通説にとらわれない新しい歴史解釈
 山本五十六はミッドウェー海戦の最中に部下と将棋を指していたそうである。また日本の航空隊が英極東艦隊のプリンスオブウェ−ルズとレパルスを攻撃していた時も、その戦果について部下とビールを賭けることを自分から言い出した。どこの国の国民の基準から見ても「おかしな男だ」と思うのが普通ではないだろうか。
「凡将山本五十六」−徳間書店の著者生出寿が「命がけで戦った敵味方の将兵たちは、山本がこの戦闘の結果に面白がってビールを賭けていたと知ったら、どういう顔をしたであろうか?」と疑問を呈しているがもっともなことである。
真珠湾奇襲前に各艦隊の長官、司令官に「全艦隊の将兵は本職と生死を共にせよ」と訓示したが自分は安全な瀬戸内海の戦艦大和に残ったままだった。
山本はかねがね、大本営発表は、いいことでも悪いことでも真実を発表すべきであると言っていた。しかし、ミッドウェー海戦の大本営発表については口をつぐんだ(前掲書)。
 「ミッドウェー海戦の時、大火災の艦に最後まで残り、艦と共に沈もうとしていたところを、飛行長の増田正吾中佐につよく諫められて生還した赤城艦長青木泰二郎大佐は、島田海軍大臣に責任を問われて予備役に追われた。また、沈んだ四隻の空母に乗っていた多数の罪の無い下級士官や下士官兵たちは、ミッドウェー大敗の口封じのために、南海の遠い島々や僻地の最前線にとばされた。まるで、責任があるものに罪がなく、責任がないものに罪があるような処置の仕方ではないかとおもわれるのである(前掲書)。これが部下思いの人格者と評するものもあった山本五十六の素顔である。言行不一致なのである。このようなタイプは今日でも珍しくない、自己演出に巧みで、言うことは真に立派で誠実そうであるが実際の行動が伴わない。
この海戦で唯一勇戦して敵空母「ホーネット」に致命傷を与えた飛龍艦長の勇将山口多聞のような有能な提督は引きずってでも内地に連れ戻すべきであった。
 「山口司令官は飛龍が航行不能となり応急処置もできないと知るや、火災の最中部下の駆逐艦を横付けさせ、司令部員や艦の乗員に移乗を命じ、自分一人艦にとどまろうとした」
参謀の一人が「何か形見の品をいただきとうございます」と言うと「何も持ち合わせがない、これをやろう」とかぶっていた戦闘帽を渡したそうである。この時、主計長が「金庫の金をどうしましょう」と加来艦長に尋ねると「この際そんなことは心配せんでもよい。僕があの世で飲み代にでもするよ」と冗談まじりに答えた。山口司令官がそばから、「あの世で加来艦長のお得意の”おはら節”でも聞くかなあ」とあいづちを打ち、皆の移乗を促した。二人ともに死の寸前にあって神色自若たるもので、駆逐艦が離れると手をふって別れを告げ、艦橋へ上がっていったということであった。(以上山崎重暉元海軍中将著「回想の帝国海軍」図書出版社より抜粋)
2008 08/16 00:02:19 | none | Comment(1)
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×真珠湾奇襲前に各艦隊の長官、司令官に「全艦隊の将兵は本職と生死を共にせよ」と訓示したが自分は安全な瀬戸内海の戦艦大和に残ったままだった。

〇真珠湾奇襲前に各艦隊の長官、司令官に「全艦隊の将兵は本職と生死を共にせよ」と訓示したが自分は安全な瀬戸内海の戦艦長門に残ったままだった。
Posted by 通りががりのものです at 2015-03-26 21:46:43

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