大連帰国日記
社内に専属の掃除婦がいた(過去形)。
日本の会社では、社員が交代で掃除すると聞くが、この会社は掃除婦を雇っている。
いい人だ。何かと私のことも気にしてくれて、いろいろ話し掛けてくれた。私は彼女のことは、あまり聞くのも悪い気がしたし知らなかったが、かなり貧しいご家庭だそうだ。

大連市内は、人口250万人と言われているが、貧富の差がかなり激しい。(中国はみんなそうだが)それも貧しい人ほど多い、ピラミッド型だ。会社の社員は上の下くらいの人たちだが、彼女の家庭はそのピラミッドの底の部分らしい。
いやはや全然知らなかった。。。日本の、全て中流階級、という感覚が抜けていなかった為、掃除婦もそこそこのご夫人のパートかと思った、だいぶ状況が違ったらしい。。

そのおばさんが、辞めさせられたらしい・・・。なんちゅー話だ!
彼女の一ヶ月の給料は日本円にして7000円位。育ち盛りの子供も養うには少なすぎる。夫がどうだとか、細かいことは全く分からないが・・・

理由を聞いても答えてくれないので確認しようがないが、複雑な気持ちにならざるを得ない。

結局今、掃除は会社のビルの清掃職員がやっている。
オバチャンは、今ごろ新しい仕事先は見つかったんだろうか、、、掃除婦の需要なんてそんな多くないはずだ。 うまく見つかっていればいいけど・・・

そういえば、近くの定食屋の店員も、田舎出身だが貧しくて中国の内陸から、家族そう出で大連に来たと言っていた。
今18才で、学校に行ったことはないという。だから読み書きも出来ない。私を日本人だと知って、すごく羨ましがっていた。
「日本ってすごいとこなんでしょ〜?! 行きたいなあ〜!」と言って、初対面なのに自分の給料まで教えてきた。大家族の長女で、月8000円だという。
どう返答したかはよく覚えていない・・・頭が真っ白になっていたのかもしれない。多分、「そうなんだぁ」、と普通を装って聞いていたと思う。 心は大変豊かな子だった。

人はそれぞれある程度、「運命」を背負って生まれている、と素直に感じた瞬間だった。国籍、世代、性別、家庭環境、体質、容姿なんかもそうだろう。。

日本の一般家庭に生まれた私は、「貧しい」なんて経験したことがない。。 社会全体の性格を見ればどっちがいいとも言えないが、いろいろ考えさせられる。
2005 05/10 13:32:30 | none | Comment(0)
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