫の言葉と、謎のZの文字が並べてあった。

錯綜した二つの事件の渦中にとび込むのは、サム警部の美しい娘のパティと、レーンの名コンビ。


『Xの悲劇』『Yの悲劇』につづく、エラリー・クイーンの推理小説の名作。

名探偵ドルリー・レーンと、元警部のサムの娘、ペイシェンスのコンビは、不可解な殺人事件の奥にひそむ真実を白日のもとに…。


無実であるにも関わらず、死刑判決をうけた男を救うため、死刑執行までに、事件を解決しなければならないという《タイムリミット》もの。

特に、まさに死刑が執行されんとする場面でのレーンの推理は、クイーン全作品のなかでも白眉といってよく、圧巻の一言です。


計27人の容疑者を次々と消去し、最後に残った一人を犯人として指摘するクライマックスのカタルシスは無類ですが、その後に訪れる皮肉な幕切れは、このシリーズならではの苦味を残します。



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2010 12/28 05:54:47 | none | Comment(0)
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歴史的名作ミステリー小説、おすすめ傑作ミステリー小説、本格ミステリー小説の紹介です。

今回は定番中の定番、本格ミステリーの王道『Xの悲劇』エラリー・クイーン(著)です。



ニューヨークの電車の中で起きた奇怪な殺人事件。

おそるべきニコチン毒をぬったコルク玉という新手の凶器が使われたのだ。

この密室犯罪の容疑者は大勢いるが、聾者の探偵、かつての名優ドルリー・レーンの捜査は、着々とあざやかに進められる。

“読者よ、すべての手がかりは与えられた。

犯人は誰か?”と有名な挑戦をする、本格中の本格ミステリー小説。

ニューヨークの市街電車で起こった事件は、サム警視の頭を悩ませるに充分なほど不可解なものだった。

突然の豪雨を避けるため、婚約者や友人たちと市電に乗った株式仲買人が、なかでくずれるように倒れた。

上着のポケットに入っていた奇妙な凶器で殺されたらしいのだが、密室状況の車内には被害者に悪意を抱く者が大勢いた。

サム警視は事件の解決を元俳優の探偵ドルリイ・レーンに依頼するが、第2、第3の殺人が発生するにおよび、事件は意外な様相を呈しはじめる。

巨匠エラリイ・クイーンが若き日にものした本格ミステリの傑作!


読者にデータがフェアに提示され、それを起点に推理することにより、 ある事実を特定可能にするといったクイーン一流のロジックも健在で、 本作においては、第一の殺人における凶器を扱うための道具や第二の 殺人における死体の手術痕、そして第三の殺人における死体の上着の 内ポケットにあった列車の回数券などにその特徴を見ることができます。

なかでも、法廷において殺人の罪に問われた無実の被告を救うために展開される彼の右手の傷をもとにした論理は明晰で、クイーンの本領を存分に味わえます。


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2010 12/28 05:53:39 | none | Comment(0)
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歴史的名作ミステリー小説、おすすめ傑作ミステリー小説、本格ミステリー小説の紹介です。

今回は定番中の定番、本格ミステリーの王道『Yの悲劇』エラリー・クイーン(著)です。


行方不明をつたえられた富豪ヨーク・ハッターの死体がニューヨークの湾口に揚がった。

死因は毒物死で、その後、病毒遺伝の一族のあいだに、目をおおう惨劇がくり返される。

名探偵レーンの推理では、あり得ない人物が犯人なのだが……。

ロス名義で発表した四部作の中でも、周到な伏線と、明晰な解明の論理は読者を魅了する古典的名作ミステリー小説。


「Xの悲劇」とは違い 、さすがのドリル・レーン氏もてこずってしまいます。

その姿を見てとても切なくなってしまうぐらい。

設定は誰もを疑いたくなる ような設定なので、誰が犯人でもおかしくは ありませんが、怪しい人は法則通り疑ってはいけません。

しかしそこから先のこれはないだろう、 という虚をついてくる犯人の設定です。

なので判明したときの驚きはひとしおなはず。


名作ミステリ、本格ミステリとして歴史があり、定番中の定番として定評のある作品で、個人的には「Xの悲劇」より評価は高いです。

「Xの悲劇」は、ニューヨークの雰囲気というか、息吹というかそうしものが感じれておもしろい。

が、犯人が小細工をしすぎていてリアルティに欠ける印象があるので、「Yの悲劇」の方をおしたい。

もっとも「Xの悲劇」も抜群に面白い。

パズラーとして純粋にみたら「Xの悲劇」のほうが上かもしれませんね。

この辺は好みでしょう。


不条理、不合理が支配するハッター家という小宇宙で起こった事件をレーンは見事なロジックで明らかにしていく。

不条理、不合理と論理、合理性のせめぎ合い。

これぞミステリの醍醐味ではありません?



