2015年 11月 の記事 (4件)

最初に読んだのは漫画版の「魔王 JUVENILE REMIX」の方でした。伊坂幸太郎さん原作で漫画を大須賀めぐみさんが担当されているのが本作です。小説原作ということで、ベースとなっているのが原作者の「魔王」の物語を主人公の設定などを大幅に変更して
さらに「グラスホッパー」という作品も絡めたエンターテイメント性の高い作品になっています。週刊少年サンデーで07年〜09年の間
で連載されて、単行本は全10巻となっています。最初に読んだとき、久々のあたりの作品に心が踊ってしまったほどに興奮しました。
当時、私はたまたま青年漫画ばかり読んでいたのでそろそろ王道の少年漫画が読みたいと思い、たびたび本屋さんの新刊コーナーに
立ち寄る日々だったのですが、目に留まった表紙がこの作品でした。表紙も主人公の顔のアップに真ん中縦にタイトルが印刷されているもので、結構目立ったのとタイトルに惹かれて購入したのが最初でした。
内容は主人公の男子高校生・安藤と弟の潤也を中心に物語が展開されていきます。安藤は弟と二人暮らしのごく普通の高校生ですが、ある時、自分の思っている言葉を相手に言わせることのできる能力「腹話術」があることに気が付きます。その能力を使ってある男に戦いを挑んでいきます。それが犬養という青年です。犬養は世界を変えるために手段を選ばず自分の理想を実現してきます。人々は彼の放つ力強い言葉に圧倒され、そのカリスマ性に心酔していきます。ですが、安藤だけが疑問を持ち、間違っているのではないか、ということに気付いていきます。「腹話術」と知恵を武器に危機を乗り越えていきますが、犬養との最終局面で安藤は命を落とします・・・。
兄の死に疑問を持った弟の潤也が真相を探っていく中で犬養にたどり着き、敵討ちを計画します。数年の時をかけて下準備をした潤也は計画を実行しますが、最終的に安藤の望み通りになったかは読んでからの楽しみではないかと思います。
この作品、安藤がものすごく格好いいと思いました。悩んで答えが出なくて立ち止まってしまう時も、苦しくて痛くて泣き叫んでしまうことがあってもあきらめたり逃げたりしないんですよね、彼は。そんな彼をみて潤也は兄の力になりたいと思いつつ、兄のしていることを
黙って見守っているのも、いい弟だと思いました。二人の絆も作品の見どころだと思います。
最終的に「魔王」とはいったい誰の事だったのでしょうか。それはその時の状況で変わってくるのですが、それぞれの人物たちの中にそれぞれの「魔王」がいたと思います。安藤にとっては犬養がそうだったかもしれないし、犬養にとっては潤也がそうだったかもしれませ
ん。他の登場人物たちにも各自に戦わなければならない「魔王」がいたように感じます。それとどう対決してどういう答えを出したのかも考えさせられるものでした。そして忘れてはならないのが原作者さんの世界観を見事に絵で表現されている漫画家さんの画力の高さに感服
いたしました。迫力の戦闘シーンにページをめくる手が止まらない、止まらない。印象的なセリフにぴったりのシチュエーションで描かれていて、安藤の最後のシーンは何度も読み直しては号泣を繰り返していました。
「でたらめでも自分を信じて対決していけば世界は変わる」自分がちっぽけで何にもできないのではないかと自信が無くなった時、この作品を読み返してみれば安藤の姿に勇気づけられること間違いなしだと思います。
2015 11/29 16:00:18 | none | Comment(0)
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「世界観」「キャラクター」「台詞」「雰囲気」「ストーリー」が独特で面白いので、是非とも一度読んでみる事をお薦めします。
なお、何個かの物語で構成されているのですが、どの物語から読んでも楽しめる作品なので、途中から読んでもOKです。


自分の場合は、独特な雰囲気が気に入って、全巻購入したのですが、この「コブラ」には1つだけ問題があったりします。
それは「主人公が強すぎ」という点です。
はっきり言うと「コブラ」1人で強引にほとんどの問題が解決できちゃいます。
もはや伝説レベルです。
あまりの頼もしさに男らしさも感じます。
キャラクターとしても最強レベルです。
この漫画の結論は「コブラ最強」なのです。
しかし、ストーリーが、その分犠牲になってしまいます。


