アメリカを旅行した時のことです。
ニューヨークで滞在していたホテルの前の通り、アメリカンアベニューで朝市がひらかれました。
ホテルの斜め前のショップが派手に「GOING OUT OF BUSINESS」と閉店セールの宣伝をしていました。
入口に置いてある、ハンガリー製ハンドクラフトのなかなか良いガラスのコップが50%オフです。丁度欲しいと思っていたコップに似ているので、購入することに決めました。
魅力的な品が多いので中に入ってみるとヨーロッパ製の高級食器や花瓶が沢山ありました。これは間違いなく閉店セールでありチャンスと、ガラスのコップと更にフランス製の花瓶を手に入れる事にしました。
趣味の良い物が格安なのでもう少し物色しようと、更に店中を見たのですが、それがいけなかった様です。旅行中大変な思いをすることになりました。
大きなティーポット、6客のカップ&ソーサー、ミルクポット、シュガーポットでセットになった、派手な食器が棚の上段に飾ってあり、気になって仕方ありません。
クラシックな雰囲気で、王朝風といいますか、白地に赤紫と金の柄が目立つとても派手なのですが、ポーランド製の魅力のある一式です。
私の視線をキャッチしたオーナーが、棚からカップを取ってしきりに薦め、花瓶とセットで更にコストダウンをすると言います。
今回の旅行、まだ予定の2/5しか行っておりません。旅男さんが配送は信用できないので自分で持ち運ぶと言います。実際、お店は閉じてしまう様でトラブルが起きた時に交渉ができません。
どうしたものかと悩んだ末、食器の魅力と、オーナーの熱意と、値段の満足度で購入としました。
でも後が大変です。持ちきれなく目の前のホテルへも運べません。
潰れかけたダンボールに詰め込んで、紐をかけてもらい部屋まで運びました。
買い物の量の多さに、これから先どのように運べばよいのか、この買い物は失敗であったかと悔やみました。
再度アメリカンアベニューへ出かけ、キャリーバッグを買い、部屋で食器を一つひとつ丁寧に包みなおして、詰め込みました。やっと収まったという感じでした。
以後旅行中、私の大型スーツケースの上にキャリーバッグをセットにして持ち運び、無事に自宅まで持ち帰りましたが、割らないようにと気配りが大変でした。
このカップでコーヒーを時々戴くのですが、その都度このショップが鮮やかに蘇り、あの時私は冷静な判断をしたと思っていたのですが、頭はかなり混乱していたようです。
一番に目を着けたガラスのコップを買い忘れていました。