直接来局の方、あるいは電話のお問合せで、漢方薬販売をお断りした事例集
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2005年 11月 の記事 (7件)
具体的に書くのは特定の疾患にあたるため憚りがあるので、血液系の疾患とだけ記しておく。
遠方からのお問い合わせで、その血液系疾患が、地元の漢方薬局では、半年も服用すれば治る、と断言されたという。 それを不振に思ったらしく、そんなものだろうか?との御質問である。
西洋医学治療では、将来は骨髄移植も考慮に入れなければならない、と言われているくらいの疾患が、いくら漢方薬が優れているからといっても、安易なことを言われたものだと思う。
儲け主義に徹すると、そこまで言うか!? と、いささか怪訝である。
もとろん、当方では無理だからとお断りする。 弁証論治がうまくいけば、あるいは比較的短期間に緩解することはあろうが、半年間で治るなどとは、口が裂けても言えない。 人間の身体は自動車の修理とは違うのである。 緩解はあってもなかなか根治するものではないから、安易な断定が出来るわけがない。
小生の愚息が血液腫瘍内科が専門だから、なおさら負けじと対抗して研究したことがあり、その疾患の難治性を知るが故に、その薬局さんのような安易な発言をされるお気持ちが計り知れないのである。 罪作りなものだと思うばかりである。
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お電話でのお問い合わせは、関東地方、中でも東京在住の方からの漢方相談のお問い合わせは頻繁である。 当方は本州の西端であるにも拘らず。 1日に複数のお問い合わせがあったこともある。 めずらしくここ数日ないので、ホットしている。 いずれも一度は来局頂かないことには、どうしようも出来ません、とお答えしてのお断りである。 これが、一度でも來局されておられれば、後は遠方ゆえ、お電話での御相談により漢方薬をお送りすることも出来るが、最初から電話相談だけで漢方薬を販売することはできない。 西洋医学治療でも困難を極めたような疾患が、お電話のご相談だけで簡単に適切な漢方薬がアドバイスできるはずがない。 若い頃には、手柄を立てたさに行ったこともあるが、ことほど左様にうまくいかなかった。 一度来られているか来られていないかによって、漢方薬のピント合わせには、雲泥の差が出ることが多い。 それに、遠方でも一度はやって来られる情熱がなければ、お互いにうまくゆかないことが多い。 お互いに無駄なことはなるべく避けたほうが良いと思う。 当方では、どんなに遠方から来られた場合でも、最初は10日から15日分程度しかお出ししない。まれに20日分ということがあるくらいで、ほとんどが10〜15日分である。 それくらいあれば、どんな疾患でも、わずかでも反応があるものなのだ。 無反応であれば、まだピントがしっかり合っていない証拠だから、早速微調整となる。 これらの機微をどうしても理解してもらえない人もあるが、その場合はあらかじめお断りしていることのほうが多い。
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現在の医薬健康関連情報で最も気になるのが、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」の副作用問題や、急務とされるそのタミフル備蓄問題など、もっとも皆さんの関心が寄せられている問題である。 だから今回の本ブログも、それらに関連したブログの御紹介に終始したい。 まずは、風邪と流感専門のブログ 漢方と漢方薬は風邪・流感に本当に有効か?そのお株を攫った(笑)ブログ 漢方と漢方薬および中医学関連情報 などであろうか。
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突然FAXが入り、HPを見たとて漢方薬のお問い合わせ。 60代女性が、白血球が少ないことの悩みで、といっても3,000前後。 医師にも遺伝的なものだろうと言われているが、2,000以下になると薬の投与になるので、何とか漢方薬で助けにならないかとのお問い合わせ。
また30代のご子息の、毎年冬になると咽喉からくる風邪で熱が出て、その都度、抗生物質のお世話になるので、困っている。 本人は自覚が薄いが・・・・・ということで、抗生物質を服用させたくないので、風邪薬をお願いしたい、という文面である。
しばらくして、電話がかかる。
