2/25(土)、なんと初めての
国立能楽堂です!
今回もまた、いつもお世話になっているS大先輩にチケットを取っていただきました。
本当にいつもありがとうございます! 一応私もチケット発売日に電話と格闘したのですが、あえなく玉砕…。
話題作といえば話題作なので、結構人気があったのかしら?
もともと私が新感線にはまったのは、大学時代の友人から「漫画好きだったよね?『ガラスの仮面』をパロディにした演劇のチケットがあるんだけど行かない?」と誘われたのがきっかけ。
なにか運命的なものを感じ、漫画ヲタ兼新感線ヲタとしてはもう行かねばならないでしょう!
そんなわけで、行ってきました
紅天狗…じゃなくて、紅天女! 残念ながらこの日は、S大先輩が風邪でダウン。ピンチヒッターのMさんとの初能体験でした!
蛇足ですが、この日は国立競技場で某赤い悪魔達の集会があったようです。 総武線車内も駅前も、赤い人たちでいっぱい! 流石、阪●ファンに勝るとも劣らない熱狂度… たぶんこの舞台は、高齢化した伝統芸能の世界に新しい客を呼び込むための切欠として企画されたと思うのですが、果たして成功したのですかね?
とりあえず格調高き能楽堂に、ヲタっぽい人やパンクで全身黒の人などが沢山いるのは違和感を感じたかも。
私ですらそうですから、きっと普段からお能を観ている和服の上品な奥様方にとっては、異様な光景だったのでは…
そもそも売り場にあのチラシと同じ絵柄のポスター(2,000円)が並んでいること自体が異様なのではないでしょうか!
能楽堂限定とは言っていたけど、売れたのかしら?? とりあえず国立能楽堂は、ちょっと舞台への入口が判り辛かったですけど、落ち着いた独特の雰囲気でした。日本って良いなあ…と浸れること間違いなし!(w
今回、初の能ということで、内容などは全くわからないこと間違いなし!なので、早速パンフレット(580円くらいだったような…)を購入し、座席につく前に物語のあらすじを読んで一応予習。
たぶんこれを読んでいなかったら、内容は全く理解できなかったと思います。
だってゆったりとした歌に乗せた台詞が、私にはほとんど聞き取れなかったんですもの…。
今回の舞台では、まず月影先生役の女優さんが橋掛りから舞台に登場。
月影千草としてこの『紅天女』についての説明、そして漫画中での「マヤと亜弓の競合」というシチュエーションについても説明してくれます。
この説明、漫画を知らない人のためにはいいのかもしれませんが、正直聞いていて恥ずかしかったです///
「いや〜〜!やめてええええ〜〜〜〜〜〜!」って悶えそうでした(w
説明が終わると、なんと舞台正面から客席に降り、そのまま正面通路を通って4扉から退場。
この月影先生の説明によると、なんだかよく判りませんが、一真と阿古夜の恋物語だと思っていた紅天女は、どうも地球の環境破壊を訴えエコロジーを呼びかける物語のようです。
いや、ちゃんと恋物語にもなってはいるのですが…
説明の後は、まず狂言が始まります。
この狂言はほとんど現代語だったし、歌ではなく普通の台詞なのでとても聞きやすかったです。
この狂言部分では、民族の対立および環境破壊の結果起こる災害を伝えてくれます。
結局自然の猛威の前では、民族に関係なく共に逃げよう…と退場。
その後に仏師が登場し、阿古夜と出会う。
そこからこの地が禁足地となった由来…紅梅の精と仏師・一真との恋についての昔話が始まる。そしてお互いがその相手だと知った二人だった。
しかし一真は、人災・天災で乱れた世の中を救う為に、阿古夜の本体である梅の木を伐り仏像を作れという神託を受けてしまう。
そして愛する阿古夜の命と引き換えに、世の中は平安になった…。
この途中に一度狂言が挟み込まれてました。
2度目の狂言では、やはり自然破壊によって天災が起こるが、今度は対立していた民族が共に逃げるだけではなく、力を合わせて復興に取り組む…というところまで話が進みます。
とりあえず、最後まで寝ないでちゃんと見ることができました。
衣装とかが見たくて双眼鏡を持っていきましたが、これが
物凄い不正解! 遠目ならば面に集中して観る事ができますが、アップで観てしまうと、面に納めきれなかった舞手の体に繋がってしまった物凄く太った顎が気になって仕方なかったです!
…一度気になってしまうと、双眼鏡を外しても顎(首?)が意識から離れない……orz
初めて能を観たので、この舞台の出来が良いのか悪いのか普通なのかは全く謎。
なのでここからは、的外れなことばかりかもしれない素人感想など。
まずは紅天女・阿古夜(梅若六郎)。
物凄い太りすぎ…なのは置いとて、面をかぶっているせいか声がこもって聞き取りづらい。
これは仕方が無いと思いますが、女役なんだからもうちょっと女性らしい声を出して欲しかった。
踊りに関してはどうなんでしょう…正直あまり感動はなかったかも…こんなもの??
そして一真(福王和幸)。
こちらは面を被らないので、声も聞き取りやすく普通に格好良かったです。
個人的に好きなのは狂言師二人。
でも全体としては、独特の雰囲気、和楽器や地謡の響き、緩やかな動きなどとても興味深い舞台だったと思います。
能って、古典的和製ミュージカルなんですね〜。
だって台詞を歌うし、歌に合わせて踊るし…。
結局、この紅天女を演じたのがマヤなのか亜弓さんなのかは不明。(←当たり前だ!)
しかしここで、原作漫画に一言いいたいっっ!!
…究極の舞台がお能だなんて…通常演劇の演技とは全然別物じゃん!
普通に能役者がやる方が絶対良いに決まってるじゃん!!
…と、身も蓋も無いツッコミを入れてみたりして。
ル・テアトルとシアタードラマシティでの公演も決まったようです。
ご興味がある方は
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