直接来局の方、あるいは電話のお問合せで、漢方薬販売をお断りした事例集
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例外もあるが、せっかく医療用漢方で効き目が出ているのなら、他社の製剤でもまったく同様の効果効能が得られるとは限らない。
天然物の宿命で、往々にして効能に差が出るものである。
よく効いている場合は、もらった病院にこれまで通り処方してもらうように告げて、お断りする。
同じ医療用の製品が欲しいと要求された場合も、当然、同様な対応である。
ただし、例外もある。
病院でもらった漢方薬が効かないといって持参された場合で、どうみてもその方剤が、その患者さんにとって、適切な方剤としか考えられないケースである。
実際にあった例に、柴胡桂枝湯と猪苓湯がある。
特に後者、猪苓湯は複数続いている。
保険の利かない当方の猪苓湯製剤では著効を得るのに、医療用ではまったく効果を示さなかった事例が昨年から3件続いた。
それゆえ、天然物を原料とする漢方薬の微妙さを、常に考慮しておかねばならない。
各社、それぞれに、たとえ同一処方であっても、微妙に異なるところがあるので、十分に注意と配慮が必要である。
さらに追記すれば、大分前に専門誌「和漢薬誌」(ウチダ和漢薬発行)にも発表したことがあるが、顔面に生じた中年男性の湿疹に、医療用の「猪苓湯と茵蔯五苓散」では、かえって悪化し、保険適用ではない薬局用の同製剤の組み合わせでは即効を得るという、なんとも不思議な現象を確認している。
証人は患者さん御本人、処方された医師、それに当方の薬剤師2名の合計4名の確実な証拠があるわけである。
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