『シャコンヌ』一度は弾いてみたいとずっと思っていた曲です。
オリジナルはバッハの無伴奏ヴァイオリンの為の”パルティータ第2番”の終曲(全部で5楽章)ですが、シャコンヌだけで15分くらいかかる大曲なので、この曲だけ独立して演奏されることも多いようです。
ピアノの楽譜は、ブゾーニやブラームスなどがシャコンヌだけ単独にピアノ曲に編曲したものがあります。
ブラームスは左手の為の作品で、左手だけでの演奏なので、ブゾーニ版のような音の分厚さはなく、ほとんど原曲通りの編曲です。
ブラームス版よりもブゾーニ版の方が良く演奏されますが、ブゾーニ版はなんといってもかっこいいし、編曲もよくできているから誰だってブゾーニ版が弾きたくなるでしょうね。
日常の生活と共に感じる感情、喜びや悲しみ、あきらめ、苦しみ、希望・・・いろんな魂を感じて、何度でも聴きたくなる魅力がこの曲には潜んでいます。
どなたかがこう言ったそうです。「シャコンヌを聴かずに、墓場に行くのは実に惜しい。」と・・・。
シャコンヌとは、メキシコや南米の舞曲で、イタリアやドイツで器楽形式として発展しました。3拍子。
始めの8小節がテーマとなって、30数回の変奏を繰り返していきます。
変奏はバロックの変奏形式で、一定のバス進行を繰り返すという変奏形式です。
曲は3つにわかれていて、第一部分はニ短調で書かれ、第二部分がニ長調、第三部分は再びニ短調の3部形式。
和音、アルペジオ、オクターブ、走句などの高度の技巧を巧に変奏してしていき、それにリズム、運動性、音響の変化などを加えて、曲全体をまとめています。
20世紀ロシア最後の巨匠ピアニスト 1 タチアナ・ニコラーエワ(P)