直接来局の方、あるいは電話のお問合せで、漢方薬販売をお断りした事例集

2005年 09月 の記事 (6件)

当方の薬局では、子供さんは殆どお断りしている。

何と冷たい漢方薬局だろう!?

実際には、子供さんのご両親が先に当方の漢方を愛用され、信頼を得られた場合には、そのご家庭の子供さんにも、依頼されれば、例外なく、適切な漢方薬を販売している。

問題は、初めて子供さんを連れてこられた場合である。

開店当初から10年くらいは、それでも積極的に、ご相談に乗り、多くの子供さんに漢方薬の素晴らしさを味わってもらったものであるが、その頃から、突然のように、お断りすることが断然多くなった。

なぜか?

親御さんのマナーの悪さ、親子での聞き分けの無さ、などが、その頃から極端に感じるケースが増えたからである。

無駄な時間を奪われるし、親子の我儘(わがまま)に絶えられなくなったのが事実である。

そんな! 我儘なのは、当の漢方薬局の薬剤師ではないか、と言われれば、半分は、その通り。

否定するつもりは毛頭ない。

然しね〜〜ェ、こちらだって生身の人間です。

やわな人間だけに、出来もそれほどよくない人間だから、現代人特有の、客だから何を要求してもイイ、という態度、マナーのなさ、病人をかかえているという無意識の特権意識。

これらに耐えられなくなった。

あれに耐えていると、こちらがノイローゼになりそうである。

その頃から、大人になってからなら、いくらでもご相談に乗りますから、子供さんの頃は、まだまだ西洋医学で充分に治せるものですから、どうぞ、現在通院中の病院で、思わしくないのでしたら、他にもきっといい病院がありますから、といって、時には適切な病院をアドバイスしてでも、上手に逃げを打つことだって珍しくない。

とりわけ、昨今のように、成人の方たちの難病ばかりのご相談が増え続ければ、なおさらである。

ただ、最初にも書いたように、先にご両親が、当方の漢方薬に信頼を置いて下さった場合には、別である。

だから、一家全員が、当方の漢方薬の愛用者、というご家庭もかなり多い。

本音を言えば、現実は、このようなものなのだ。

上記の当方の逃げ口上に、一旦はあきらめられた方も、成人されてから、本腰を入れて来局され、熱心に漢方を続けられたケースは、意外に多いのだから、世の中は、まったく奇縁である。
2005 09/26 22:26:30 | お断りの事例
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前回述べた出直しの、典型的な事例。

急性リウマチで高熱を発し、全身浮腫、特に下半身がひどい。

全関節の疼痛とともに、38度5分、病院で消炎鎮痛剤などが出るも、ステロイド剤は、まだ出されていない。

病院の帰りに、知り合いから紹介されて、我が方の漢方薬治療を求めて来局。

病院治療と同時に漢方を始めると、どちらがどう効いたのか、判定が出来なくなるので、今は漢方薬は使用しないほうが良い。

病院治療の結果を、充分に見届けてから、それでも思わしくなければ、その時にいらっしゃい、ということで、お帰り頂いた。

さぞや、肩透かしで、お気の毒ではあったが、止むを得ない。

病院治療を充分に行なわないうちに、漢方薬を出す訳には行かない。

それが、当方の薬局の方針である。

そのまま、永久にご縁が無くなることも多いが、この方は違った。

一週間後にやって来られ、病院治療により、疼痛は軽減し、発熱も、微熱程度におさまったが、浮腫が一向にとれない、ということで、イチイチの報告も、的確で、観察力もおありだし、理解力もまずまず。

それでは、ということで、必ず病院治療もこれまで通り、続けながら漢方薬治療を行なうこと。

そうすれば、漢方薬が加わることによって、配合のピントがあっていればいるほど、治癒機転が促進されることが、実感されるはずだから、よく観察されておくように、ということで、弁証論治に基づく、適切と思われる漢方薬製剤を2種類組み合わせてお出しする。

その後、大変順調に回復され、月日が大分たって白状されるには、あのまま、病院には行かず、漢方薬治療だけで、この通り、お陰さまで、ということであった。

あれから、10年近くもなるが、すでにリウマチ用の漢方薬錠剤も不要となり、思い出したように、貧血用の製品を買い求めに来られるが、一応の根治的な状態が、5年以上続いている。

このように、一旦は、お引取り願った場合でも、ご自分の疾患の、しっかりした認識と、漢方治療に対する決意の表明があれば、病院治療とのタイミングを見計らって、ご希望に添えることも多いのである。