少年探偵団や子ども向け「ルパン」シリーズを卒業して、最初に読んだミステリが本作です。

今から40年ほど前のことです(小学5年生の頃)。

とてもラッキーだったと思います。
今から考えると、“犯人の意外性”という魅力は減じていますが、あの独特の雰囲気が好きです。

日本では極端に高い評価を得ていますが、こういった雰囲気も人気の一つでしょう。

この作品からミステリの世界に入る人は幸せだと思います。


レーンが決して語らなかった“犯人を殺した「犯人」”の衝撃ゆえに、『Yの悲劇』の名はミステリ史において永遠となったといえます。

歴史的名作、古典的名作ミステリー小説の代名詞である『Yの悲劇』を十分に堪能してください。決して、裏切りません。


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2010 12/28 05:52:23 | none | Comment(0)
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東野圭吾おすすめミステリー小説、おすすめの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の面白い作品。

面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説は『流星の絆』東野圭吾(著)だ。


第43回新風賞受賞作品


惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった三兄妹。

「兄貴、妹(あいつ)は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」

14年後――彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった。

「この小説は私が書いたのではない。登場人物たちが作りだしたのだ。」――東野圭吾

息もつかせぬ展開、張り巡らされた伏線、驚きの真相、涙がとまらないラスト。

すべての東野作品を超えた現代エンタメの最高峰


開いたら最後、あっと言う間に過ぎ去った482ページ。

相変わらずの描写の巧さで頭の中に自然に浮かぶ情景。

登場人物の心情と共に張り巡らされる謎や伏線。

乱れも隙も無い計算されつくした展開。見事な結末。

本を閉じた後の読後感。


どれをとっても本当に素晴らしかった。

まさに、東野圭吾作品の最高傑作の部類に入る出来でした。

今までの東野圭吾作品も十二分に面白いんですけど、どこか納得の行かない部分や、残念な部分がありました。

高校の時から数えると200〜300冊くらい色んな作家の小説を読みましたけど、この『流星の絆』は3本の指に入るくらいの出来でした。


東野圭吾なら、いつか完璧に近い小説を書いてくれるんじゃないかと思ってましたけど、『流星の絆』は本当にお見事でした。


100点満点。


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2010 12/26 19:08:16 | none | Comment(0)
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東野圭吾おすすめミステリー小説、おすすめの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の面白い作品。

面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説は『容疑者Xの献身』東野圭吾(著)だ。


2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞、第6回本格ミステリ大賞(小説部門)

2008年、フジテレビジョンほかにより映画化されている。


天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。

だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。


東野作品は20作くらい読みましたけど、自分にはこれが最高傑作です。

若干突っ込み所はありつつも見事な叙述トリック、そして石神の純粋すぎる愛と湯川の優しさを描いたストーリー、どちらも大満足でした。

結末は賛否両論ですけど、自分はこれでよかったと思います。

最後の石神の叫びには悲しさだけじゃなく、喜びも含まれてるような気がします。

ちなみにこれから読まれる方は先に「探偵ガリレオ」「予知夢」を読んでおいた方がいいです。

草薙と湯川の関係や、湯川のキャラクターを把握しておいた方が今作を何倍も楽しめますので。



天才数学者の石神。彼は都会の片隅の小さなボロアパートに住み、高校の教師をしている。

学校とアパートとの往復だけでなんの楽しみのないような生活をおくっている。

しかし彼は、ある難解な数学の公式を解くこととを生きる証として何年も取り組んでいる。

そして、秘密に恋心を抱く女性もいた。

その恋は、純粋で自分の人生をなげうってでも守りたいものだった・・・・・・

そして彼は、事件に自ら巻き込まれていく。

石神の大学時代の同級生として、登場する天才物理学者、湯川。

ガリレオシリーズの初の長編作品で、湯川の事件を解決する才能はいかんなく発揮され読み応えある作品になっている。


事件を解決していくおもしろさは、もちろんだが、湯川と石神の天才学者同士の心の模様や、石神の怖いぐらいの純粋な恋心など心理面でも十分楽しめます。

天才のひらめきは、観察眼の鋭さから生まれるのだという印象を受けました。

最後まで一気に読み進みたくなるミステリーです。


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2010 12/26 16:14:37 | none | Comment(0)
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東野圭吾おすすめミステリー小説、おすすめの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の面白い作品。

