通説にとらわれない新しい歴史解釈
「嘘も百回繰り返せば真実になる」とはナチス・ドイツの宣伝相ゲッペルスの言ったことであるが、この大衆を欺くトリックは今日でも多用されており、その魔力がまったく色あせていないことは東日本大震災で決定的に崩壊した日本の原発の安全神話によって思い知らされることになった。

国の最高法規である日本国憲法についても驚くばかりの嘘、誤解が戦後六十年の間に蔓延し、未だに多くの国民が洗脳されている。九条は自衛戦争までも否定しているーなどはその代表的なものであろう。
九条はGHQ民生局次長のケーディス大佐と芦田均の合作であるが、芦田自身が第二項の冒頭に「前項の目的を達するため」を挿入する、いわゆる「芦田修正」によって将来的に自衛のための軍隊なら持つことができる余地を残したと明言しているにもかかわらず、当時の憲法作成に関与もしていなかった人間がー憲法学者であろうと、高名な評論家であろうと「そうじゃない」というのは理屈に合わないまったくおかしなことである。
確かに吉田茂首相が「太平洋戦争も自衛の名分の下に行われたものであり、第二項で戦力の不保持も規定されているので、事実上自衛のための戦争も禁止されている」旨の答弁を国会でしたことがあるが、これもその後、自衛戦争容認論に修正されている。そもそも首相が憲法条文の解釈を決定できるわけではない。

嘘に尾ひれがついて、GHQ側が外務省公邸で日本側の代表団に憲法草案を手渡した時に米軍の爆撃機が上空を旋回して威嚇していたなどという馬鹿馬鹿しい捏造話まで出てくる。
実際は爆撃機が上空を通過しただけであって、日本側で威嚇と感じたものは誰もいなかった。
ホイットニーは日本側代表団に次のように述べた。「最高司令官は、天皇を戦犯として取り調べるべきだという他国からの圧力、この圧力は次第に強くなりつつありますが、このような圧力から天皇を守ろうという決意を固く保持しています。

 これまで最高司令官は、天皇を護ってまいりました。それは彼が、そうすることが正義に合すると考えていたからであり、今後も力の及ぶ限りそうするでありましょう。しかしみなさん、最高司令官といえども、万能ではありません。けれども最高司令官は、この新しい憲法の諸規定が受け容れられるならば、実際問題としては、天皇は安泰になると考えています。さらに最高司令官は、これを受け容れることによって、日本が連合国の管理から自由になる日がずっと早くなるだろうと考え、また日本国民のために連合国が要求している基本的自由が、日本国民に与えられることになると考えております・・・マッカーサー将軍は、これが、数多くの人によって反動的と考えられている保守派が権力に留まる最後の機会であると考えています。そしてそれは、あなた方が左に急旋回〔してこの案を受諾〕することによってのみ、なされうると考えています。そしてもしあなた方がこの憲法草案を受け容れるならば、最高司令官があなた方の立場を支持することを期待されてよいと考えております。この憲法草案が受け容れられることがあなた方が〔権力の座に〕生き残る期待をかけうるただ一つの道であるということ、さらに最高司令官が日本国民はこの憲法を選ぶかこの憲法の諸原則を包含していない他の形の憲法を選ぶかの自由を持つべきだと確信されていることについては、いくら強調しても強調しすぎることはありません。」

(参照文献 占領史録 第三巻 憲法制定経過 講談社)
2011 04/15 19:58:13 | none | Comment(0)
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