やはり、タイミングとともに、ご本人の自覚、漢方治療に対する強い決意次第ということも、ご縁ができるか、出来ないかの分かれ目なのであった。

ことほどさように、小生は気難しい漢方薬局を経営しているのかもしれない。

石橋を叩くのは、患者さん以上に、こちらの方かもしれないのである。

だから、日頃から、お気楽に相談してもらっては困る、などと、常に逆説的な表現をせずにはおれない、トウヘンボク薬剤師では、あるのかも。
2005 09/23 21:43:10 | お断りした後に再来局例
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尤(もっと)もな理由から一度はお断りしても、あらためて、出直されて来る様々なケースがあるのも事実です。

そういう中でも、完全にお断りした、というのではなく、病院に諸検査の後、診断が下った後に、病院から貰った薬を持って、その足で、そのまま小生の薬局へ、やって来られるケースも、ままあるわけで・・・。

まず、この場合は、病院の治療薬の服用による経過を充分にみて、それでも不充分だったり、効果が無い、あるいは副作用が出るまど、そういう場合には、もう一度、ご相談に乗りますが、今回は、漢方薬はお出しできません、ということで、いったんはお断りすることになる。

そういった実例は、おいおい、もっと具体的に報告することが、きっとあると思う。
2005 09/22 23:13:27 | お断りした後に再来局例
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御自分が当方の漢方薬で半年で、かなり調子がよくなったからと、近所の方に勧めているが、名前を間違って他所の薬局に行ってしまったという。

是非、こちらに来るように、勧めていると言われるので、余計なお節介は、止めておきなさいよ、と強く言う。

嫌がってる証拠なのだから、こちらとてイヤイヤ来られたって、アリガタメイワクだから、ご自分のことだけ考えて、他の人のことまで、世話を焼かないように、とアドバイス。

本日あった話だが、ここ三日、明日の休みがあるためか、超多忙につき・・・・・と書いている最中に少し遠方の常連さんのご相談の電話があってこの・・・の間、書くのを中断していた。
来週明けにはうかがいますとのこと。

ああっ!それにしてもこの3日、疲れにツカレタ。

「疲労が疲れた」などという言語矛盾の表現も、こんな時に使いたくなる言葉ダネ。
2005 09/22 17:23:32 | お断りの事例
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お行儀の悪い人が多いからである。

お断りすることが多い、もう一つの理由がこれである。

マナーの悪い人に、多忙で貴重な時間を奪われるほど、不愉快なことは無い。

だから、このブログでは、自分の漢方の腕自慢なんかするよりも、お断りした事例ばかりを羅列すれば、逆に浮かび上がって来るものも、多いはずである。

小生は、かなりな変人であるとの自覚はあるが、難病を抱えた常連さんや、大の漢方ファンのおなじみさんたちとは、戦前の古きよき時代を思わせるほど、実に和気藹々(わきあいあい)で、思う存分腕を振るうことが出来るのだ。

ところが、マナーが悪い、お行儀の悪い方というのは、この難しい漢方医学、中医学理論に基づくアドバイスをしようにも、不快感が先にたって、考える気力すら失せるのだ。

そんな横着者が、漢方薬局などするな、という人がいれば、何の分際で、アナタこそ、そんな不遜なことが言えるのか、と大反論するだろう。

いかに神経を使い、心身ともに、どれだけ消耗する仕事であるか、貴方達は知らないから、言えるのだ、と反論するだろう。

それほど、真の東洋医学、とりわけ弁証論治の中医・中草薬学というものは、ネット通販で簡単にピントが合わせられるほど、イージーなものでないのである。

だから、よく、漢方薬局のお誘い文句にあるような、

どうぞ、お気軽にご相談下さい、などとは、小生の薬局では絶対に言わないし、そんな気楽な宣伝文句は使わない。

お気楽に相談されてはかなわない!

こちらは真剣勝負で頑張っているのに、気楽に出来るような相談なら、きっと軽症の病人さんだろうから、漢方薬を飲む必要はアリマセン!と断じてしまうだろう。

小生の大嫌いな、常套句、それが、上記の、

お気軽にご相談下さい!

という、常套句なのである。 
2005 09/21 23:11:00 | お断りの事例
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ちょうど昼、他のスタッフは食事に行っていない時間帯。

常連さんたち何人もの漢方薬類を用意するのに、一人オオワラワのところへ、タイトルの事例。

友人らしき人と同伴で来局。

「病院には行って見られましたか?」と私。

「いえ、まだ行っていません。」

「それでは、先に病院に行ってください。漢方薬を考えるのは、それからでも遅くはありません。西洋医学的な診断をあおぐべきです。必要なら、西洋医学治療も充分に受けてからのことにして下さい。」

まるで、ハトが豆鉄砲・・・・といった表情をなさって、退散される。
2005 09/21 19:38:10 | お断りの事例
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