面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説は『放課後』東野圭吾(著)だ。


乱歩賞受賞作品の青春推理もの。

フジテレビで番組化されている(1986年)。


校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。

先生を2人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将――犯人候補は続々登場する。

そして、運動会の仮装行列で第2の殺人が……。


とても二十年前の作品だとは思えない。
 
話も結構複雑に入り組んでいて、学校とそれを取り巻く環境が非常によくかけていると思う。
 
ただ、犯人とトリックはけっこうわかりやすいものだと思うが、それでもラストのオチはなかなかよかったと思う。
 
動機について、それはないだろという意見をよく聞きますけど、少なくとも金のためとか陳腐な愛憎劇なんかよりも数百倍もいいと思う。
 
やはりデビュー時からきちっとレベルの高いものをかいてるなぁ、と感心する。


学園もの……なんて気軽な言葉に乗せられて買ったら良い意味で裏切られました。

本当に面白かったです。

ぜひ、読んでみてください。


この小説の最大の論点は、何といってもその「動機」でしょう。

良いも悪いも、その「動機」はやはりショッキングですから、それを知る為に読み進んだとしても、 それはそれで損はしないと思いますし、そのくらいインパクトはあるんでしょうね。


もう一度、犯人を知った上で最初から読み返したくなりました。


ちなみに、東野圭吾は大学在学中はアーチェリー部の主将を務め、デビュー作『放課後』でもアーチェリーが題材となっています。

また、当時の夫人の職業が女子高の非常勤教師であったため、『放課後』の主人公、前島を女子高勤務にすることを思い付いたらしいですよ。



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2010 12/26 12:44:21 | none | Comment(0)
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宮部みゆきのおすすめミステリー小説。 おすすめ宮部みゆきの面白いミステリー小説。宮部みゆきのおすすめ作品。

面白いミステリー小説、おもしろい傑作ミステリー小説は『模倣犯』宮部 みゆき(著)だ。



休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?

いったい彼女は何者なのか?

謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。

山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。



社会派ミステリには2つの要素がある。

一つは純粋にミステリとしての謎解きの面白さ。
そしてもう一つは社会の影を映し出す鏡の役割。

宮部みゆきはこの二つの要素を兼ね備えた秀作を 世に多く送り出してきている現代を代表する作家だが、 僕は彼女の作品の中でも「火車」が一番だと思っている。

物語は一人の女性の謎めいた失踪から始まる。

そしてそれを追う主人公は彼女の過去を探るうちに、 一つの信じられないような真実に辿り着く。

カード破産、戸籍、家族の形・・・

いくつものテーマが織り込まれながら、 謎解きに向かって進むストーリー。

必読の一言に尽きる。



カードやサラ金地獄を背景に描かれる、現代の人間の悲劇。

読み終った時、言葉に出来ない割り切れなさを感じた。

哀しいようないらだち。それは何だったのか。

本当に悪いのは、罪を犯した犯人ではなく、その人を犯罪へと追い込んだものたち。

しかし裁かれるのはいつもその人だけで、犯罪へと追い込んだものたちは、その後も、何も変わらずに続いていく。

一体、誰が彼女を責められるのか。

誰も彼女を救えなかったのに。


そして読者には、その現場に居合わせてしまったような緊迫感漂うラストシーンが待っている!!



宮部みゆきの最高傑作で超おすすめのミステリー小説です。(社会派小説でもある。)



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2010 12/26 09:59:36 | none | Comment(0)
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●このミステリーがすごい(2010年)
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第4位「隻眼の少女」麻耶 雄嵩 (著)


古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!因習深き寒村で発生した連続殺人。

名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した―。


異常だ。

この作品に比べたら今までの麻耶の作品や数多あるミステリで探偵が騙ってきた推理など茶番だと思われるほどの圧倒的な完成度。

恐らくミステリ作家なら誰もがこうした作品を一度は目指すだろうが、誰一人為し得なかった作品だろう。

生半可な努力と思考力、発想だけではこの壮大な伽藍は築けまい。

筆者が処女作「翼ある闇」以降ずっと問題にしてきた命題が漸く実を結んだようにも見える。

この極点に達した麻耶雄嵩が、今後創作活動を続けていけるのかということだけが不安だ。

そして一読しただけでは私も気づかず恥ずかしい限りなのだが、この「問題」は単に事件の推理だけに適応されるのではなく動機を含めドラマ部分に密接に影響していることは間違いない。

