昨日図書館に行き過去の新聞に目を通していたら、朝日新聞12月7日の社説に下記の様な記事がありました。帰ってきてインターネットで探したら朝日新聞HPに掲載されていたのでご紹介したいと思います。
朝日新聞社説では、民主党は選挙公約の中で消費税は4年間は上げないといってきたが、国債をこれ以上増やして経済危機や社会福祉を今以上に良くしようというためには、恒常的な新たな税源が必要なのは明らかで、それには消費税引き上げをためらうなと言う論調です。
朝日新聞12月7日社説抜粋・・・・■消費税論議を逃げるな 事業仕分けにはもう一つ「成果」があった。この画期的な手法で予算を削っても、財源の捻出(ねんしゅつ)は民主党が期待したほどではなく、歳出改革に頼るだけでは限界があることがわかった。 これは、消費税増税などによる税制抜本改革を抜きに財政の構造改革と再建はできないことを物語る。その事実を国民にはっきり示すことができたのも大きな意義だった。 鳩山首相は「政権の4年間は消費税を上げない」と封印した。だが国債発行が膨れあがった理由は、経済危機への対応やその影響によるものだけでない。超高齢化のなかで雇用と福祉にまたがる生活保障のほころびを直し、子どもを育てやすい社会に変える改革に踏み出すには、恒常的に新たな税源が必要なことは明らかだ。 日本の財政は、このままでは機能を失う。民主党が掲げてきた「生活第一」の政策は、看板倒れとなる。 世界経済危機の傷はなお深く、日本の需要不足は35兆円にのぼる。だが、ここでたじろぎ、額を積み上げるだけの財政出動に頼るのでは、自民党政権の失敗を繰り返すだけだ。需要を継ぎ足したり、先食いしたりする対策は、いずれ息切れする。 大事なのは、民間の消費と投資を引き出し、経済が自律的回復の道を歩めるよう支援することである。
■中長期の成長戦略を 年金や医療、介護について国民が安心して老後を迎えられる社会システムづくりも力になる。高齢者らの貯蓄が消費に回り、内需喚起が期待できる。こうした政策は、経済の担い手を介護の重圧から解放したり、ビジネスと雇用の機会を広げたりするという観点からも思い切って挑むべきだ。 社会保障や環境、農業などの分野で市場や雇用を広げる余地はまだまだある。海外に打って出られるような産業に育てる政策も十分可能だ。 そのためにも、停滞ぎみの規制改革を進める必要がある。農家への戸別所得補償制度や、東アジア地域および米国との自由貿易協定などの構想も組み入れ、総合的な成長戦略にしたい。 いまの試練は、政権にとってむしろ天啓だ。目先の選挙対策に足をとられることなく、長期的に国を立て直していく政策を洗い出す。課題に正面から向き合うことで、政権担当能力を内外に示す格好の機会が目の前にある。・・・抜粋終わり
しかしこの社説の中では、法人税にまったく触れていません。自分の作っているものになんら手を加えられない中小下請け企業は法人税を下げるにしても、自社製品を持つ大企業は幾らでも対応できることで、対応できないならば能力がないと言うことだと思います。
中小企業及び多くの庶民は、個々人では能力があったにしても、シナジー効果が期待できなくこの困難な状況を打開していくことは難しいとは思います。しかし日本の頭脳集団を抱えている大企業はいくらでも知恵を出せる組織なのです。智恵が出れば新しい対策を打つことができます。智恵を出すためには必死になる必要があるのですが、法人税を43%から30%に甘くしたり、さまざまな引当金を認めたり、金利0政策でふんだんに安くお金を使えたり、輸出中心の企業には消費税の戻し税で利益を生み出したりと、いたれりつくせりの甘い税制を自民党・公明党政権で既得権益にしてきたものですからすっかり甘ちゃんになってしまいました。
経営に限らずスポーツ界でも何でもそうですが、必死になる環境があればいくらでも強くなっていけるのです。いまここで強くするべき企業群の甘やかしを放っておいて、力の無い庶民や中小企業をさらに痛めつければどうなることでしょう。
政府の発表では子供は欲しくないと言う若者が増えていると言うことですが、この背景には、子供を生んでも育てられないと言う恐怖が横たわっていると思います。少子高齢化が叫ばれる中、消費税を上げたらいっそうその傾向が強くなると思います。また、国民資産が1,400兆円もあると言うことですが、これをもっている人は高齢者で、消費税をあげて暮らしにくくすれば、一層老後の生活が心配になり財布のひもをしっかり締めてしまうでしょう。強制的に使わせるわけには行きませんから、老後の生活費に心配が要らず、社会保障も十分なような施策を打って、これならお金を握り続ける必要が無いから、消費が落ち込んでいると言うなら若い頃から欲しかったあれもこれも買いましょう、旅行も国内、外国にでも出かけましょうということになってくるのだと思います。
朝日新聞が消費税i論議を逃げるなと言っていることの目的は判りませんが、日本の全体的な発展のためには、消費税による庶民増税ではなく、法人税をもっと論議すべきではないかと思います。庶民の負担を増やせば、拡大再生産のための若者育たず、将来の戦力となる子供も減っていってしまう。それにお金を稼ぎ出してもらわなければならない産業界はさらに弱体化していきます。ともかくいくらでも智恵を出せる大企業群にはさらに強くなってもらい税金をジャンジャン納めてもらい、戦力を生み出す庶民の生活向上を計り世界にも貢献していってもらいたいものです。