通説にとらわれない新しい歴史解釈
 ガダルカナルの攻防戦でも、相打ち覚悟の積極的戦法を採用すれば日本側の勝機は十分にあった。第一次ソロモン海戦で三川第八艦隊は米豪の巡洋艦と駆逐艦に大打撃を与えたが、深追いすることなく、輸送船団に一指も触れることなく引き返してしまった。巡洋艦鳥海の早川艦長は三川長官と参謀たちに「敵軍をそのままにしておくと、わが軍の爾後の作戦が極めて難しくなってきます。敵は航空基地を完成し、輸送船団は陸揚げを完了するでしょう。敵は現在、戦闘精神を完全に奪われている。船団に向けて引き返しましょう」と進言したが、夜明けとともに米軍の空母と戦艦から攻撃を受ける恐れがあることを理由に戦場から離脱してしまった。早川大佐は「ツラギ海峡夜戦に於いて敵艦隊を撃沈したる際、なお残弾は六割以上を有し、被害もまた軽微なりき。よろしく勇気を揮い越し、再び泊地に侵入、輸送船を全滅すべきものなりと確信す。同輸送船には、ガダルカナル基地を強化すべき人員資材を搭載せるは明らかなり。またこれを全滅せる場合、敵国側におよぼすべき心理影響の大なるべきは、察するに余りあるところなり」と記した。(遠い島ガダルカナル 半藤一利著 PHP文庫)

 こうしてガダルカナル島を奪還する好機をみすみす逃してしまった。山本は自分が常に後方に引っ込んでいる手前、部下に対しても強いことが言えなかったのだろう。山本五十六はギャンブルや逆立ち、皿回しがプロなみだったそうだが、そっちの方に進んだほうが 、日本のためにも本人のためにも良かった。職業の選択を誤ったとしか思えない。
2009 11/20 22:59:27 | none | Comment(0)
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