静馬の感情やエピローグでのみかげの行動だけでなく、そもそも2003年の犯人の動機すら…そうした視点で見ると全く違った様相が見えてくる。

やはり異常な作品である。

とはいえ複雑で読者を突き放した作品ではないので、誰でもお気軽に手に取ってくれればいいと思う。

ドライな探偵と死相漂うワトソンの軽妙な掛け合いや茶目っ気に溢れる文章は読んでいるだけでも頬が緩む。


萌え巫女姿の探偵、訳ありで自殺願望ありのワトソン役の大学生が偶然(?)遭遇する古き信仰が残る旧家での連続首斬り殺人。

犯人は?

動機は?

その18年後にまた同じ事件が発生!模倣犯か?

それとも連続殺人なのか?

真相は?


著者の作品及び文藝春秋からすると単なる正統派で終わるわけないと思いながら読んでいましたが、やはり後味の悪さは用意されていましたね。

しかも従来の作品に勝るとも劣らない衝撃。

本格ミステリとして傑作のうちに完了出来るものを最後にひっくり返す、この読後の後味の悪さは毎回なんとも言えませんね、病みつきになります。

…という従来の作者の路線そのままであると了解してお読み下さい。

巫女さん姿の萌えな表紙のみで判断すると後でしっぺ返しに合います。

後味の悪い結末がアナタを待っています、でも間違いなく本格。


そして怪作。

傑作。

この作品に出逢えて、本当に良かったと思う。


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2010 12/24 05:04:10 | none | Comment(0)
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●このミステリーがすごい(2010年)
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第1位「悪の教典」貴志 祐介 (著)


とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか──

ピカレスクの輝きを秘めた戦慄のサイコ・ホラー。

●2010年度「このミステリーがすごい!」第1位

●「週刊文春ミステリーベスト10」第1位

●第1回山田風太郎賞


学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。

ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。


イケメンで語学堪能。格闘技を含むスポーツもでき頭脳は明晰。こんなハスミンが人を殺しまくる。

なぜ彼はクラスを支配しようとしたのか、全くわからない。

けど下巻後半の暴走状態にハスミンを何故か応援していた。

うまく逃げられますように、みんなが死にますようにって(笑)。

こんな私は大藪春彦のファンだったりする。

この下巻の後半部分はデビュー作の「黒い家」のクライマックスを彷彿とさせる。

主人公への共感を得る人がほとんどいないだろうから、かなり賛否両論が出るだろうなって思った。

個人的には花丸なんだが。




貴志祐介さんの新刊です。

表紙の黄色に黒いカラスのイラストが何とも不気味で 読む前から嫌な感じがしました。

そしてその通り、読み進みに連れて、その嫌な感じはどんどん膨れ上がって行きましたが、 先が気になって本を閉じれない、つまりどんどん物語に嵌って行ってしまいました。

主人公の蓮実(はすみ)は今まで読んだ本の中でもトップと言って良いほど 邪悪で冷酷極まりない人間(人と言えるのかすら疑問ですが)。

それ程までではないけれど、この本の中には嫌な教師、自己中心的な高校生等、嫌な人間が勢揃いしています。

けれど、そこにはきちんと「正義」を貫こうとする人もいて救われます。

6章434ページの長編ですが、文字の大きさ、会話の多さ、 そして展開の速さで飽きる事無く一気に読めます。

下巻への期待が高まる仕上がりになっています。


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2010 12/24 05:01:59 | none | Comment(0)
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児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。
彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。
そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。
しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。
これは単なる偶然か?

第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。


ホラー作家道尾は、観光で訪れた福島県の田舎、白峠村で不気味な声を聞き、恐怖のあまり東京へ逃げ帰る。
この周辺で4人の児童連続失踪事件が発生しており、最初の子供が殺害されて、頭部だけが発見されていたのだ。
あの声はそのことに関係している・・・。

一方、道尾が相談に訪れた、大学時代の友人『霊現象探求所』の真備(まきび)の元には、白峠村周辺で写真を撮った、職業・年齢・時期もまったく別々で、まったく関連性のない4人の別々の被写体の背中にふたつの目が写っている写真と、被写体の人物たちが皆自殺しているといったファイルがあった。


