安部首相、北の湖理事長、高砂親方、原監督、ヒルマン監督そして朝青龍も横綱ということでこれまで述べて来たように、人の上に立つ立場である。
まあそれぞれ大変であろうが。
そこで歴史上の人物で二人のリーダーとそのエピソードを、思い出した。
平将門と源頼朝である。
共に関東で武士団のリーダーとして立ち上がった。
ただ将門は挫折、頼朝は成功して、わが国初の幕府の将軍となった。
そしてそのエピソードとは、以下のとおりである。
平将門の所に藤原秀郷が味方となるべく、はせ参じた。
この藤原秀郷という人物はあの「大ムカデ退治」の伝説があり、このことの真為はともかくとして、智勇仁揃った、人物だったということらしい。
そしてこの将門はこの秀郷がやってきたことを聞いて、髪結いの最中であったが、大喜びで彼を迎えた。
ところがこの行動を見て、却って秀郷はひいてしまったというのである。
「この平将門という方はあまり大きな人物ではないかもしれない・・・」と感じたのだ。
最終的には藤原秀郷は将門の敵にまわる。
そして源頼朝。
石橋山の合戦に敗れて、再起を帰す頼朝の前に、当時関東では最大といってもいい勢力を持っていた平広常がやはりやってきた。
平広常は一万以上の兵を率いていたが、頼朝はまだ千人ほど。
ところだ頼朝はそれに臆せず
「おそいっ!なぜもっと早く来なかったのだ」と叱りつけたというのである。
この広常はもちろん、側近はじめみんなびっくりしたであろう。
もしこじれたら、あっという間に頼朝は討たれてしまうに違いなかった。
ところが逆に広常は頭を下げ、味方をすることを決めたのであった。
そしてこの平広常の参入は大きかった。
ターニングポイントと言ってもいいかもしれない。
この辺りの「自然に頭が下がった」という説明はやや苦しい。
ただやはり「この人物に賭けてみる価値がある」というような大きな物を感じたのは事実であろう。
このエピソードはけっこううなずけるものがある。
リーダーとか人の上に立つというものはけっこう難しいことかもしれない。