大連帰国日記
私が足を踏み入れた業界に、「日本語教教育」という業界があります。
外国人に日本語を教える、一種の教師職です。

教師は教師でも、一般の先生とはちょっと違うこの「日本語教師」。
一般に「教師」というと、いわゆるガッコウの先生。ですがこの日本語教師さんは、教師の中でも異色だと私は思います。
学習者はほとんど大人。年齢や国籍は様々なのですから。

普通の学校の先生になる人(または目指す人)は、学生時代を有意義に過ごした、よい子上がりの人が多いのではないかと思います。
まず勉強が嫌いではできないから。学生時代にあまりにも勉強が出来なかった人には成れない。
そして学生時代を荒れた学校で揉まれて育った、ましてやイジメに合った人なんかは絶対かかわりたくないNo1に輝く職業でしょう。

ウチの中学校は市内でも一、二を争うほどの荒れバカ中で、不良グループの先輩方がしょっちゅう暴れている様な所だったので、とりあえず同級生で学校の先生になった(あるいは目指した)人は一人もいない。。
そういう中高の出身者は教師職なんて関わりたくもなくなるものです。


おっと、話を元に戻して、異色な日本語教師業界、、、
―――――それは、、文系のちょいインテリなオンナの世界。。。
だと思いました。
オンナの世界というものは日本中、、いや、世界中で、しかも各時代の至るところで存在するものです。
嫁姑から母娘から姉妹、少女達のグループ行動やらナースセンターの看護婦達やら女子社員やら受け付け嬢やらグループ秘書やらモデル事務所やらママさんバレーやらPTAやらご近所の奥さんやら大奥やら。。。
とまぁ挙げていったらキリがない。
ナースセンターなんか、理想と現実のギャップが激しいだけに、そのオンナ戦争も激しいとかなんとか。。。

日本語教師は、その99%が女性です。しかも比較的自由に生きている、自立願望の強い女性。それで文系、国際派、好奇心旺盛。んで文法表現、活字を扱うのは比較的強い方。
と、そんなオンナが織り成す世界、といった感じでしょう。

不特定多数の外国人を相手にする職なので、時間や生活に割と余裕のある人でないとできない。
夕方、自転車の前と後ろに小さな子供を乗せて走っているようなママさんはまず、いない場所です。

授業。
特に日本語の授業というのは、今まで私が出会った中で一番抽象的なもの、だと思います。
日本人が教える日本語教育業界とは、我々が学校で英語を習った時の授業とは違って、「日本語の分からない大人に日本語で教える」、という、ちょいムリのある手段が取られています。
どうするかっていうと、「こういう状況の時にこう言うんだよ!」というコント劇場を作り、新しい言い回し(文法表現)を掲げてひたすら真似させ、その人に定着させるのです。
正解はない。良い悪いは人によってそれはそれは様々だし、よくしようと思えば何が良いのか分からなくなります。(私の場合)
授業はそのコント劇場にかかっています。そのコント劇場のセンスが教師のセンスの良し悪しに繋がる、と言った感じです。

劇場の準備は大変です。なにせ道具係りも自分、役者も自分、脚本作成も自分なのですから。。準備時間は実際の授業時間のかる〜く3倍はかかります。
それで食べていければともかく、よっぽど一握りの人しか食べていけないのです。―というのが日本語教師さん。

そんな訳で、日本語教師養成講座なんてのは実にユニークな場所です。
卵さんたちの授業では、コントの披露会(実践とか実習というのですが)があって、いろんなコントが発表される。
なんか磁石や上質紙など、かなりお金がかかっている人や、コントの道具としてお菓子まで焼いて来る人。そのまま売れそうな見事な油絵を描いて持ってくる人。こうなるとまさに趣味の世界!

そして重要なのが、コントに批評をし合う所なのです。
サッパリしたいい性格の先生もいるのですが、中にはイジワルな先生もいて、純粋な批評と同時にチクチクと陰険な因縁をつけて来るわけです。
純粋な批評、アドバイスと思うか、イジワルな揚げ足や因縁か、その捕らえ方も人によって様々な訳なのですが、ここで私はいや〜なオンナの世界を感じるのです。
分かりゃぁいいべや?、という私の性格とは真っ向にして反対の観念なので、そんな先輩教師に当たっちまった日にゃぁ大変!


でもやりがいはある仕事。文系専門でやりがいのあるという、希少な仕事です。

ここでやっと、大学の時から通っていた日本語教師養成講座が終わったのですが、この仕事、よっぽど頑張らないと食べていけないのが決定的な弱点で、私にゃぁ専門にはできないなぁ・・・というのが本音っす。
とりあえず、資格だけとって持っておこうっと。。

2007 05/03 12:49:29 | none | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー

この記事へのコメント

この記事にコメントする

名前:
メールアドレス:
URL:
セキュリティコード  
※セキュリティコードとは不正アクセスを防ぐためのものです。
画像を読み取り、入力して下さい。

コメント:
タグ挿入

サイズ
タグ一覧
Smile挿入 Smile一覧