ホラー色が強いが、実際は、探偵役もワトスン役もしっかりと配されており、伏線も巧みで、最後に、ある一定のレベルのロジックによって謎が解明されるスタイルをとっており、科学的には解明できない超常現象を程よく組み込ませた本格ミステリーといったほうがいいかもしれない。


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2009 02/02 07:09:18 | none | Comment(0)
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俺は私立探偵。
ちょっとした特技のため、この業界では有名人だ。
その秘密は追々分かってくるだろうが、「音」に関することだ、とだけ言っておこう。

今はある産業スパイについての仕事をしている。
地味だが報酬が破格なのだ。
楽勝な仕事だったはずが―。

気付けば俺は、とんでもない現場を「目撃」してしまっていた。


話の冒頭では一見、非現実的な話と思うかも知れない。
その手の話が苦手な人は冒頭で敬遠してしまうかも知れないが、最後まで読む忍耐があればかなり良質の読後感を得られる。

多少ご都合主義的な部分もあるが、なかなか読ませる秀作である。
カードの話も最後まで読めば謎が解けるので、途中で止まらないで読み切る事をお勧めする。


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2009 02/02 07:05:47 | none | Comment(0)
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関空にハイジャック機が着陸!!
厳戒態勢を嘲笑うかのようにハイジャック犯は日本政府に要求を突きつける。
犯人はなにを狙うのか。
迫真の航空謀略サスペンス。


ハイジャックされた航空機が、台風の影響より文字通り孤島と化した関空に強行着陸してくる。
果たして犯人の意図とは・・・
過去に起きた忌まわしい殺人を描くプロローグから一気に引き込まれます。

空港の構造などについてはかなりの下調べをなさったようで、ディテールを丹念に積み上げていく硬質の文章は女性が書いたもの、しかも処女作とはとても思えませんでした。

多少強引な設定もなくはないにしても、これだけ楽しめれば満足です。

サスペンス好きのあなた、決して時間の無駄にはなりませんよ


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2009 02/02 07:04:06 | none | Comment(0)
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美と教養と見栄と意地が溢れる珊瑚礁の五百年王国は悩んでいた。
少女まづるは憧れの王府を救おうと宦官と偽り行政官になって大活躍。
しかし待ち受けていたのは島流しの刑だった――。

珊瑚礁王国の美少女・真鶴は性を偽り、宦官になる。

「シャングリ・ラ」で読書人たちを唸らせた池上永一、今作もまた負けず劣らずの傑作。
筒井康隆に北上次郎、文壇界と書評界の御大が本の帯で絶賛するのも納得の、手に汗握り、熱い魂を感じながらの疾風怒涛の426ページだ。

時は19世紀の琉球王朝、これは、千年の眠りから醒めた龍たちが、雷となって大空を疾駆しながら発情する夜に生まれた伝説の女性真鶴の物語。
百花繚乱、絢爛豪華、艶やかな舞台を司るキャラクターたちが実に素晴らしい。
真鶴はもちろん、朝薫、詞勇、雅博、多嘉良、聞得大君、麻真譲と正に千両役者に魑魅魍魎が揃い、物語を動かす。

前人未踏のノンストップ人生劇場。 見せ場満載、桁外れの面白さだ。


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2009 02/02 07:02:37 | none | Comment(0)
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奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。
二十三歳になった当主の長男・長寿郎が、三人の花嫁候補のなかからひとりを選ぶ儀式である。
その儀式の最中、候補のひとりが首無し死体で発見された。
犯人は現場から消えた長寿郎なのか?
しかし逃げた形跡はどこにも見つからない。

一族の跡目争いもからんで混乱が続くなか、そこへ第二、第三の犠牲者が、いずれも首無し死体で見つかる。

古く伝わる淡首様の祟りなのか、それとも十年前に井戸に打ち棄てられて死んでいた長寿郎の双子の妹の怨念なのか―。


もう、出だしからして完璧に構築されたこの世界観にノックアウトされてしまった。
土着的な民間伝承と旧家をめぐる因習と因縁。
まさしく横溝正史のあのオドロオドロしい世界を再現したかのような舞台設定がミステリマインドを激しく揺さぶる作品で、本格物としての完成度もかなりのハイレベルだ。

本書の謎の素晴らしいところは、動機がまったくわからないところにある。

久しぶりにミステリでのカタストロフィを味わった。
ましてや二転三転するどんでん返しとくれば、これはもうお手上げというしかないではないか。

ここで驚かない人はいないだろう。

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混乱する現場で対立する捜査一課特殊班とSAT。
現場で指揮する竜崎の決断は。

