飯田市図書館に選挙情報を見に行ったとき、全国紙の読売新聞で長野県飯田市で、外国人派遣講師が市教育委員会に抗議して辞職、帰国へと言う記事がありました。全国紙にこういう形で書かれるということは、あまりのお粗末さを全国に知らしめることになります。そう言えば、地方紙の南信州新聞に市教育委員会がお詫びの会見とか書いてあったのを思い出しました。その内容は、下記「行列のできる?法務ドクターの小部屋」記事の内容です。
偽装請負問題と労働者派遣法違反を20年間犯していたという物ですが、私が問題だと思うのは、この状態に対して、被害者である外国人教師が集団で抗議したところ、個人の問題だと市教育委員会が握りつぶしてしまったとのことです。
問題の中身:引用元
行列のできる?法務ドクターの小部屋 飯田市教委:外国人講師派遣事業問題 6年間、偽装請負か 市教委認める /長野(毎日 09.5.30) 飯田市教委の外国人講師派遣事業をめぐる問題で、市教委は29日の会見で、89年度から6年間、委託先の業者が労働者派遣法で禁止されている「偽装請負」状態で講師を派遣していた可能性があると明らかにした。「法律を全く調べていなかった。違法と分からなかった」と認めた。一方、市教委は業者への支出を委託費から報償費に切り替えた95年度以降、業者が職業安定法で必要な国の許可なく講師を紹介していたことを長野労働局に報告。報償費の支払いは当面停止するという。 市教委は同事業を始めた89年度から94年度まで、業者が雇った英語講師を市内の中学校で勤務させる請負契約を締結。業者と文書で「講師は学校長の指示に従う」と取り決めた。 しかし請負契約では講師への指揮・命令の権限は業者にあり、請負先(学校)にはない。取り決めは請負先での命令・指揮を禁じた労働者派遣法違反に当たる可能性がある。市教委は基礎的な法的課題を整理せず、当初から20年間「違法状態」を続けていたことになる。
抗議した外国人教師に対する市教育委員会の対応:引用元
毎日新聞(7月24日) 0辞職する講師は、昨夏に来日した英国人女性。当初10年3月まで市内の中学校などで教壇に立つ予定だった。
女性はこれまで市教委に待遇改善を求め、5月末には外国人講師らの総意として取りまとめた意見書を提出した。意見書では、雇用契約を結ぶこと▽日本での生活適応のためのサポート▽授業を改善するための意見交換▽交通費などの支給−−など、一般職員並みの扱いをするよう求めていた。
しかし市教委は「意見書そのものに回答するつもりはない。労働条件は新しく作る就業規定で定める」と回答しなかった。
こうしたことから、女性は今月中旬に急きょ辞職を決め、市教委に伝えた。
市教委は22日に一般職員と同等の新たな雇用規定を示した。しかし女性は「子供たちを教えることにはやりがいと意欲を感じているが、市教委が信頼できない。自分たちの置かれている待遇にはもう我慢できない」と辞職の理由を説明している。
講師の辞職を巡る経緯について、市教委学校教育課は「個人の事情なのでコメントできない」と話している。
引用終わり
5月30日に問題が発覚して、7月22日に対応策が出され、手を打たざるをえなかったのに、個人の問題だとして被害者に対してはなんら回答しないということは信じられないことではないでしょうか。帰国される外国人講師は相当いやな印象を日本に残して帰られると思うのです。こんなことでは、観光日本などといって外国から観光客を呼ぼうとしても、少なくともこの問題を知った国の人や、周りの人たちは大金を使って日本に来てはくれないでしょう。日本の観光業界にとっては大損害です。
しかし20年もの間違法労働行為に気がつかなかったということが信じられます?飯田市にはハローワークもあり、労務士もいっぱいいるのです。1年や2年ならそうだったのかと言うことになりますが20年間放置などありえるはずが無いと思うのです。それに教育委員会が絡んでいるのですから、教育トップ組織がこういう体質では、その影響を受ける組織や子供たちも、違法行為でも騒がれなければひたすら特定業者の利益を守っていても問題がないという姿勢を教育されているようなものです。依然として古い体質を残していることは明らかで、問題があれば速やかに公開し、被害者には丁重に説明しより一層の協力を求めるということが必要なのに逆の事をしているのです。観光問題と共に、後5年で日本ががたがたになるかも知れないという時、20年間も問題を引きずってきて、もみ消してしまおうなどと言う体質では、市民や国民の総力を上げた協力に基づく対応など不可能でしょう。
この問題に対して、責任者がどういう処罰を受けたのか調べたのですが分かりません。もし分かっている方がおられましたらコメントくだされば幸いです。