やはり日本人が来るといつになく変化が激しい。やることもある。今日はシステム開発前の会議で、日本人が中国人エンジニア達にお客さんからの要望を指示している。日本人は中国語が話せない、中国人も参加者の半分以上が日本語を話せない。一体全体、誰が何をどれだけ理解しているのか・・私には謎の会議だった。システム関係のことなので画面や資料を見ながらある程度は分かるのか。結局、日本人対日本語が少し話せる中国人のほぼ一対一の日本語の会話だった。その他の中国人はたまにゴソゴソ話し合ったりしている。エンジニアの部長が参加すれば日本語も分かるし話が早いのに、彼は昨日めでたく子供が生まれたらしく、妻(健康な)の世話があるとかで、会議もたけなわって時に帰ってしまった。やはり家族を第一に考えるのだ。 以後の開発は、多分追々日本語で話が出来た中国人が指示していくんだろう。日本の社内でやれば1時間位で済む程度の打ち合わせらしいが、5時間かかった。 一方、自分はどうしていたかというと、分からない所が多く目を泳がせていた・・全く人の批判なんて出来たモンじゃない。だが、いきなりんな所に連れて行かれても分かるわけがない。開き直るようだが、本当だ。通訳しろといわれても、日本語でも分からない。分かったとしても、私の出来る通訳なんてのは、日常最低限の会話位だ。が、しかしちょっと自己嫌悪に陥った。 目を泳がせながらもその会議は終わり、今度は新卒中国人の日系企業への採用面接を見せてもらった。レベルが高いとされている大学の学生達がやってきた。営業と技術といる。 営業志望者は日本語も英語もペラペラだ。おっとりしていて謙虚さもある。当然、即採用だった。漫画やゲームが大好きだという・・・喧嘩売っとんのかコラ!?・・私なんか漫画もゲームもしないが、語学もダメだぞぉ!この人の一日だけ100時間位あるのではないかと言うほどの秀才だった。彼は以後、中国国内で勤務するらしい。 次は技術志望者の面接だ。彼らは日本語が全く分からない。有名な大学の学生だが、その場の状況だけでは彼らがどれだけ努力していたかも分からない。友達3人組で来て、そのまま即採用、3人共簡単に日本行きが決まった。給料面で言うと、前者の営業志望(中国勤務)の学生の方が安い。後者の1/3程度だ。又、3人組はビザが取れるまで、大連の当社で働く。その間日本の企業から、現地待遇で給料が行くが、その額は大連市平均所得の4.5倍、当社の同大学新卒者の給料の3倍くらい。課長、部長クラスより高い。大連市内では貧富の差が激しいから仕方ないが、能力給のはずの社内で明らかに不公平が生じている。同僚平社員が知ったら、明らかに辞める人が出てくるだろう。 給料に関しては、後で事務員達が「冗談でしょ?!」と騒いでいた。 冗談ではない、普段日本でバリバリ営業している日本人はそこまでは分からない。当たり前だ。ただ、この位だろう、と出した数字に他ならない。いずれにしろ私が口出しする幕ではなかろう。中国人にも日本人に対しても何も言い様がなかった。 たまたま日本の企業に応募しただけで、この先の長い長い人生にここまで変化がでてしまう。3人組は嬉しそうな不安そうな顔をしていた。中国では日本と違って、新卒ほど就職が難しい。経験がないからだ。1〜2年ですぐ会社を辞める習慣だから、どこの会社も新卒を育てるのが無駄になる。その新卒3人組が数分で日本行きが決まった。 客観的に見ているとなかなか面白かった。 長くなってしまった。。
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