警察庁から大森警察署署長に左遷されたキャリアの竜崎伸也。
襲いくる様々な圧力に竜崎は打ち勝つことができるのか。

『隠蔽捜査』シリーズ第二弾。

息子の不祥事で左遷されたキャリア竜崎伸也が左遷先の大森署署長に赴任して起きた事件。
その管内で強盗犯の立てこもり事件が発生。
混乱する現場で対立する捜査一課特殊班(SIT) とSAT。
そして実弾が4発が発砲され・・・現場で指揮する竜崎の下した決断は・・・。

警察内部の人間関係や裏話、マスコミ新聞との裏事情、複雑な縦割り警察組織に知恵と勇気と信念でぶつかる竜崎に妻の緊急入院が重なり、 後半明らかになる真実・・・一気読みした面白い警察小説です。


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「六甲山に小さな別荘があるんだ。
下の街とは気温が八度も違うから涼しく過ごせるよ。
きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。
一彦という名前だ」

父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女に出会う。
夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死―

一九五二年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。


この作品は昭和27年の夏休みに父親の友人の別荘に招かれた主人公の14歳の少年が、そこで出会う一彦少年と香という少女と夏休みを過ごす3人の交流を描いた青春小説である。
また、その夏休みの出来事を描く章をはさんで、主人公と一彦の父親の青年時代や香の叔母の日登美の過去を描いた話が挿入される。

本に書いてあるあらすじだけを読むと、青春小説がメインでミステリ色は薄く感じるが、実際は読者の先入観を利用した叙述トリックが仕掛けてあり、最後の数ページで現在(昭和27年)の物語と過去の物語が結びつき、意外な真相が明らかになる。

読了した後で、改めて読み直すと作者がうまく読者を誤導するように書かれていて良く考えられた構成になっている。

普通に読んでいるとおそらく最後にだまされると思うので、これから読む人はよく注意して読んで、本格ミステリの面白さを堪能してもらいたい。


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2009 01/23 19:11:50 | none | Comment(0)
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“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。
戸惑う二人。
やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。

失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。

ふとしたことから借金をつくり闇金融と係わりをもつ詐欺師、タケ。
そのアパートへ転がり込んでくるカギやのテツさん。
ミステリーと思いきやハードボイルドでサスペンスな勢いで物語は走り出します。

カラス>玄人、親指>お父さん。
おもわせぶりなタイトル「カラスの親指」の意図するところは会話のなかで何度か語られますが、読者は納得した気分でそのじつ まんまと何度も騙されます。

仕掛けが大きいので、映画を観ているように場面が二転三転し、深く考える間もなくどんどん物語に取り込まれ.....

いつのまにか作者の術にハマっていた自分を 妙なすがすがしさと透明感のあるラストのなかに見つけます。

読後の良い秀作のミステリーです。


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カラスの親指




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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb





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2009 01/23 19:10:52 | none | Comment(0)
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子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。
一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは―。

何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。


上下2巻で1000ページを超える作品だが、ページをめくる手を止めることが出来ない面白さだった。
長編にありがちな中だるみもほとんどなく、この奇妙でダークな新世界を巡る少年少女たちの冒険に引きずり込まれていった。

物質文明が滅んだ千年後の世界。人類はほんの僅か生き残り、小さな集落が広い日本列島に数箇所あるだけとなってしまった。
人類は「呪力」という超能力を得て、平和で貨幣経済もないユートピアにも似た共同体を作っていた。

しかし、新世界は管理教育、情報操作、洗脳、そして歴史の隠蔽、改ざんといった闇の部分ももっていた。
世界を維持するには、真実は隠されなければならなかった。
図書の分類と検閲。
新世界に生きる人々、特に子供達は徹底した管理のもとに置かれていた。

世界の秘密の全貌はしかし、なかなか明らかにはならなかったが、戦慄を覚えるほどの謎の輪郭がじわじわと読者に迫ってくる。
なにか腐臭を放つものがどこかに隠されているような、そんな感じを受けながら貴志祐介の描く「新世界」の謎に魅せられて物語の中にどんどん入り込んでしまった。

醜い奴隷として使役されるバケネズミ。
自爆して敵を倒す風船犬。
自走式図書館のミノシロモドキ。
そして、呪力を暴走させる悪鬼と業魔。

なんという世界だろう。

貴志祐介の脳髄から産み落とされたこの新世界は、悪と秘密と汚濁、そして謎に満ちている。


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2009 01/23 19:09:39 | none | Comment(0)
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我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。