一応、コブラ1人という訳ではなく、相棒の女性型アンドロイドの「レディー」がフォローもしますが、
基本的に「コブラ最強」で、全てが解決します。

最強たる理由としては、左腕にサイコガンという精神依存の銃を持っているのですが、
これが、かなり強力です。
また、心身ともに、信じられない位タフです。

少しネタばれしますが、幾つかコブラ最強伝説を挙げます。


宇宙戦艦来襲

 サイコガンで撃沈し終了。

 サイコガンを単なる拳銃のようなものと勘違いしている方も多いですが、

 コブラが怒ると、精神依存のサイコガンもパワーアップし、

 宇宙戦艦ですら撃沈できます。



精神攻撃をしてくる敵

 サイコガンは精神依存とは言え、

 物質攻撃なので、サイコガンが効きません。

 かなりピンチの状況です。

 しかし大丈夫です。

 コブラは精神力も強いので、

 精神攻撃も耐えきってしまいます。 

 そこに理由を求めてはいけません。

 何故なら「コブラ最強」なんですから。



サイコガンが効かない装甲を持つ戦車

 言葉って便利です、

 宇宙戦艦ですら撃沈できるサイコガンに対して、

 サイコガンが効かない装甲を持つ戦車が登場します。

 もはや言ったもん勝ちレベルですが、

 言ってしまえばOKで、なかなかの強敵でした。

 なお、この時はサイコガン連射し、

 戦車の乗組員を焼き殺して、やはり勝ってしまいます。



そんな感じで、「逃亡」や「事前準備や作戦」はコブラには似合いません。
基本的に、かなりの強敵であっても、「機転」だけで勝てます。
やはり「コブラ最強」です。
しかし、ストーリーとしては、少し単調になっている気もします。

そんな最強コブラですが、4人の仲間が登場する物語も存在します。
「コブラ最強」だから仲間いらないじゃんと
思う方もいるかもしれませんが、何と物語最初からコブラが捕まって
金属製の拘束具で拘束されており、仲間4人が助けに行くというストーリーでした。

しかし、コブラを助ける道のりは険しく、ゴール直前で仲間4人は絶体絶命のピンチになります。
だが「コブラ最強」を忘れてはいけません、何とコブラは自慢の怪力で金属製の拘束具を破壊し、無事脱出してしまいます。

コブラ最強伝説が、他のキャラクターの最強伝説と違うのは、単純に戦闘力としての強さだけでなく、
「ストーリーごとへし折る」という荒技も行っている所なのかもしれません。



最後に、「コブラ最強」が問題とは言いましたが、これを堪能するのが、この漫画の醍醐味かもしれません。
野暮な指摘はさておき、一度読んでみる事を再度お薦めいたします。
2015 11/25 19:43:16 | none | Comment(0)
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ご存じ不老不死(若返りが使える)の最強エスパー超人ロックが主人公の長寿漫画です。

40周年以上続いており、日本一みたいです。

自分は大学生当時、大きいサイズの漫画を全巻を持っていました。

(もしかしたら、違うシリーズも存在し、話の全ては網羅できている訳ではないかもしれません。)

ちなみに、「超人ロックが掲載されると、その雑誌は休刊になる」という都市伝説がありますが、その理由は、人気のなくなってきた雑誌に、よくテコ入れの意味で掲載されていたという背景があり、作品が悪いわけではないと思っています。



なお、この漫画を読んでて思うのが、「超人ロック」が強すぎる事です。

それだけ強いんなら、もっと積極的に活躍してくれれば、
もっと被害が小さくて済むのにと、自分の場合は、キャラクター「超人ロック」の活躍に対して、少しガッカリな感じでした。

まぁ、大活躍する話もあるのですが、「超人ロック」は、あまり歴史に介入したくないのか、裏でコソコソするような場合が多いです。
非常に主人公っぽくない所がポイントです。
物語「魔女の世紀」に至っては、「超人ロック」は、端役というか、登場はしますが、物語に全く絡んでいません。

農作業してるシーンが出るだけです。
ただ、この「魔女の世紀」のストーリーが非常に面白かったので、ますます漫画における「超人ロック」の存在の必要性が薄く感じました。

「最強超人ロック」が現れて解決というストーリーではなく、「超人ロック」不在の方が、ストーリーが面白くなっているように感じます。

主人公でありながら、最強すぎてしまい、話の中に登場しにくくなっているという

不思議な主人公とも言えます。

そんな訳で、主人公の割に、登場回数も異常に少ないです。

それでは「超人ロック」がどれだけ強いかと言うと、
若返り能力(不老不死)
相手の心を読む
雷攻撃(別途調査でサイコスピア(光の剣)という名前があるらしい)
確か第3形態まであった(主人公なのに、ラスボスっぽい)
テレポート
変装(化ける)

