大連帰国日記
時間が前後してしまうが、GWの前、4月の終わりに同じ営業部の人が一人、退職した。辞めさせられたのだ。
別に彼が汚職を犯したわけでも、態度が悪いわけでもない。ただ受注が取れないから。仕事ができないと見なされたから、だ。それを聞いたとき、恐ろしくて身の毛がよだつようだった。
会社が厳しいか、というとそういう訳でもない。
日本人の感覚からすると理解しがたい出来事だが、こっちではそれほど大きな事ではない。

パタパタペーペーの見解からすると、恐らく彼は、仕事が分からなかったのではないだろうか、と見ている。彼はソフトウェア営業の経験者ではあるが、扱かっているソフトウェアの種類が違う。

パタパタペーペーの見解からすると、中国の会社は日本みたいに、部下に手取り足取り仕事を教える習慣がない。その分あまり厳しく言われないが・・・一体中国人はどうやって仕事を覚えているのか、疑問で仕方ない。

だから、私以外の営業部の社員はコロコロ辞めている。彼らは仕事が分からないのが原因で辞めたり、辞めさせられたりしたんだろう、とパタパタペーペーは踏んでいる。私も仕事は分からないし、暇は多いが、辞めるわけには行かないのでずっといる訳だ。

いつまでこうして人を変えていくんだろう・・・会社は大きくなっているが営業部は問題だ。

人が多い。人はいくらでもいる。個人にとっても(大卒なら)、合わなければいくらでも仕事先はある、というのが現代の中国社会だ。
だからみんな伸び伸びと生きている。精神病やら鬱なんてのはほとんどない世界だ。が、その分責任感もいまいちだ。確かにそれで、責任感も身につけるのは無理な話だ。日本も中国もそれぞれ逆の方向で、しっかり反比例している。

中国の会社は個人主義だ、当たり前だ。それでいちいち人に思い入れていたら、身が持たない。
このメンバーでやっていこう、ではなく、合わなきゃいいや、という考えだ。辞める辞めさせる、というのも日本でいう、バイト学生に「もう仕事なくなってきたから、明日からいーや」というような感覚である。

日本は集団主義だ、当たり前だ。仕事にプロ意識があるからだ。すぐ仕事を辞めているようではプロにはなれない。だから社員同士、上司の悪口で盛り上がる。

日本と中国のどっちがいいとかはなんとも言いがたいが、中国社会全体がこの職業意識では、いきなり先進国になるのは難しいだろう、と思わざるを得ない。
日本もバイトばっか増やしてバイト感覚旺盛にしてしまってはヤバイ。

私が独り言を言っていても仕方ないが、今回のことでつくづくそう思った訳でした。

ちなみに、辞めさせられた彼もいい奴だった。辞める日は何も言わず、普段の日と同じように家に帰っていった。辞めるという話はすべて部長伝いで、本人の口からは一言も聞かないで終わった。
2005 05/06 13:17:48 | none | Comment(0)
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