選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。


第一章ののっけから引き込まれた。自分の愛娘が亡くなった事件を淡々とクラスの生徒に語る女教師。
文体も新しい感じ。新しいと言っても、「今風な薄っぺらな感じ」では全く無い。

そして、第一章の驚愕のラスト。背筋が凍るとはまさにこのこと。
小説を読む時、たいがいは主人公をはじめ、登場人物に感情移入しながら読むのだが、
第一章で女教師に感情移入しつつ、ラストの恐ろしさに、感情移入の上限(?)を超えてしまった。


そして、第二章以降、それぞれの登場人物の語り口で描かれるさまざまな真実と心情。
でも、もう読者はどの人物にも感情移入できないのではないか。

どの章にも漂う、不条理と悪意。
でも、ページをめくる手は決して止められないほど引き込まれる。
そして、ラストにはまた残酷なエンディング。
なんて悪い読後感。虚無感が心に広がる。
でも、面白かったとしか言えない。

こんなに引き込まれた小説は久しぶりだ。
そして、これがデビュー作とは、さらに驚きだ。


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2009 01/23 15:13:01 | none | Comment(0)
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2008年度本屋大賞受賞作。

仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。
昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。
訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。
と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。

精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界・・・・・・。

伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。


杜の都・仙台を舞台に、仕組まれた首相暗殺事件の犯人に仕立てられた男が、必死の逃亡者として逃げ切り、生き抜こうとするストーリー。

謀略者や警察、マスコミによって作り出された男のにせの姿が、男をよく知る親友たちと主人公が関わっていくなかで、真実の姿へと変わっていく。
最初のうちは、虚像として映っていた絵をばらばらにして、あるべき場所にパズルのピースをはめこんでいくと、最初の像とは全く違う青柳雅春の実像が浮かび上がってくる、そんな感じ。
ぱたり、ぱたりと、主人公・青柳雅春の虚像が引っくり返されていく展開が小気味よく、絶妙でしたね。

暗殺事件の真相は、事件当時のものとは違っていたことを明らかにした上で(事件から20年後の話を描いた後に)、黒い霧の中に葬られた事件を、カットバックを巧く使いながら描き出していく話の展開、伏線の生かし方も見事だったな。
殊に、青柳雅春の必死の逃避行を描いていく中に、彼と親友、恋人との思い出の光景が差し挟まれるところがよかった。

容赦のない、冷酷無惨な謀略事件と比べると一層、彼らの脳裏に浮かぶ思い出の風景が、あたたかく輝いているように見えました。

久しぶりに読んだ伊坂ミステリー。
これは面白かった!

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2009 01/23 08:33:40 | none | Comment(0)
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天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。
彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。
だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。


数学的思考力によって「サキヨミ」ができる能力があると知っていると、 天才数学者・石神の思考過程や行動が非常にリアリティーをもって 感じることができました!

数学って、こんなにもスリリングでサスペンスな実用的な思考の訓練を 学べる、超実用的なものだったのですね!

私の人生は、これまで損をしていたように感じました。

理系のかたが書く本って、実にわかりやすくていいですね。
ワクワクしながら読めました。

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容疑者Xの献身 (文春文庫)





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2009 01/23 08:32:37 | none | Comment(0)
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どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。
それが生きることだ。

財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。
そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。


この、もの悲しい読後感は、何なんだろうかと思う。
正直で全うな生き方をする人間が不幸に見舞われることか、権力・地位・財力を得てもなお無力感を感ずることか。

どうやら、ここで描かれている登場人物は、正直で素朴な主人公も、権力や財力を得ているその義父も、また犯罪を犯した人々も、皆、満たされぬ思いを持っているからかもしれぬ。
その満たされる思いを、解消するすべをもっているか否かで、犯罪者になるか否かが決まる。

犯罪者、異常者と、ここで描かれている良い人々との、実は差異があまりないことに、もの悲しさを感ずるような気がする


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名もなき毒





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2009 01/23 08:31:38 | none | Comment(0)
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瀟洒なホテルの中庭。
こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。
周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。
自殺?
それとも他殺?

芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。


もはやミステリを越えた独自のジャンルを築きつつある彼女だが、本作ではそのありあまる実力を見せ付けた。
本当にスゴイの一言。

「劇中劇」が本作の最大の仕掛けであり、もっとも意味を持つものというのは、少し読み進めばすぐに判る。
劇中劇それ自身は古くから多くの作家に用いられてきた手法の一つで、読者を混乱に招きつつも、作品自体に深みを持たせる重要な要素であった。
恩田陸は本作で劇中劇をひとつのジャンルとして昇華したといっても過言ではない。

さて、この「中庭の出来事」はその「中庭」で起こった事件を、幾重にも折り重なる劇中劇で展開していく。
テーマは「芝居」であり、多くは役者(女優)にスポットが当てられる。
章としては29あるが、全部で4つのパートに分けられ、それぞれが連動しながら展開していく。
ちょっと進んで困難だったら展開図とも言えるメモを作成しながら読むべき。

何が芝居?

どこまでが芝居?

だれが演じている?

何が真実?

だれが真実?

何が起こった?

何が起こっている?

何が起こるのか…?

恩田ワールド全開のすさまじい作品だが、どっぷり浸かれる素晴らしい作品。
少し進んで「?」となったら、また戻って。ゆっくり読み進めましょう。

「自分を演じてない人間はこの世にはいないと思う。
自分に与えられた役割を意識して、家の中でも、会社でも社会でも、望まれた姿を演じている」 作中335ページより


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中庭の出来事




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2009 01/23 08:29:14 | none | Comment(0)
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塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。
一年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか?
誰も予想できない結末が待っている!!

恩田陸が紡ぐ、静かで驚きに満ちた世界。

ある町で男が殺された。彼は町の人間ではなく、さらに一年前に失踪していた。
なぜ?どうして…

恩田さんらしい設定で楽しめました。
こういう話はほかの人が書くとただのホラーになってしまうかもしれませんが、恩田さんの筆力のなせる業なのでしょう

最後の章は作中のある場面を踏まえて読むと別の真相があるのかと思ってしまいます。
ただ真相は1つではなく自分で納得する真相がそれぞれ無数にあるような気がしました。

突然失踪した男、その死体、閉じられた田舎の町、謎の塔。
これぞミステリーといわんばかりのキーワード、作者らしいです。


きのうの世界




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2009 01/23 08:27:44 | none | Comment(0)
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【「新潮」掲載+書下ろし 1000枚。二十一世紀の黙示録、ここに完成!!】

愛、暴力、そしてミステリ。舞城史上、最大のスケールで描く最高傑作。

迷子捜し専門の米国人探偵・ディスコ・ウェンズデイ。
あなたが日本を訪れたとき、〈神々の黄昏〉を告げる交響楽が鳴り響いた――。

魂を奪われてしまった娘たち。
この世を地獄につくりかえる漆黒の男。時間を彷徨う人びと。
無限の謎を孕む館・パインハウス。
名探偵たちの終わり無き饗宴。

★⇒ディスコ探偵水曜日〈上〉



次々に現れる困難や疑問に懊悩するディスコの姿は、ミステリーや純文の狭間で懊悩している舞城自身に思えた。
所々に自作のタイトルをちりばめる手法に(物語の中ではそれらタイトルが結構重要な機能を果たしている)、今作によって作家として一つの区切りのようなものを示したかったのかな、とも感じた。

または、キャリアの総括、みたいな。読了してから色々考えてるけど、それは作品の内容にではなくて、あくまでも舞城王太郎という作家のスタンスに対して。読書をしてこんな気持になるのは初めて。

今までの舞城作品を期待するとちょっと「?」かも。舞城初体験者は絶対「×」だよ。

でも、確か去年の6月頃に一度今作の発売案内出てたよな〜(無料と思いきや有料の冊子、『波』の巻末にちーっこくだけど)。
それをキャンセルしてまで書き下ろし加えるその姿勢が必死で本気で、良い感じ。下巻はまるまる書き下ろしだし。

下巻の章題は「方舟」。
連載当時、舞城自身書き進める中で収拾がつかなくなってしまったんじゃないかな。ほんとスケールでかすぎだから。
紙と文字で表すの不可能なくらいスケールでかい(実際やたら図説多い)。
それを救おうとして、リスク背負ってでも書き下ろさなきゃいられなかったんだろう。

妄想に過ぎませんが。あ、この話って大雑把に言って「救済」の話だよな……物語を作家が体現している!? 

妄想に過ぎないけどそう考えるとやっぱ凄い作家で、その労力と腕力に星5つです。次作に心底期待大。

★⇒ディスコ探偵水曜日〈上〉




ディスコ探偵水曜日(上)



2009 01/22 20:37:32 | none | Comment(0)
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