などがあり、一度「超人ロック」を倒そうという話では、
軍隊が総攻撃をかけて足止めして、一斉にジャマ―(超能力を封じる装置)を使い、それでも倒しきれなかったという話もありました。

別途調査では、第2形態の「超人ロック」ならば惑星を破壊できるともあり、規格外の攻撃力も持っているようです。

また、そもそも

ラーニング

という、相手の超能力を見ただけで使えるようになるという能力もあるようです。

さらに、後半の話では、

ジャマ―耐性

まで身に付けたようです。

さらに治癒技などの便利な技もあったような気がします。
もはやラスボスのような能力です。
(クリア後に出てくる裏ボスと言っても過言ではないかもしれません。)

長年生き続け、ラーニングという能力もあり、とんでもない能力になってしまった感じがあります。
また、あまり登場しないというのが、さらに黒幕(ラスボス)のイメージを増長させています。

ちなみに、自分の読んだシリーズでは分からなかったのですが、別途調査にて、第2形態はバーサーカー(狂人)モードなので、敵味方なく攻撃してしまうらしく、自分が問題を起こさないように、なるべく歴史に介入しないという見解もあるみたいです。
2015 11/23 19:43:15 | none | Comment(0)
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子供や女性向けの作品ではないかもしれませんが、モンキーパンチの原作漫画「ルパン3世」「新ルパン3世」が

個人的には漫画No1です。

「トリック」「ストーリー」が秀逸であり、他の追随を許さない金字塔だと思っています。



そして、非常に残念ながら、モンキーパンチ以外の方が描いた漫画「ルパン3世」は、「世界観」「カッコ良さ」ばかりが誇張されていて、
肝心な「トリック」の部分のキレがいまいちな物が多いです。
だいたい「二流」、せいぜい「一流」どまりです。

「一流」でも満足する方も多く、そして、通常なら全く問題ないのですが、原作が「超一流」のレベルに達しているので、

スペックダウン版リニューアルになってしまっているのが問題です。
しかも、最近の映画版やTVスペシャル版は、このスペックダウン版リニューアルが元になっているので、ちょっとパワーダウンを感じざるを得ません。



では、原作漫画の「トリック」は、何故「超一流」と言えるほど洗練されたのかと言うと、

「銭形刑事」の存在が大きいと思います。

原作漫画における「銭形刑事」は、はっきり言って強いです。

頭もキレているので、単純な「トリック」では騙されません。

このため、ルパン側も2重3重5重と「トリック」を仕掛ける訳です。

この騙し合いが、非常に面白かったです。

そもそも「ルパン3世」という作品は、「世界観」「キャラクター」「カッコ良さ」で勝負している訳ではなく、「トリック」1本で勝負している作品だと思っています。
この原点を忘れては、「ルパン3世」は楽しめないと思います。



ちなみに、原作漫画でも、ルパン側は、ルパン3世、次元大介、石川五ェ門、峰不二子の4人は登場します。
ただし、ルパン3世以外の設定は、キャラクターが定まっていない頃なので、コロコロ変わっている気もします。

峰不二子にいたっては、顔は同じだけど、設定、職業、名前(富士子とかそんな感じ)と、

ルパン以上に正体不明です。
現在のキャラクター設定と比べると、かなりビックリすると思いますが、

誰が何と言おうとも、モンキーパンチ版が原作漫画ですので、
これはビックリしながらも受け入れてください。
意外な発見が多くて、楽しめると思います。

そして、前置きが長くなり、大変申し訳ありませんが、ルパン側4人に対して、銭形刑事1人って不利だと思いますよね?

ところがどっこい原作漫画では、銭形刑事の相棒も何人か登場します。

そして、意外と知られていなくて残念なのが、「刑事メロン(でかめろん)」です。

かなりの長期間登場していたし、実力もかなり高く、頑張ったのですが、実力的に銭形刑事に及ばなかったのと、あまり実績を残せなかった事もあり、アニメ化などで大幅に削除されてしまい、世間の記憶から忘れ去られてしまったのかもしれません。

しかし、銭形刑事側が1人ではなくなる事で、「トリック」がより複雑化し、より面白くなっていたのは、言うまでもありません。



最近テレビアニメとして「ルパン3世」が復活するという噂を聞きましたが、個人的には「トリック」部分が凄く心配です。

なお、モンキーパンチの「ルパン3世」「新ルパン3世」は、
古い作品だからという理由だけで、古本屋などで格安で購入できますので、もし古本屋で見かけたら、迷わず購入する事をお薦めいたします。
2015 11/23 19:40:29 | none
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