現在、医師で漢方と西洋医学を両方される医師に、白血球の増加のために「六君子湯」をもらっているといわれる。 当方、3,000前後の白血球でも、自覚的に何の問題もないのなら、それほど気にすることもないだろう、お医者さんのアドバイス通りでよいと思うが、ちょっと「六君子湯」ではねえ〜〜? それよりも、なによりも、その程度のお悩みで、当方にご相談されるには及ばないこと、東京近辺であれば、中医学に詳しい漢方専門薬局や医師の診療所もあるはずだから、と答える。
それなら、東京近辺で、どこかいい所を教えろと迫るので、ふっと思い出したK医師を紹介する。
直接の面識はないが、中医学では専門家の間ではよく知られているベテランだからだ。
ともあれ、息子さんの咽喉から来る冬の風邪こそ、典型的な銀翹散製剤だが、わざわざ当方に依頼しなくとも、中医学を専門にされる薬局ならどこでも置いているものである。
正直言ってこの忙しい月曜日に、この程度の問い合わせのためにワザワザ本州の端っこにまで電話するには及ばないと思うのだが。
こういう問い合わせは、メールでして欲しいものだ。 メールなら、時間があいた時に、自由にお返事できるが、電話というものは、とりわけ月曜日や土曜日に多忙時にかけられるのは、待たせている患者さんや別の電話の常連さんの薬のアドバイスを、強引に中断させられることになるのだから。
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さきほど、夕方のこと、子供さんの喘息治療で、病院から出されている漢方薬「小青竜湯」を求めて来局。
病院から出される医療用漢方は置いてないので、今、頂いている病院でもらうようにと、お断りする。
こういうケースが結構多いが、たとえ
「同じ内容のものなら、保険がきかなくてもいいです」
と言われた場合でも、決してお出ししない。
病院の漢方薬では効かないので来ました、という理由でない限りは、お断りである。
蛇足ながら、 実際、病院では漢方薬が効かなかったので、漢方専門のところならと思って、やって来ましたと言う方はとても多い。 つまり、病院が漢方薬を出すぐらいなら、専門のところに行けば、もっといいのがあろうだろうと思って、というケースが意外に多いということである。
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病院に通ってもなかなか思わしくないからと、大変なご病気の相談で、熱心に話をお聞きし、当方の漢方薬のアドバイスのシステムなどをご説明し・・・・・というところで、延々とそれまでに相当な時間を取って、イザ漢方処方をと言う段になって×××××を求めてきたんだけど・・・・と横文字のサプリメントの名前をおっしゃる!
最初っからそう言っておられれば、お互いに時間の無駄をせずに済んだものを、当方とて、延々と漢方薬の特長等をあれだけ説明し、体質もある程度把握して、適切な方剤をアドバイスした時点で、トンデモナイことをおっしゃるな〜〜〜という無力感!
漢方専門薬局と、どうして横文字のサプリメントを直結して考えられているのか、しかもかなりな難治性疾患を抱えておられながら、その方の発想が、どうして横文字のサプリメントに向かわれるのか?
当方には到底理解できない感覚であるが、これが現代社会の一面であることは確かのようだ。
巷(ちまた)では、素人さんが製造あるいは輸入して、素人さんにそのサプリメントの「効果・効能」を声高に説明し、素人さんもそれを本気で信用して大枚(たいまい)はたいて購入する、というのが現代社会の典型的なパターンの一つのようだ。
素人療法の怖さをまざまざと見せ付けられる現実が多い昨今だが、最初っからご縁が無い方達だから、大いなる無駄骨のあと、無力感と空しさが残るのみ。
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喘息に柴朴湯(さいぼくとう)が、いいと聞いたんだけど、と言って入ってこられた中年男性。
ご本人は、奥様でご本人は見えていない。
確かに、20〜30年前までは、よく合う人が多かったが、温暖化と暖房設備の充実のせいか、ああいう温性でしかも乾燥する性質のある方剤は、適応する人が、かなり減ってきているように思う。
そのことをお話して、皆に合うとは限らないし、喘息の方に皆がみな、合うわけではないこと。
この秋の季節、乾燥する季節でもあるから、気管支粘膜が乾燥しやすい体質の人には、かえって逆効果になる場合だってあることを説明し、販売をお断りする。
これが、漢方薬方剤指名客で、うっかり販売してはならない例の典型でもある。
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